お茶漬の味の紹介:1952年日本映画。戦時中執筆したものの、検閲当局に却下された脚本を小津監督が戦後になって映画化したもの。オリジナルでの戦地に出征するという設定が、外国への出張に変更されている。小津作品としては珍しく、キネマ旬報ベストテンでは選外となった。
監督:小津安二郎 出演:佐分利信(佐竹茂吉)、木暮実千代(佐竹妙子)、鶴田浩二(岡田登)、淡島千景(雨宮アヤ)、津島恵子(山内節子)
映画「お茶漬の味」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「お茶漬の味」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「お茶漬の味」解説
この解説記事には映画「お茶漬の味」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
お茶漬の味のネタバレあらすじ:起
佐竹妙子は暇を持て余している有閑マダム。子供もいない身分なので、姪の節子や友人の雨宮マヤたちと遊び回り、毎日気楽に暮らしています。夫の茂吉は東亜物産の機械部長ですが、しごくのんびりした性格のため、気の強い妙子は彼を尻に敷いている格好でした。その日もうまく茂吉を騙し、節子たちと一緒に修善寺温泉へ。温泉では池の鯉を見ながら「茂吉に似ている」と言い、「鈍感さん」とバカにした口調で呼びかけます。そんな妙子に、姪の節子は呆れ顔でした。
お茶漬の味のネタバレあらすじ:承
そんな時、節子に見合いの話が持ち上がります。しかし、妙子夫妻によって見合い結婚の悪い例を見せられた彼女は、将来自分が夫を馬鹿にする妻になりそうな気がして、積極的になれません。歌舞伎座での見合いの席には妙子も付き添いますが、節子は途中で席を立って行方不明に。偶然会った茂吉が無理矢理歌舞伎座へ帰らせます。その夜、節子は茂吉と妙子の家へ。節子と夫が自分を仲間外れにしたことから妙子は機嫌を損ねます。妙子はマヤのところへ遊びにゆき、「夫とは10日間口をきいていない」と説明。マヤは呆れ返り、女学校時代からの妙子のワガママぶりを色々とあげつらいます。
お茶漬の味のネタバレあらすじ:転
やがて、茂吉はウルグアイへの赴任を社長に命じられます。急な話で、明後日には飛行機で出発しなければなりません。帰宅すると妙子はいません。相変わらず勝手気ままに神戸の女友達のところへ遊びに行ってしまったのです。茂吉は仕方なく彼女に電報を打ちます。出発の日、羽田空港には節子や会社の同僚が茂吉を見送りに来ていました。ところが肝心の妙子の姿が見えません。アヤたちが盛んに気をもみますが、結局妙子のいないまま飛行機は出発。その夜になって妙子はようやく自宅に戻ってきます。帰りを待っていたアヤと節子は色々と言い訳をする妙子にさじを投げ、とっとと帰宅の途へ。
お茶漬の味の結末
ガランとした家で妙子がボンヤリしていると、意外なことに茂吉が姿を見せます。飛行機が途中でトラブルを起こしたため、東京に引き返したのです。お腹をすかせた2人は一緒にお茶漬けを食べます。そして、茂吉は「夫婦とはお茶漬の味のようなものだ」と妙子に語るのです。翌日、再び旅立つ茂吉を、妙子1人が見送りました。
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