科捜研の女 -劇場版-の紹介:2021年日本映画。1999年に放送開始し、2022年現在でシーズン21まで製作されている人気テレビドラマシリーズ『科捜研の女』が満を持して初映画化。京都の医科大学で女性教授が謎の死を遂げたことをきっかけに同様の事件が連続して発生。京都府警科学捜査研究所(通称:科捜研)の榊マリコと仲間たちは事件のカギを握る“史上最強の敵”と対峙することに…。主人公マリコ役の沢口靖子や相棒役の内藤剛志をはじめとするテレビシリーズのレギュラー陣に加えて過去シリーズのレギュラー9名も登場、佐々木蔵之介が史上最強の敵として参戦しています。
監督:兼﨑涼介 出演者:沢口靖子(榊マリコ)、内藤剛志(土門薫)、若村麻由美(風丘早月)、風間トオル(宇佐見裕也)、斉藤暁(日野和正)、渡部秀(橋口呂太)、山本ひかる(涌田亜美)、金田明夫(藤倉甚一)、西田健(佐伯志信)、石井一彰(蒲原勇樹)、佐津川愛美(秦美穂子)、渡辺いっけい(倉橋拓也)、小野武彦(榊伊知郎)、戸田菜穂(芝美紀江)、田中健(佐久間誠)、野村宏伸(佐沢真)、山崎一(宮前守)、長田成哉(相馬涼)、奥田恵梨華(吉崎泰乃)、崎本大海(木島修平)、片岡礼子(石川礼子)、佐渡山順久(相田勝之)、マギー(柴崎勉)、増田広司(斎藤朗)、宮川一朗太(石室達也)、阪田マサノブ(長野智彦)、中村靖日(木村柊一)、駒井蓮(森奈々枝)、水島麻理奈(森友希枝)、伊東四朗(老紳士)、福山潤(アナウンサー)、星由里子(榊いずみ)、宮田圭子(宇佐見咲枝)、宮地雅子(日野恵津子)、染野有来(風丘亜矢)、佐々木蔵之介(加賀野亘)ほか
映画「科捜研の女 劇場版」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「科捜研の女 劇場版」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
科捜研の女 劇場版の予告編 動画
映画「科捜研の女 劇場版」解説
この解説記事には映画「科捜研の女 劇場版」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
科捜研の女 劇場版のネタバレあらすじ:起
京都府警科学捜査研究所、通称:科捜研に所属する法医学研究員・榊マリコ(沢口靖子)は「科学は嘘をつかない」を信条とし、仲間たちと共にこれまで幾多の難事件の裏に潜む真実を追い求め続けてきました。
ある晩秋の日。外で資料を読みふけっていたマリコは老紳士(伊東四朗)に声をかけられました。馴染みの芸妓に袖にされたという老紳士はマリコを食事に誘いましたが、マリコから見せられた資料の中に解剖の写真があったのを見た老紳士は思わず怖気づき、そそくさとその場から立ち去っていきました。
科捜研のメンバーはマリコの他に、所長兼文書研究員の日野和正(斉藤暁)、化学研究員の宇佐見裕也(風間トオル)、物理研究員の橋口呂太(渡部秀)、映像データ研究員の涌田亜美(山本ひかる)で構成されています。
科捜研には元メンバーで現在はサイバー犯罪対策課に勤務する吉崎泰乃(奥田恵梨華)、涌田の大学時代の先輩である警務部巡査部長の木島修平(崎本大海)も時折顔を出しています。日野は橋口と共に、カナダ・オタワの科学捜査センターへ赴任している元科捜研メンバーの相馬涼(長田成哉)とオンラインで会話し、現地の様子について語り合いました。
マリコの盟友で科捜研メンバーからの信頼の厚い洛北医科大学・法医学教授で解剖医の風丘早月(若村麻由美)は残業中に「助けて。殺される」という声を聞きました。その直後、ウイルス学研究室・教授の石川礼子(片岡礼子)が屋上から謎の転落死を遂げました。
科捜研の女 劇場版のネタバレあらすじ:承
