L.A.コンフィデンシャルの紹介:1997年アメリカ映画。G・ピアーズとラッセル・クロウの出世作となったクライム・サスペンスで、1950年代のロサンゼルスを舞台に真逆のタイプの警官2人が警察内部の悪に立ち向かう。妖艶な娼婦を演じたキム・ベイシンガーは本作でアカデミー助演女優賞を受賞した。
監督:カーティス・ハンソン 出演:ラッセル・クロウ(バド・ホワイト)、ガイ・ピアース(エド・エクスリー)、ケヴィン・スペイシー(ジャック・ヴィンセンス)、ジェームズ・クロムウェル(ダドリー・スミス)、キム・ベイシンガー(リン・ブラッケン)、ダニー・デヴィート(シド・ハッジェンス)、デヴィッド・ストラザーン(ピアース・モアハウス・パチェット)、ロン・リフキン(エリス・ローウ)、マット・マッコイ(ブレット・チェイス)、ポール・ギルフォイル(ミッキー・コーエン)、サイモン・ベイカー=デニー(マット・レイノルズ)、グレアム・ベッケル(ディック・ステンスランド)、パオロ・セガンティ(ジョニー・ストンパナート)、アンバー・スミス(スーザン・レファーツ)、ブレンダ・バーキ(ラナ・ターナー)、ほか
映画「L.A.コンフィデンシャル」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「L.A.コンフィデンシャル」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
LAコンフィデンシャルの予告編 動画
映画「L.A.コンフィデンシャル」解説
この解説記事には映画「L.A.コンフィデンシャル」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
L.A.コンフィデンシャルのネタバレあらすじ:起
1950年代のアメリカ、ロサンゼルス。LA市警はマフィアのボス、コーエンを”脱税”というおよそそぐわない罪状で逮捕し、街のイメージを一新しようとしていた。
しかし、そんな警察内部も犯人逮捕に際して暴力や捏造、賄賂が暗黙の了解で横行、殺人課のバド(ラッセル・クロウ)は女性に暴力を振るう輩を容赦なくぶちのめすし、麻薬課のジャック(ケヴィン・スペイシー)はゴシップ誌の記者シド(ダニー・デヴィート)と組んで有名人の逮捕劇を華々しく飾っていた。
クリスマスイブの夜、署でのパーティー用に酒を調達しようと酒屋に立ち寄ったバドは、そこで美しい女性リン(キム・ベイシンガー)に出会い、思わず声をかける。外に出た彼は停まっていた車の中に顔を怪我した様子の女性がいるのに気づくと、暴力を疑い運転手を引きずりだす。
相棒のステンズ(グレアム・ベッケル)によればその男ミークスは元刑事で、女性を含め居合わせた全員が問題ないと言ったためにそのまま解放する。
署では皆がクリスマス気分に湧く中、エリート巡査のエド(ガイ・ピアース)がマスコミの取材を受けていた。彼は殉職した父親の影響で警官となり刑事局を希望していたが、暴力などの不正を良しとしない真面目な政治家タイプの彼に、上司のダドリー(ジェームズ・クロムウェル)は刑事は不向きだと諭す。
そんな中、警官襲撃事件の犯人が連行され、ステンズやジャックら署員が仲間を襲ったお返しとばかりに襲いかかる。バドとエドは止めに入るが、エドは閉じ込められ、バドは結局乱闘に加わり、その現場を取材にきていた記者に撮られて新聞沙汰になってしまう。
ことが公になったため関係者の処分が必要となったが、証言を得られず頭を悩ませる上層部に対し、エドが最良と思われる方法を提案。ステンズが免職、バドは停職、ジャックは風紀課へ異動となり、エドは希望通り殺人課へ配属される。
L.A.コンフィデンシャルのネタバレあらすじ:承
エドは念願の部署についたものの、仲間を売ったとして孤立していた。ある晩、一人残っていた彼は殺人事件の知らせを受けて現場のコーヒーショップに向かい、そこで6人が惨殺されているのを発見する。被害者の中にはステンズと、酒屋でリンと一緒にいた女性スー(アンバー・スミス)がいた。
