地下鉄(メトロ)に乗っての紹介:2006年日本映画。実の父親を憎み、家から離れた男性。しかしある日タイムスリップをしたことで、今まで知らなかった父親の姿を目の当たりにすることとなる。家族という近くて遠い存在を描いた感動作。
監督:篠原哲雄 出演:堤真一(長谷部真次)、岡本綾(軽部みち子)、大沢たかお(小沼佐吉)、常盤貴子(お時)、田中泯(野平啓吾)、北条隆博(小沼昭一)、網島郷太郎(小沼圭三)、吉行和子(長谷部民枝)
映画「地下鉄(メトロ)に乗って」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「地下鉄(メトロ)に乗って」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「地下鉄(メトロ)に乗って」解説
この解説記事には映画「地下鉄(メトロ)に乗って」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
地下鉄(メトロ)に乗ってのネタバレあらすじ:起
真次は大会社の社長の息子として生を受けるも、父親である佐吉と分かり合えず家を飛び出していきます。それから時が経ち、真次は妻の節子と子供、そして母親である民枝と共に幸せに暮らしていました。しかし、真次には一つ後ろめたい秘密がありました。最愛の家族の存在がありながら、真次はみち子という女性と不倫関係にあったのです。その頃、父、佐吉は危篤状態にありました。現在佐吉の会社を継いでいる弟、圭三が真次に連絡を取ってきますが、真次は決して佐吉に会おうとはしませんでした。
地下鉄(メトロ)に乗ってのネタバレあらすじ:承
そんな時、地下鉄に乗っていた真次はある不思議な体験をすることになります。なんと地下鉄に乗った真次はタイムスリップを経験し、昭和39年まで戻っていたのでした。そしてその時代は、まだ佐吉が若かりし頃でした。佐吉は戦地で兵士として働き、その後すぐに小さな酒場を経営していました。決してただの善人とは言えない人物でしたが、昭和時代の勝手をよく知らない真次を助けるなど、仲間のことを何よりも大切にする非常に情深い人物でした。
地下鉄(メトロ)に乗ってのネタバレあらすじ:転
佐吉には民枝という妻がいましたが、佐吉にはお時という愛人がいました。お時との関係を断ち切れない佐吉の様子を見て、真次は彼と自分を重ね合わせます。それから、真次は今まで知ることのなかった父親の本当の姿を知ることになります。冷酷に見えていた佐吉でしたが、真次の兄が亡くなった時には深く悲しみ、そして真次のことも実は深く愛していました。そんな出来事を通して、少しずつ真次の佐吉への考えは変わっていきます。そして、衝撃の事実が発覚しました。
地下鉄(メトロ)に乗っての結末
実はみち子は、時子と佐吉の間に出来た子供だったのです。つまり、みち子と真次は異母兄妹だったのでした。真次と共にタイムスリップをすることが出来るようになっていたみち子は、その事実を知ることとなります。そして真次の幸せを願ったみち子は、まだ胎児の自分を妊娠中の時子と共に自ら命を絶つのでした。現実へと戻った真次は、危篤状態にある父親の元へ駆けつけ、その最期を見届けることが出来るのでした。
「地下鉄(メトロ)に乗って」感想・レビュー
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DVを振る舞う父親である小沼佐吉に、信次は絶えず反発を抱いていた。
終戦後、小沼佐吉は、大勢の飢餓を救う為に、進駐軍の物資を横流しして稼いでいた。
父親である小沼佐吉が何をしたかでなく、大事な何の為にしたかだろう。
小沼佐吉の臨終に至って、信次は父親を敬う様に成った。
良い映画作品ですね。 -
大変に感動的な作品でした!かつての戦争の悲劇とその結末の哀しさ…そして私が産まれ育った時代を彷彿とさせる世情!良い作品ですね。
浅田次郎さん原作のタイムトリップものの映画化です。私は映画になる前に音楽座のミュージカルで拝見し、小説も読んで、大変感動したので、映画版も観てみました。最後にあっとおどろく感動のどんでん返しがあり、涙なしでは観られません。戦中戦後の日本の暮らしを観るという意味でも大変勉強になる作品です。高齢の方には懐かしさがあり、若い方には、日本にもこんな時代があったのかと思うような物語になっていると思います。ただのファンタジー映画ではなく、深い人間ドラマです。