マリコの強力な仲間である京都府警捜査第一課の土門薫警部補(内藤剛志)と部下の蒲原勇樹巡査部長(石井一彰)、マリコら科捜研メンバーはただちに石川の死の真相について調べ始めました。
検死と司法解剖の結果、死因は全身打撲による外傷性ショックとみられ、頭部などに致命傷となる傷などはみられませんでした。石川は特に持病などなく、薬物も検出されませんでしたが、マリコは石川の腋の下のリンパにしこりがあることが気になりました。
現場の状況や監視カメラの映像などから石川は自殺の可能性が強まりましたが、早月は石川が死の直前に発した「助けて、殺される」という言葉がどうも気になりました。石川は普段とは違った行動をとっていなかったかと問うと、講師の柴崎勉(マギー)は一昨日に石川は帝政大学の教授に会いに東京に行ったとのことでした。
石川が一昨日会ったのは帝政大学の微生物学教授・加賀野亘(佐々木蔵之介)でした。加賀野は腸内細菌を活用したダイエット菌の新薬の研究をしており、双子の大学院生・森奈々枝(駒井蓮)と友希枝(水島麻理奈)に試薬を投与しての実験を行っていました。奈々枝と友希枝は半年前は瓜二つでしたが、今や奈々枝は別人のように痩せていました。
石川は加賀野に会う際、同じウイルス学研究室の助教・秦美穂子(佐津川愛美)と京都医科歯科大学・生体防御研究室の准教授・斎藤朗(増田広司)も一緒にいました。土門は確認を取ろうと京都医科歯科大学に電話をかけたところ、電話に出たのは解剖医の佐沢真(野村宏伸)でした。かつてマリコにプロポーズしたことのある佐沢は、土門にマリコとの関係をあれこれ聞き出そうとしました。
一方、マリコは石川の血液を調べたところ、血小板の数値が下がっていることを発見しました。血小板は肝臓や心臓に異常がある時に数値が下がることがあるのですが、解剖の結果ではいずれの臓器にも異常はみられませんでした。
土門と蒲原、そして佐沢がそれぞれ斎藤の行方を捜したところ、斎藤は先斗町の歌舞練場にいました。そして斎藤は駆け付けた佐沢、土門と蒲原の目の前で「助けて」と言いながら転落死を遂げました。
京都府警刑事部部長の藤倉甚一警視正(金田明夫)は斎藤の死を自殺と断定しようとしましたが、斎藤と石川の関係性を疑ったマリコが斎藤の血液検査をしたところ、石川と同じような病的所見が検出されました。
さらに詳しく調べたところ、石川と斎藤はいずれも死の前日に頭痛を訴えていたこと、二人ともウイルス学に精通する専門家であること、二人とも加賀野に会っていること、二人とも死の直前に何者かから着信を受けていたこと、そして二人の衣服の首付近には乳酸菌飲料の飛沫が付着していたことが判明しました。
土門は石川と共に加賀野に会った秦に事情聴取しましたが、確たる証言を得ることはできませんでした。
科捜研の女 劇場版のネタバレあらすじ:転
時を同じくして、今度はカナダ・トロント工科大学のスティーブ教授が謎の転落死を遂げたというニュースが報じられました。このスティーブも細菌学の専門家であり、衣服に同様の乳酸菌が付着していました。地元警察は自殺と断定していました。
土門は加賀野の研究していたダイエット菌に何か危険性があり、それを指摘しようとした石川や斎藤らが口封じされたのではないかと推理、再び加賀野に事情を聞くことにしました。
しかし、加賀野はダイエット菌は無害であることは人体実験で実証されており、石川や斎藤が死亡した時間は勤務時間中だったというアリバイも証明してみせました。加賀野は警察から不当な捜査を受けたと訴え、元刑事部長で今は警察協力受難者協会評議員になっている佐久間誠(田中健)に接触しました。
土門は警察庁刑事指導連絡室室長の倉橋拓也(渡辺いっけい)や近畿管区警察局・総務監察部主任監察官の芝美紀江警視(戸田菜穂)から行き過ぎた捜査があったとして厳重注意を受けました。
