日本の首領(ドン) 野望篇の紹介:1977年日本映画。『やくざ戦争 日本の首領』の続篇。国際的な利権をめぐって中央政財界に触手を伸ばす中島組。それに関東の組織が立ちはだかる。東映初出演の国際的スター三船敏郎が関東同盟理事長として中島組組長の佐分利信、若者頭の松方弘樹の前に立ちはだかる。
監督:中島貞夫 出演者:佐分利信(佐倉)、松方弘樹(松枝)、岸田今日子(姉小路尚子)、金沢碧(三浦かおる)、高橋悦史(一宮)、菅原文太(天坊)、三船敏郎(大石剛介)その他
映画「日本の首領 野望篇」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「日本の首領 野望篇」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
日本の首領(ドン) 野望篇の予告編 動画
映画「日本の首領 野望篇」解説
この解説記事には映画「日本の首領 野望篇」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
日本の首領(ドン)野望篇のネタバレあらすじ:起・企業乗っ取りへの介入
昭和46年2月、中島組組長・佐倉一誠の盛大な全快祝賀パーティが開催される。しかしマスコミは佐倉の引退を噂し、跡目争いを話題にしていた。娘婿で一宮医院院長である一宮は義父の体を心配しているが、佐倉は関東攻略のために幹部たちにはっぱをかける。総会屋の樽井たちから、大手海運会社ジャパンシップの株買い占めの情報を得た若頭補佐松枝と幹部片岡は、買い占めへの介入を狙う。横浜に桜商事を作り、関東での拠点とする。
一方、家出してアメリカにいた佐倉の次女・真樹子が帰ってきたが、アルという男を連れてきた。「毛唐」の血が佐倉家に入ると怒る佐倉。
五光汽船がジャパンシップ乗っ取りを図っていると知った松枝は、樽井に五光汽船株主総会を荒らさせ、その結果、五光汽船は香港財界に有力なコネをもつ佐倉に頼ることになった。
中島組の攻勢を前に関東の諸組織は反撃を希望するが、関東同盟理事長・大石剛介は彼らの動きを抑える。大石の頭にあるのは別の大きな利権だった。
加古川の中島組系河元組若頭・天坊信助が15年ぶりに刑務所を出てきた。天坊と松枝は盟友となり、天坊は殺し屋を雇い、関東同盟有力者を暗殺させる。それでも大石は動かない。
天坊が河元組新組長となったころ、大石はついに戦争終結に動く。通商大臣を通じて五光汽船に圧力をかけ、五光汽船のジャパンシップ乗っ取りは失敗する。関東同盟-ジャパンシップと中島組-五光汽船の戦いの場はガルダネソス共和国の石油資源開発の利権に移る。
日本の首領(ドン)野望篇のネタバレあらすじ:承・組の新体制
アルが看護婦と寝ていることを知った真樹子は逆上して自動車を暴走させ、トラックを巻き添えにして事故死する。佐倉は関東連合に狙われる危険を顧みずトラック運転手の葬儀に参列するために東京へ行く。大石理事長も堂々と、葬儀会場を出た佐倉を迎える。だが、佐倉は体調を崩し一宮病院に入院することになる。一宮の信頼のあつい看護婦の三浦かおるが佐倉の世話を担当し、娘を失った佐倉の悲しみを癒した。
入院した佐倉は、松枝を空席だった若者頭に任命するが、その地位を狙っていた片岡は不満を持つ。松枝は河元組を先兵に中島組の勢力を広げる一方、一宮に紹介された彼の幼馴染で旧華族の令嬢だった未亡人、姉小路尚子に赤坂にシャングリラという高級クラブをオープンさせる。政財界の要人がシャングリラを訪れ、シャングリラは松枝の情報源となる。
日本の首領(ドン)野望篇のネタバレあらすじ:転・大統領のおもてなし
ガルダネソス共和国大統領アナンタが来日する。石油開発の利権を得るために関東連合は美女を提供してアナンタの歓心を買った。だが、おしのびで日本滞在を延長したアナンタはシャングリラを訪れ、それ以来、尚子たちと旅行を続ける。
けがをしたアナンタの看護に三浦かおるがあたる。アナンタはかおるに恋に落ち、尚子と松枝は彼女をアナンタへの貢ぎ物に決める。かおるには中島組組員の恋人がいたが、交通事故で死ぬ。尚子はかおるを洗練された女性に改造していく。一方、佐倉は政治に翻弄されようとしているかおるの身を案じる。
日本の首領(ドン)野望篇の結末:関東の巻き返し
関東連合は横浜に遊びに来ていた天坊の義父(河元組前組長)を愚連隊に殺させる。さらに松枝は爆弾男と呼ばれる野党議員が国会で中島組に絡む不正を追及することを知る。関東同盟を通じて片岡が情報を流したのだった。
敗北を自覚した佐倉は松枝に関東から手を引くことを指示するが、天坊は承服せず、野党議員襲撃事件を起こし、中島組は天坊を絶縁処分にする。
再来日したアナンタ大統領は正式にかおるを第三夫人にする。かおるがガルダネソスに旅立つ前夜、松枝と尚子は自分たちはかおるを幸せにしたのだと考えようとする。だが、翌朝二人はかおるがホテルの部屋から墜落したという知らせで目を覚まされる。警察は関東連合による犯行にしたがったが、松枝は自殺と言い切る。
ガルダネソス石油資源開発の利権は関東同盟側のものとなる。記念式典会場のロビーで天坊は大石を襲撃するが大石の命を奪うことはできなかった。佐倉に謝罪した松枝に佐倉は、自分は負けるわけにはいかない、お前が生きているかぎり俺についてこいと命令する。
佐倉は一宮の口から、松枝の自殺と一宮の娘の誕生を相次いで知ることとなる。松枝の死に愕然としながらも佐倉は再起を誓うのだった。
以上、映画「日本の首領(ドン) 野望篇」のあらすじと結末でした。
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