怪談の紹介:2007年日本映画。三遊亭圓朝の落語『真景累ヶ淵』を『リング』で有名な中田秀夫が監督をした怪談映画です。過去の借金のトラブルで殺した方の息子と、殺された娘が恋におち、女が嫉妬に狂い死んだことから、男を恨み呪い続けるという内容です。黒木瞳さんの狂気の演技が光ります。
監督:中田秀夫 出演者:尾上菊之助(深見新吉)、黒木瞳(豊志賀)、井上真央(お久)、麻生久美子(お累)、木村多江(お園)、瀬戸朝香(お賤)、津川雅彦(三蔵)、榎木孝明(深見新左衛門)、六平直政(皆川宗悦)ほか
映画「怪談 (2007年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「怪談 (2007年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「怪談 (2007年)」解説
この解説記事には映画「怪談 (2007年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
怪談のネタバレあらすじ:起
噺家が怪談話をしています。昔、妻に先立たれた宗悦が金貸しをしていました。新左衛門という武家に30両を貸し、年月がたち利子も含めて60両になり、今日こそは返してくれと、新左衛門の家に押しかけていました。新左衛門は無い袖は振れないと宗悦に切りかかりました。宗悦を殺した新左衛門は死体をかさねが淵に沈めました。帰らない宗悦を娘の豊志賀と妹のお園が探しました。やがて新左衛門の生活は荒れ、幼い息子を残して死にました。そして25年後深川の町で、新左衛門の息子の新吉は但馬屋で煙草売りをしていました。宗悦の娘の豊志賀は御唄の師匠をしていました。二人が町の通りで顔を合わしました。豊志賀は新吉から煙草を買い、新吉は年上の豊志賀に一目ぼれしました。豊志賀の勧めで、豊志賀のけいこ場へ煙草を売りに行くようになった新吉は、豊志賀への思いを断ち切る為にけいこ場へ行くのを止めました。気になった豊志賀が新吉を見つけ、自宅であるけいこ場へ呼びました。そこで新吉は豊志賀に自分の想いを告げました。豊志賀は歳の差を理由に断るものの、二人は結ばれました。
怪談のネタバレあらすじ:承
豊志賀のけいこ場で働くことになった新吉は、豊志賀に使えるように働きました。けいこ場にいるお久に優しくする新吉を見て、豊志賀の態度が一変しました。お久や、他の弟子達に強く当たるようになり、弟子が次々辞めていき、遂に誰もいなくなりました。妹のお園は見かねて、豊志賀に新吉と別れて田舎に帰ろうと言いました。その時三味線の弦が切れ、豊志賀は怒りだしお園は一人で田舎に帰りました。そのいざこざを見ていた新吉は、自分のせいだとして、家を出る決意を豊志賀に告げました。豊志賀は新吉と離れたくないと言って、二人は揉み合いになりました。その時三味線のバチが当たり、豊志賀のまぶたが切れました。新吉は献身的に豊志賀の介抱をしますが、豊志賀のまぶたは腫れあがり、ウミまで出始めました。悪化する一方の豊志賀に対し、新吉はお久に好意を抱き二人で会うようになりました。やがて豊志賀は死に、新吉はお久と二人で深川を離れるため旅立ちました。
怪談のネタバレあらすじ:転
夜中、船から降り山道を歩いていると雨になり、小川の橋の下で雨宿りしました。その時お久は、カマで足を切りました。新吉が手当てをしていると、お久の顔は死んだ豊志賀になっていました。新吉は夢中でカマを振るうとお久の頭に刺さり、お久は死にました。一人彷徨う新吉が倒れているのを、下越屋の娘のお累に見つけられ下越屋で運ばれました。献身的に介抱するお累のおかげで新吉は目覚めました。その時、お久の死体があがり、下越屋は騒動していました。お累とお久は親戚に当たりました。聞いた新吉は逃げ出し、船乗り場の茶屋に着きました。そこでお園に会いました。そこに下越屋の使者が来て、新吉は下越屋に呼ばれました。そこでは主人の三蔵と妻、娘のお累がいて、婿入りの話でした。新吉は断りますが、泣き出したお累が自分の部屋で転んで熱湯を浴び、顔に火傷をしてしまいました。このことで新吉は婿入りすることになりました。若旦那と呼ばれ上機嫌の新吉は町で酒を飲みました。そこにはお賤という女がいました。彼女は新吉に近づくも、三蔵の妾でした。
怪談の結末
ある日新吉はお賤に呼び出されました。一緒にいた甚蔵にお久殺しを見られていて、お賤は殺しに使ったカマを100両で買えと言いました。いったん断って家に帰ると、お累との間に生まれた娘が自分をじっと見ているので、思わず口を塞いで殺そうといました。止めるお累に三蔵が駆けつけ、騒動は収まりました。翌日金を持ってお賤と会いました。そこに三蔵がやって来て、新吉に襲い掛かり、カマをクビ元に構え出て行けと言いました。その三蔵をお賤がカマで殺しました。かさねが淵へ三蔵を沈めようとした甚蔵も引き込まれ、翌日二人の死体は見つかりました。自宅に帰ると新吉はお累の顔が豊志賀に見えはじめ、力いっぱい絞殺していました。飛び出した新吉を探して追っ手が大勢やってきました。途中でお園に助けられるも、追っ手に囲まれ殺し合いになりました。傷ついた新吉を船に乗せ、お園は川を下りました。かさねが淵に着くと新吉は淵に引き込まれました。そして水面には豊志賀の姿がありました。豊志賀は新吉の首を抱いて、くちづけをしていました。
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