流れるの紹介:1956年日本映画。成瀬監督の秀作のひとつで、幸田文の名作を映像化。田中絹代、山田五十鈴、杉村春子、高峰秀子といった邦画史上の大女優たちが演技を競うのが何といっても見どころ。また往年の大スターだった栗島すみ子も特別出演し、貫禄のある演技を見せている。
監督:成瀬巳喜男 出演:田中絹代(梨花)、山田五十鈴(つた奴)、杉村春子(染香)、高峰秀子(勝代)、賀原夏子(おとよ)、中北千枝子(米子)、岡田茉莉子(なな子)、栗島すみ子(お浜)、宮口精二(なみ江の伯父)、ほか
映画「流れる」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「流れる」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「流れる」解説
この解説記事には映画「流れる」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
流れるのネタバレあらすじ:起
45歳の未亡人梨花(田中絹代)は、職業安定所からの紹介で柳橋にある芸者置屋の蔦の家を訪れます。お春と名をつけられ、そこで住み込みの女中として働くためでした。
蔦の家は柳橋でも一流の置屋なのですが、働く環境としては決してよくありません。あてがわれた布団も生理の血の跡がついていて、お春は新聞紙をその上に敷いて寝ざるを得ませんでした。ただ我慢強いお春は音を上げることもなく、芸者たちの身の回りの世話や絶えず言いつけられる雑用に気忙しく体を動かします。
流れるのネタバレあらすじ:承
蔦の家の女主人のつた奴(山田五十鈴)は芸妓としては売れっ子でしたが、経営者という気質ではなく、借金が膨らんでいました。今日も債鬼がやってきますが、それは何とつた奴の実の姉・おとよ(賀原夏子)です。
おとよは、まだ色気の抜けないつた奴に旦那を紹介しようとするのですが、つた奴の方ではカネのために身を売って二号になることに抵抗がありました。つた奴はその話を土壇場で断り、割烹の経営で成功しているお浜(栗島すみ子)という先輩の元芸妓を通し、以前の旦那からカネを融通してもらいます。しかしそれは同時に手切れ金でもありました。
流れるのネタバレあらすじ:転
蔦の家の災厄はまだ続きます。以前世話をしてやったなみ江という芸妓の伯父と称する男が突然やってきて、「姪に売春を強要した」と強請にかかったのです。気の弱いつた奴は5万円を払ってとりあえずは帰ってもらいますが、味をしめた男は再び現れ、さらに大金を要求します。
見るに見かねた姪の米子(中北千枝子)が警官を呼びますが、つた奴まで取り調べを受けることになります。花柳界ではあってはならない恥さらしな事件でした。つた奴の娘の勝代(高峰秀子)は母親の苦境に苛立ちますが、無力な彼女にはどうすることも出来ません。
流れるの結末
つた奴は心機一転するため、自分に何かと世話を焼いてくれるお浜に置屋の権利を売ることにします。置屋は続け、自分が雇われの女主人になるという条件でした。
ところが実は商売にがめついお浜はそこを割烹にし、つた奴とその家族たちを追い出すつもりです。そしてその有能さを見込んでいた梨花に店の経営を任せようとします。願ってもない話ですが、つた奴たちに同情していた彼女はその話を断ります。
つた奴や芸妓の染香たちは蔦の家が安穏だと考えて稽古に精を出すものの、もはや置屋としては終わりでした。ただ1人内情を知ることになった梨花は、複雑な心境でその世話を続けるのです。
以上、映画「流れる」のあらすじと結末でした。
素晴らしい成瀬ワールド「哀惜感」満載です❕無声映画から見ています❕「夜ごとの夢」「君とわかれて」等「芸者」を、描き「晩菊」にも繋がる名作です❕昭和30年代の「ながれゆく」隅田川と「料亭」の風情に成瀬監督の「やるせなさ」でした‼️
本作五回見ました‼️又「柳橋」散歩し、「市丸姉さん」の旧居跡を見てきました‼️
本作に、改めて感謝いたします‼️