復職したバドは、スーに関する筋から富豪のピアスにたどり着く。ピアスは裏で有名女優に似せた高級娼婦を扱う売春組織を持っており、スーやリンもそうした娼婦だったが、聴取のためにリンを訪れたバドは彼女に惹かれ、関係を持つようになる。
ほどなく目撃情報から犯人と目される黒人の3人組が逮捕されるが、3人は女のところにいたとアリバイを主張する。女の居場所を突き止めて仲間に先んじて部屋へ入ったバドは、そこで暴行を受け拘束された女を見ると、別室にいた男一人を正当防衛に見せかけて射殺する。
そして事件当時3人は出掛けていたという女の証言でアリバイが崩れたことで3人は脱走、逃げ込んだ先を突き止めたエドらは銃撃戦の末に3人を射殺し、事件は解決したとしてエドは表彰される。
鑑識で現場写真を見て不審なものを感じたバドは捜査を続けていた。スーの家を訪ねた彼は、母親からスーとステンズが恋人関係だったこと、ステンズと何者かが口論していたことを聞き、地下室でミークスの遺体を発見する。その足でバドはタレ込み屋からミークスが大量のヘロインを手に入れたあと行方不明になっていると聞かされる。
L.A.コンフィデンシャルのネタバレあらすじ:転
一方、監禁されていた女を見舞ったエドは、彼女から3人のアリバイについて偽証したことを聞き、真犯人が別にいることを知る。事件を見直そうと鑑識を訪れた彼は、そこにバドも来てスーの家へ向かったと聞いて後を追い、地下室で腐敗した遺体を発見する。
遺体の検視を待つと同時に、エドはバドの行動を疑い、ジャックに彼を尾行してほしいと頼む。なぜ自分に、と訝しむジャックにエドは、未だ捕まっていない父親の殺害犯に”ロロ・トマシ”という名をつけ、罪を逃れる者たちを捉えるために警察官になったことを話す。
それを聞いたジャックは、自身がシドと仕組んだスキャンダルの中で殺された男娼の事件を手伝うことを条件に、依頼を引き受ける。
バドを尾行していたジャックから彼がリンと関係を持っていることを聞いたエドは、事情を聞こうとリンのもとを訪れるが、彼女の挑発に乗って関係を持ってしまい、その様子をシドが隠し撮りする。
検視の結果、遺体がミークスだと聞いたジャックは過去の資料を調べ、ミークスがかつて風紀課でステンズと組んでピアスを追い、その報告を受けていたのが当時の上司ダドリーだったことを突き止める。この件を確認しようとダドリーの自宅を訪ねたジャックだったが、彼はダドリーに撃たれ”ロロ・トマシ”をつぶやいて息絶える。
L.A.コンフィデンシャルの結末
署ではジャック殺害犯の捜査を皆に命じたダドリーがエドに参考人として”ロロ・トマシ”の名を上げる。それを聞いたエドはジャック殺害にダドリーが絡んでいることを確信、資料室でジャックと同じく、以前にミークス、ステンズ、ダドリー、ピアスが絡んだいた事実を突き止める。
その頃、シドからエドとリンの情事の写真を見せられたバドは怒りをたぎらせてエドのもとに現れる。ダドリーの計画どおりエドを殺さんばかりの勢いで襲いかかるバドに、エドはダドリーが全ての黒幕だと告げて彼の怒りを治める。
ダドリーがピアスと組んでLAの裏社会を牛耳ろうと目論んでいたことを知ったエドとバドはピアスのもとへ向かうが、彼は自殺を装って殺されていた。
その後、罠と知りつつそれぞれの名前で街はずれのモーテルに呼び出された2人は、ダドリーの手下により銃撃戦となる。なんとか切り抜けたものの、やってきたダドリーにバドが撃たれ、エドは寸でのところでバドに助けられる。銃を向けるエドに撃てまいと背中を向けるダドリーだったが、エドは彼に銃弾を浴びせる。
エドから真相を報告された上層部は事の重大さに警察の汚点をさらすわけにいかないと、ダドリーを殉職扱いとするが、それと引き換えにエドは自分の昇進を約束させる。
権力の座を手に入れ始めたエドのもとにリンが現れる。彼女の車には重傷を負いながらも一命をとりとめたバドがいた。2人はエドに見送られながら、リンの故郷アリゾナへと去って行くのだった。
以上、映画「L.A.コンフィデンシャル」のあらすじと結末でした。
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