シーズンズ 2万年の地球旅行の紹介:2015年フランス映画。「ニュー・シネマ・パラダイス」への出演でも知られる俳優のジャック・ペランが手掛けた、壮大なスケールで描く生き物たちの叙事詩的作品である。共同監督であるジャック・クルーゾはアカデミー賞のドキュメンタリー長編部門にノミネートされた「WATARIDORI」や、セザール賞のドキュメンタリー賞に輝いた「オーシャンズ」などの作品でもタッグを組み、生き物たちのありのままの生態を捉えた。構想に4年、総製作費に40億円をかけた、全く新しいネイチャードキュメンタリーである。
監督: ジャック・ペラン / ジャック・クルーゾ 日本語ナレーション:笑福亭鶴瓶、木村文乃
映画「シーズンズ 2万年の地球旅行」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「シーズンズ 2万年の地球旅行」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
シーズンズ 2万年の地球旅行の予告編 動画
映画「シーズンズ 2万年の地球旅行」解説
この解説記事には映画「シーズンズ 2万年の地球旅行」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
シーズンズ 2万年の地球旅行のネタバレあらすじ:起
7万年前から続く最後の氷河期の中で一番寒い時期となった2万年前、地球の大部分は分厚い氷で覆われていました。多くの動物たちが絶滅する中、かろうじて生き延びたのはトナカイやジャコウウシ、そして人類でした。
そしておよそ1万年前、太陽を周る地球の軌道が変化して気温が上昇すると、厳しい氷河期は終わりを告げます。分厚い氷は溶け出し、海面は100メートル以上も上がりました。トナカイは何万年もかけて寒い気候に適応してきたので、暑くなった環境では生きられず、寒さを求めて群れで大移動を始めます。
わずか数百年で地球は氷から緑に覆いつくされ、森ができました。森は1年を通して暑くも寒くもなりすぎない過ごしやすい環境なので、多くの生き物たちが集まってきます。森では全ての生き物が自然と共にバランスを取り合って生きており、その時代は数千年続きました。
シーズンズ 2万年の地球旅行のネタバレあらすじ:承
春は出産の季節。胎盤のニオイを嗅ぎつけて肉食動物がやってくるため、鹿の母親は子どもが生まれるとすぐに、この胎盤を食べてしまいます。草食動物である鹿が肉食になる唯一の瞬間です。鳥のヒナたちは母親からエサをもらうために、口を思い切り開いてアピールしています。
夏になると、暑さで虫たちの活動が活発になり、たかられたバイソンは虫を払うための長い尻尾で追い払います。野生の馬は、より強い遺伝子を残すため、メスを取り合ってオス同士がけんかを始めます。
秋は繁殖の季節で、多くの動物はこの季節に発情します。リスは食べきれないドングリを地中に埋めますが、時々その場所を忘れてしまいます。しかし、このほったらかしにされたドングリはそのまま木へと成長し、森はどんどん広がっていきました。
冬になると、ハリネズミやヤマネなどの小動物は冬眠の準備を始めます。小さな体はすぐに寒さで凍ってしまうため、自ら仮死状態になるのです。食べ物がなくなったため、鹿は木の皮や数少ない葉を食べ、雪を食べて水分を補給します。動物たちにとっては命を落とすこともある厳しい季節です。
シーズンズ 2万年の地球旅行のネタバレあらすじ:転
森では、食うか食われるかの防戦が常に繰り広げられています。この頃になると、人類は弓矢を扱えるようになり、動物たちの脅威となっていました。オオカミは群れで狩りをするため成功率は高いですが、獲物を食べ始める順番が厳格に決まっており、わずかな量しか食べることができません。
一方、オオヤマネコは狩りを単独で行うため、失敗することはよくありますが、仕留めたら丸ごと独占できるのです。オスのオオカミは順位争いに負けると、群れを離れて新しい家族を作らなければ生きられません。そんな彼に、人間はエサを与えました。
群れからはぐれたこのオオカミは、生き延びるために人間と共に暮らすことを決めます。オオカミは上位の者が下位の者たちを守り、エサを分け与える習性があり、人間は図らずして、このオオカミよりも上位に立ったのです。オオカミはエサに困らなくなり、人間は家族の安全を確保できるようになりました。これが人類最良の友、犬の歴史のはじまりです。
シーズンズ 2万年の地球旅行の結末
絶妙なバランスを保ちながら生命を育んできた森の時代は、人間が農業を始めたことで終わりを告げます。木を切って開墾していく人間は、すでに豚やヤギ、牛を飼いならして家畜にしていました。このとき、狩猟採集で生きてきた人間は姿を消します。森は田畑になり、動物たちの居場所はなくなり、バイソンのような大型動物たちは端の大陸に追いやられました。
人間が作った果樹を食べて生きる動物もいましたが、この共存は長くは続きません。馬は戦争に駆り出され、娯楽として人間による狩りも始まりました。かつて森の王者として君臨していたオオカミは、狩る立場から狩られる立場に変わり、クマは人間の手が入りづらい山へと逃げます。山は森よりも寒くエサも少ないため、やがてクマは冬眠をするようになりました。
人間は文明を急速に発展させ、科学の力によって自然をコントロールしようとしました。しかし、動物たちはそんな中でも、したたかにたくましく生きています。人類は知識がないゆえに恐れ、恐れるがゆえに排除を繰り返してきましたが、この過ちを認める者も増えてきました。動物たちにとっての暗黒の時代は今、終わろうとしています。
以上、映画「シーズンズ 2万年の地球旅行」のあらすじと結末でした。
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