私は貝になりたいの紹介:2008年日本映画。元陸軍中尉である加藤哲太郎の手記の一部分を基に製作された戦争映画。平凡な主人公が戦争に翻弄されて、理不尽な裁判の末に処刑されるまでの拘置所での生活や、残された家族との愛を描いている。豪華なキャストが話題を呼び、特に主人公を演じた中居正広による迫真の演技は、映画関係者を含めて多くの人々に評価された。
監督:福澤克雄 出演者:中居正広(清水豊松)、仲間由紀恵(清水房江)、笑福亭鶴瓶(西沢卓次)、草彅剛(大西三郎)、上川隆也(小宮教誨師) 、石坂浩二(矢野中将) ほか
映画「私は貝になりたい(2008年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「私は貝になりたい(2008年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「私は貝になりたい(2008年)」解説
この解説記事には映画「私は貝になりたい(2008年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
私は貝になりたいのネタバレあらすじ:起
1944年、戦時中の日本。理髪店を営む清水豊松(中居正広)は、妻の房江(仲間由紀恵)と幼い子供と共に、貧しいながらも幸せに暮らしていました。ある日、豊松の元に召集令状が届き、豊松は房江に髪を剃ってもらいます。2人は、出会ってから今に至るまでの様々な出来事を振り返っていました。やがて厳しい訓練が始まりますが、片一方の足が不自由な豊松は、仲間と共に上官から暴力を受けます。B-29による本土空襲の際に日本軍が迎撃した機体の乗組員の捜索任務に就いた豊松は、捕らえられた米兵を上官の命令によって刺殺しようとします。しかし、豊松の銃剣は捕虜の体をかすっただけで、既に捕虜は命を落としていました。
私は貝になりたいのネタバレあらすじ:承
戦後、BC級戦犯容疑で警察部に連行された豊松は、米側の一方的な裁判にかけられ、上官らが絞首刑や終身刑を命ぜられる中、絞首刑を言い渡されて死刑囚収容所に入れられてしまいます。そこには大西三郎(草彅剛)という男性がいましたが、次の日に彼の死刑が執行され、豊松は泣き崩れます。次の日、西沢卓次(笑福亭鶴瓶)という男性と相部屋になった豊松は、かつての上官である矢野中将(石坂浩二)から謝罪を受けたのちに彼の散髪をしたことで仲良くなります。
私は貝になりたいのネタバレあらすじ:転
ある日、豊松や矢野と仲の良い小宮教誨師(上川隆也)から手紙をもらった房江は、やっと豊松の刑について知り、彼が連行されたのちに生まれた赤ん坊を背負い、子供の手を引いて拘置所へ向かいます。そんな中、遂に矢野が処刑されますが、その際に彼は、マッカーサー元帥らに米軍が日本でしてきたことの罪深さと、自分の死によって事件の関係者の刑を減軽するよう言い残すのでした。あくる日、房江や子供たちと遂に面会を果たした豊松は、西沢が書く嘆願書の署名がなかなか集まらないことを嘆くも、彼らに対して明るく振舞います。土佐に帰った房江は、妹と根気よく署名を集めた結果、目安の200人の署名を手に入れることに成功し、夫は必ず帰ってくると確信します。次の面会で署名を豊松に見せた房江は、彼と今後の生活について語り合うのでした。
私は貝になりたいの結末
ある日、豊松は拘置所を出られることになり、西沢ら収容所の仲間たちに別れを告げます。やっと家に帰れると思った豊松でしたが、米軍から絞首刑を宣告されてしまいます。今までの人生を振り返り、ぱっとしない人生だったことに嘆く豊松でしたが、一方の土佐では、房江が新たな生活に向けての準備を進めていました。豊松は家族に宛てて手紙を書き、遂に刑が執行されます。そして房江は、もう二度と戻らない夫の帰りをなお信じて待つのでした。
戦犯で有罪になった主人公を中居正広さんが演じています。妻役を仲間由紀恵さんがやっていて、吹雪の中を署名をもらうために歩いている姿が印象的でした。結局、主人公は絞首刑になるのですが、最後の言葉である「私は貝になりたい」に胸が痛くなりました。