グラン・ブルー/オリジナル・バージョンの紹介:1988年フランス・イタリア映画。海に魅せられた男達の友情と葛藤、そんな男性を愛した女性の姿を描くドラマ作品。フリーダイビングの世界チャンピオンであるエンゾは、ライバルにして幼馴染のジャックを大会に誘う。エンゾにとってジャックと戦うこと、そして彼に勝つことは長年の夢だった。しかし2人の対決は思わぬ悲劇を呼んでしまう。リュック・ベッソンとジャン・レノの出世作。いくつかのバージョンが存在するが、本作はフランスでの初公開時と同様の内容となっている。
監督:リュック・ベッソン 出演者:ロザンナ・アークエット(ジョアンナ・ベイカー)、ジャン=マルク・バール(ジャック・マイヨール)、ジャン・レノ(エンゾ・モリナーリ)、ポール・シェナー(ローレンス博士)、セルジオ・カステリット(ノヴェリ)ほか
映画「グラン・ブルー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「グラン・ブルー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
グランブルーの予告編 動画
映画「グラン・ブルー」解説
この解説記事には映画「グラン・ブルー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
グランブルーのネタバレあらすじ:不幸な過去と新しい出会い
舞台は1965年のギリシャ、アモルゴス島。近所の子ども達を従えるガキ大将のエンゾ・モリナーリは、素潜りが得意な少年です。しかし自信家のエンゾにもライバル視している少年がいました。潜水夫の息子、ジャック・マイヨールです。彼はとても物静かで消極的な性格でしたが、潜水に関しては超人的な力を持っていました。ところがある日、ジャックの父が漁の最中溺死してしまいます。それがきっかけとなり、ジャックはますます自分の殻にこもるようになりました。時は流れ、1988年。フリーダイビングの世界チャンピオンになったエンゾは、大金をつぎ込んでジャックの行方を捜し始めます。ジャックは水族館のイルカだけを心の支えに、孤独な日々を送っていました。ペルーで潜水生理学者ローレンス博士の実験に協力するジャック。そこへニューヨークの保険会社に勤めるジョアンナ・ベイカーが訪ねて来ました。ジョアンナはどこか寂しげなジャックに惹かれ、ジャックもまたジョアンナの優しさに好感を持ちます。しかしジョアンナは仕事で訪れていたため、2人の別れはすぐに来てしまうのでした。
グランブルーのネタバレあらすじ:再会
ついにジャックを捜し出したエンゾは、彼を訪ね10日後にタオルミナで行われる潜水の大会に出るよう言います。自分には無い身体能力と才能を持つジャックに勝つこと、それがエンゾの長年の夢でした。ジャックは戸惑いながらも応じ、タオルミナへ向かいます。ローレンス博士からそれを聞いたジョアンナはいてもたってもいられず、ジャックを追いかけました。一緒に食事をしているジャックとエンゾを見つけ、偶然を装って声をかけます。3人はすぐに親しくなりましたが、ジャックはどこか気乗りしない様子で、エンゾに試合を棄権しようと持ちかけます。理由を聞けば、戦えば自分が勝つからだと答えました。それならばと、2人はプールへ潜ってどちらが長く息を止めていられるか競います。意地になった2人は失神寸前で救助され、ジョアンナは呆れながらジャックを介抱しました。イルカの写真を見せ、「僕の家族だ」と言って泣き出すジャックにジョアンナは「私がいるわ」と励まします。
グランブルーのネタバレあらすじ:栄光
翌日。エンゾが大会で記録を打ち立て、ホテルでパーティーが開かれました。ジャックはエンゾとジョアンナの協力を得て夜の水族館に忍び込み、元気の無いイルカをバスタブに入れて散歩させます。夜の海でイルカと遊ぶジャックを見つめるエンゾとジョアンナ。エンゾは、愛を求めているのはイルカだけではないと忠告しますが、女性に愛を伝えたことの無いジャックは戸惑うばかりです。翌日、ジャックの潜水の番が回ってきました。ジャックは青い海の真っ暗な底を目指して潜り、エンゾを破って世界新記録を打ち立てます。エンゾからも祝福されたジャックは、その夜ジョアンナと肉体関係を結ぶのでした。
グランブルーのネタバレあらすじ:エンゾの葛藤
ジャックが世界チャンピオンになったことで、周囲は変わり始めていました。エンゾは記録を破られて以来不調が続き、苛立っています。ジョアンナは子どもを作り家庭を築くことを望んでいましたが、ジャックの関心は海と、エンゾの不調に向いているようでした。コート・ダジュールの大会において、エンゾは強引な潜水で新記録を打ち立てます。誰もエンゾの記録を破れず失神者が続出する中、ジャックは驚異的な記録でまたしてもエンゾを破りました。皆に祝福されるジャックを、エンゾは硬い表情で見つめます。
グランブルーの結末:海の底へ
ジャックとエンゾの故郷、アモルゴス島で第14回世界潜水選手権大会が開催されます。もちろんジャックとエンゾもエントリーしていました。しかし競技直前、ジャックの記録を研究していたローレンス博士達が大会の中止を要求します。ジャックの記録が人類にとっての限界であり、これに挑むのは自殺行為だと判断したからでした。しかしエンゾは納得出来ません。中止を教えに来たジャックに「俺は負けない」と宣言し、エンゾは海に潜ってしまいます。案の定致命的なダメージを負って救出されたエンゾは、泣きじゃくるジャックに「沈めてくれ」と頼んで息を引き取りました。ジャックはエンゾの遺体を抱え、海に潜って深淵へ旅立たせます。エンゾの死で精神のバランスを崩したジャックは、常軌を逸した行動に出ました。勝手に競技用のボートで夜の海に繰り出し、潜水の準備を始めたのです。引き止めるためについてきたジョアンナがジャックの子を妊娠したと告げますが、それでも彼を止めることは出来ませんでした。泣き叫ぶジョアンナはジャックの決意を感じ、「行って。私の愛を見てきて」と送り出します。暗く深い海へどんどん潜っていくジャック。すると彼の前にイルカが現れました。イルカはジャックを誘うように泳いでいます。ジャックが導かれるようにイルカを追って暗い海に泳ぎ出し、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画グランブルー/オリジナルバージョンのあらすじと結末でした。
グラン・ブルーについて
日本では「グレート・ブルー」(120分)というタイトルで劇場公開されているが、その他いくつかのバージョンが上映されている。フランスで最初に公開されたのは「Le Grand Bleu」(132分)。アメリカ公開時は「THE BIG BLUE」(119分)で結末が異なっている。「グラン・ブルー完全版」(169分)はフランス公開版に未公開の36分のシーンが追加されている。「グラン・ブルー/オリジナル・バージョン」(132分)は日本公開された「グレート・ブルー」に12分のシーンが追加され、フランス公開版「Le Grand Bleu」と同じ内容となっている。
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