乱れ雲の紹介:1967年日本映画。夫をひき殺された人妻とその加害者の男との複雑な心理模様を描いたメロドラマで、成瀬巳喜男の遺作となった。脚本は後に山本薩夫監督作品の多くを手掛ける山田信夫のオリジナル。キネマ旬報ベストテンでは4位に入選した。
監督:成瀬巳喜男 出演:司葉子(江田由美子)、加山雄三(三島史郎)、草笛光子(石川文子)、森光子(四戸勝子)、加東大介(林田勇三)、藤木悠(石川)、土屋嘉男(江田宏)、ほか
映画「乱れ雲」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「乱れ雲」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
乱れ雲の予告編 動画
映画「乱れ雲」解説
この解説記事には映画「乱れ雲」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
乱れ雲のネタバレあらすじ:起
江田由美子は、外務省に勤める官僚の夫がまもなくアメリカ大使館に赴任するため、一緒について行く予定です。以前からその赴任が夢だったため、夫も彼女もそれが叶って有頂天です。
しかも由美子は妊娠中で、アメリカで出産することになりそうでした。しかしそんな幸せも一瞬にして打ち砕かれます。
部長のお供で出かけた箱根で江田が車にはねられ、そのまま死亡してしまったのです。呆然として何も手につかない由美子に替わって、姉の文子たちが葬式に関する一切の世話をしてくれます。
乱れ雲のネタバレあらすじ:承
葬式には江田の関係者に混じって、はねた車を運転していた三島史郎も顔を見せます。三島は物産会社に勤める真面目なサラリーマンで、江田の親族に罵倒されることは判っていながら、わざわざ足を運んだのです。
彼に対し、それまで悲しみに沈んでいた由美子も憎しみの言葉を投げつけます。
裁判の結果は無罪となりましたが、三島はその後、懲罰の意味もあって青森に転勤が決まります。おかげで婚約が決まりかけていた常務の娘とも別れざるを得ません。
乱れ雲のネタバレあらすじ:転
由美子の方は夫を亡くしたショックで赤ん坊を流産。官舎も出てアパート暮らしとなり、生活のため慣れない仕事を始めます。ただ、暮らしは不如意で、姉の文子の勧めもあって、義姉である四戸勝子が経営する旅館を手伝うことにします。
そこは偶然、三島の転勤先である青森でした。田舎の支社で接待に励んでいた三島は、誠意の印として賠償金を毎月由美子に送っていたのですが、彼女が近所に越してきたことから直接会ってお金を渡すことにします。
乱れ雲の結末
由美子はそれを拒否し、夫の命を奪った三島への恨みを口にします。ところがそれとは裏腹に、彼の誠実さに徐々に惹かれてゆくのを感じます。その気持ちは三島も同様でした。
外国へ転勤が決まった三島と思い切って結ばれようと由美子は彼の下宿を訪れます。そのまま2人は郊外の旅館へ向かうのですが、途中で交通事故の現場を見たことで由美子の気持ちは再び頑なになってしまいます。
結局2人は結ばれず、加害者と被害者という立場のまま、別れてしまうのでした。
以上、映画「乱れ雲」のあらすじと結末でした。
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