家族ゲームの紹介:1983年日本映画。本間洋平の同名小説の映画化作品で、その斬新な演出や作風で大きな話題を巻き起こした作品です。松田優作演じる変わり者の家庭教師が、受験生を抱える家庭にもたらす騒動を描いています。鹿賀丈史や長渕剛、櫻井翔(嵐)の主演で3度テレビドラマ化もされています。
監督:森田芳光 出演者:松田優作(吉本勝)、宮川一朗太(沼田茂之)、伊丹十三(沼田孝助)、由紀さおり(沼田千賀子)、辻田順一(沼田慎一)ほか
映画「家族ゲーム」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「家族ゲーム」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「家族ゲーム」解説
この解説記事には映画「家族ゲーム」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
家族ゲームのネタバレあらすじ:起
中学3年生の沼田茂之(宮川一朗太)は、典型的なサラリーマンの父・孝助(伊丹十三)と母・千賀子(由紀さおり)、優秀な兄・慎一(辻田順一)と暮らしていますが、高校受験を控える茂之の成績は芳しくなく、孝助は家庭教師として三流大学を留年している吉本勝(松田優作)という変わった男を雇います。孝助から茂之の成績が上がったらボーナスを払うと約束された吉本は茂之に対してスパルタ教育を開始、その内容は課題が出来なかったらビンタも辞さない容赦ないものでした。茂之は耐え切れずサボって本屋にいましたが無理やり連れ戻されます。吉本の強引なやり方にはさすがに千賀子も心配になりますが、茂之の成績が上がればいい孝助は問題にしていませんでした。
家族ゲームのネタバレあらすじ:承
茂之は小学校時代からの同級生である土屋(土井浩一郎)からいじめを受けていました。そこで吉本は茂之に喧嘩の仕方を教えます。やがて茂之の成績は徐々に上がっていきます。茂之の成績が上がると土屋が嫌がるのが面白くてたまらないのです。ある日、茂之は土屋に一対一の決闘を挑み、吉本から教えてもらった喧嘩の方法で勝利します。一方、兄の慎一は恋をしてから勉強に身が入らなくなっていました。
家族ゲームのネタバレあらすじ:転
茂之の成績はどんどん上がっていき、兄の通う進学校・西武高校も狙える位置まで上り詰めていましたが、茂之はランクの劣る神宮高校を志望校として届け出ていました。困惑する両親から志望校変更を頼まれた吉本は、志望届提出の締め切りの日に茂之を無理やり担任の元に連れていき、強引に志望校を西武高校へ変更させます。茂之が神宮高校を受けると言った理由は、因縁の土屋が西武高校を志望していたからだというのです。
家族ゲームの結末
茂之は見事に西武高校に合格しました。一方、土屋は西武高校を断念して私立高校へ行くことになりました。茂之にとっては自分の合格よりも嬉しいことでした。沼田家では吉本を交えて茂之の合格祝いの食事会が催されます。その席で孝助は、今度は慎一を一流大学へ行かせるべく吉本に家庭教師を依頼しますが、吉本は三流大学の自分が一流大学の志望生を教えられるわけがないと断り、また慎一も学校生活にすっかりやる気をなくし、退学までちらつかせていました。やがて沼田家や吉本は大乱闘を始め、食卓を滅茶苦茶に荒らしまくったあげく、吉本はテーブルをひっくり返して立ち去っていきました。西武高校に入学した茂之は、元のやる気のない日々に戻っていました。ある日の昼下がり、茂之、慎一、千賀子の3人がくつろいでいるところにヘリコプターのプロペラ音が上空から鳴り響いてきました。千賀子は「何か事件でもあったのかしらねえ」と呟きました。
「家族ゲーム」感想・レビュー
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ボートが「うらしま」で笑える。
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物理的距離は近いのに、どこか心が通っていない、一人称完結している家族。
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他の映画で描かれる「家族」とは全く違っていて、不気味さもありながら逆にリアルな気がした。
お互いに無関心で本心も言えない仲でありながら表面では家族を演じることをやめない。そんな家族を壊す家庭教師。同じマンションの挨拶しただけで頼ってくる女の怖さ。そして唐突のエンディング。
それぞれに深い闇を抱えながらも、あえて深く描かない所がかえって怖さを引き立てているような気がした。
由紀さおりさんが女優やってるのを初めて見たけど自然ですごく良かった。
一回見ただけじゃちょっと腑に落ちないのでたぶんまた見る映画。
ものすごく変な映画。でも名作。それまでのイメージを覆すような、ぼーっとした役柄の松田優作がとても良い。船?だかボートに乗ってやってくるところも、浮世離れした感じがよく出てる。家族に無関心で居丈高な父親役の伊丹十三さんも良いけど、何と言っても由紀さおりさんが、もはや本人そのままなんだけど、こういうお母さんいるいる!という感じでリアル。なんじゃこりゃと思いつつ、また見たくなってしまう不思議な映画。