一方、乳酸菌の成分を調べていたマリコは、それが保存液の成分に似ていることに気付きました。マリコは父であり元科捜研所長であり、今は科学鑑定監察所の科学監察官をしている榊伊知郎(小野武彦)に乳酸菌と思わしきものの成分の「その他0.01%」の隠れ成分が気になっていることを告げました。
マリコは元夫である倉橋と約20年ぶりに再会を果たしました。マリコは倉橋に、カナダのスティーブ転落死に関する資料などを送ってもらうよう頼みました。一方でマリコと土門は佐久間から、加賀野が和解条件を出したこと、そして加賀野には警察に圧力をかけてまで隠したい“なにか”があるのではないかと聞かされました。
そこでマリコは乳酸菌らしきものの隠れ成分を突き止めるべく、元科捜研所長で今は大型放射光施設「SPring-8」の技官をしている宮前守(山崎一)に成分の分析を依頼しました。
一方、カナダから依頼していたスティーブに関する捜査資料が届き、その結果スティーブの脳には広範囲の脳浮腫があり、脳症を起こしていたことが明らかになりました。マリコらは加賀野のダイエット菌には免疫系が過剰反応して神経症状を引き起こす副作用があり、加賀野は隠蔽すべく石川らを口封じしたのではないかと推測しました。
科捜研の女 劇場版の結末
マリコはダイエット菌を1日3回服用している奈々枝に着目しました。奈々枝はこのダイエット菌をカプセルで服用しており、死亡した石川らはこのダイエット菌を直接体内に取り込んでいたのです。そしてダイエット菌には僅かながらも神経に作用する毒性があり、カプセルで投与するとこの毒性を打ち消すことができることも明らかになりました。
石川らの衣服に付着していた乳酸菌らしきものはダイエット菌であり、石川らは何者かに菌をかけられた可能性が高まりました。
スティーブの論文などを解析した結果、ダイエット菌を直接体内に取り込んだ場合は発症まで24時間、かかり、その後わずか数分で急激に症状が悪化することが明らかになりました。犯人はその時間帯を利用して被害者を高いところまで呼び出し、異常行動で飛び降りるように仕向けて自殺に仕立てた可能性が高まりました。
そんな矢先、マリコは夜道を歩いていたところに隠れ成分が判明したとの連絡を受けました。その直後、マリコの足元に赤い風船が転がって割れ、マリコは中に入っていた液体を顔に浴びました。その翌日、マリコは体調不良を訴えて科捜研を休みました。
マリコは何者かから電話を受け、東福寺へと向かいました。そしてマリコは「助けて、誰か!」と言いながら通天橋から身を投げました。ししてマリコに電話をかけた者は居場所を特定され、駆け付けた警察に逮捕されました。真犯人は加賀野ではなく奈々枝だったのです。
加賀野に心酔する奈々枝はダイエット菌の毒性に気付いた石川らを口封じしようと目論み、加賀野から与えられていたカプセルを飲んだ振りして隠し持ち、中から薬を抜いて犯行に使ったのです。隠し成分とは飲んだ振りをする際に付着した奈々枝の唾液でした。
マリコは奈々枝を欺くために一芝居を打っていました。マリコはスティーブの論文からダイエット菌の毒性を打ち消す抗菌剤の存在を知り、液体を浴びた直後に抗菌剤を使用して難を逃れていました。通天橋から飛び降りたのも、映画撮影所スタッフの協力を得ての演技だったのです。
逮捕された奈々枝でしたが、その直後にダイエット菌の毒性により倒れました。事件を知った加賀野は強い衝撃を受けました。事件は解決し、マリコと土門は紅葉を見ながら歩きました。土門はマリコが日本一綺麗な紅葉の場所から飛び降りた際、思う存分紅葉を満喫したのだろうと語りました。
以上、映画「科捜研の女 -劇場版- 」のあらすじと結末でした。
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