想いのこしの紹介:2014年日本映画。岡本貴也の小説「彼女との上手な別れ方」の映画化作品です。金と女のことしか頭にない男が、ひょんなことからこの世に未練を残して死んでいった4人の幽霊を成仏させてやろうと奮闘します。
監督:平川雄一朗 脚本・原作: 岡本貴也 出演:岡田将生(本多ガジロウ)、広末涼子(笠原ユウコ)、木南晴夏(円山ルカ)、松井愛莉(犬塚ケイ)、巨勢竜也(笠原幸太郎)、ほか
映画「想いのこし」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「想いのこし」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
想いのこしの予告編 動画
映画「想いのこし」解説
この解説記事には映画「想いのこし」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
想いのこしのネタバレあらすじ:起
いつも金と女のことしか頭にない遊び人の本多ガジロウ(岡田将生)は、先輩のダフ屋のバイトを手伝った帰りに車にはねられてしまいます。幸いにもガジロウは軽傷で済みましたが、彼をはねた車の乗員は全員事故死してしまいます。死亡したのはポールダンサーのユウコ(広末涼子)、ルカ(木南晴夏)、ケイ(松井愛莉)、そして運転手のジョニー(鹿賀丈史)の4人です。後日、ガジロウは事故の加害者の遺族から慰謝料を取ろうと、手始めにユウコの自宅にやってきたガジロウは、そこで事故死した4人の幽霊と遭遇してしまいます。4人の姿は他の人には見えず、なぜかガジロウだけが見ることができるのです。
想いのこしのネタバレあらすじ:承
4人の幽霊はガジロウの自宅にまでついてきて、そのまま居座ってしまいます。彼女らを疎ましく思うガジロウに、まずルカがこの世への未練を語り出します。ルカはダンサーを引退して結婚式を挙げる予定だったのです。自分の貯金700万をあげるから代わりに式を挙げて欲しいとルカに依頼されたガジロウは婚約者と会い、彼女の想いを受け止めた婚約者は挙式を開くことを決意します。なぜかガジロウが新婦役をやることになり式はスタート、婚約者は無理やりガジロウに誓いのキスをすると、ガジロウの姿はルカに変わりました。婚約者はルカに最期のお別れをすると、ルカは満足して成仏していきました。
想いのこしのネタバレあらすじ:転
生活のためにポールダンサーをしていた高校生のケイは野球部のマネジャーをしており、キャプテンに想いを寄せていました。ケイの想いのこしとは、野球部の最後の試合を見届けることでした。ガジロウは彼女から200万円を受け取ることを条件にキャプテンへの手紙を代筆します。試合の日、打席に入ったキャプテンに、ガジロウはここにケイがいる、ケイのために打ってくれと叫びます。キャプテンは見事ケイに捧げるホームランを打ちます。試合後、キャプテンはガジロウが指し示したケイのいる場所に向かって感謝の言葉を述べると、ケイは涙を流しながら成仏していきました。元消防士だったジョニーは定年後も仕事に誇りを持っており、街の地図を描いては職場の後輩に持って行っていました。ジョニーはガジロウを3ヶ月雇うことにし、毎日消防署に地図を届けて欲しいと頼みます。引き受けるガジロウでしたが、後輩の神田はカーナビが発達した今では届けてもらった地図が役には立たないと言い放ちます。そんなある日、火災が発生し消防車が出動しましたが、街中で信号機にトラブルが発生し大渋滞になっていました。ジョニーはガジロウを通じて消防車を近道や迂回ルートに誘導させます。現場に着いた神田は、消火栓の元栓を開けようとするジョニーの姿を見つけます。火災は無事鎮火し、神田たちはジョニーに敬礼をします。一仕事を終えたジョニーもまた成仏していきました。
想いのこしの結末
最後に残ったユウコの想いのこしは、もはや身寄りのいなくなってしまった一人息子の幸太郎(巨勢竜也)のことでした。施設行きを拒む幸太郎の身を案じるユウコは、ガジロウに何とかして欲しいと頼みます。これまでの出来事を通じて心境の変化が生まれていたガジロウは、今までに得た金を注ぎ込んでポールダンスを習い始めます。そしてガジロウは、ユウコがしていた仕事を見せるため、幸太郎をユウコが働いていたクラブに連れていきます。女装したガジロウは下手くそながらも精一杯に踊り、やがてユウコも一緒になって踊り始めます。そして、成仏したはずのルカやケイも加わり、ガジロウを含めた4人でパフォーマンスを魅せます。幸太郎には母の姿が見えていました。ショーが終わった後、ユウコは幸太郎を抱きしめ、ガジロウもユウコを抱きしめます。やがてユウコもまた成仏していきました。幸太郎はガジロウに連れられて施設に入ることになりました。
以上、映画「想いのこし」のあらすじと結末でした。
想いのこし:それぞれの想い
1人目の想い
ルカ(木南晴夏さん)の想い残したことは、ウエディングドレスを着て結婚式を挙げること。ここではなんとガジロウが新婦役として結婚式に参加し新郎とキスまでしてもらい願いをかなえることができました。
2人目の想い
高校生のケイ(松井愛莉さん)の想い残したことは、マネージャーとして野球部最後の試合を見届けること。好きだったキャプテンにガジロウを通して手紙を書き、きちんと最後の試合を見届けることができました。
3人目の想い
ジョニー(鹿賀丈史さん)の想い残したことは、誇りある仕事をやり遂げること。元消防士だったジョニーはガジロウとともに火事が起こった現場で活躍し、自分の納得できる仕事をすることができました。
4人目の想い
夫を亡くしたユウコ(広末涼子さん)の想い残したことは、息子をひとりぼっちにしてしまうこと。ここではガジロウガかなり頑張ってポールダンスの練習を し、ユウコがやっていたポールダンサーの仕事のすばらしさを息子に伝え、施設に入ることを拒否していた息子を説得し、無事に施設に送り届けることができま した。
映画に込められた想い
初めは金と女にしか興味のない遊び人のガジロウでしたが、4人の想いをかなえていくうちに少しずつ心に変化が表れます。このガジロウの成長がこの映画のひ とつの見どころであり、感動するところだと思います。また、この4人はそれぞれの想いが叶えられると1人ずつガジロウの前から姿を消し、成仏していきま す。この映画で最も伝えたかったことは、人生はいつ何が起こるかわからないので、できるだけ想い残すことがないように毎日を大切に生きていこうということ ではないのでしょうか。
さいごに
広末涼子さん・木南晴夏さん・松井愛莉さん・岡田将生さんの4人のポールダンスのシーンは、実際に本人たちがやったとは思えないほど素晴らしいものです。また、この映画で広末涼子さんが「第27回 日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞」の助演女優賞を受賞されたそうです。
この映画は岡田将生さん扮するガジロウと、ポールダンスショーを行っているバーで働く4人が乗った自動車が事故に遭うところから始まります。ガジロウは助かり、自動車に乗っていた4人は死んでしまうのですが、この4人にはそれぞれ「想いのこしたこと」があるため成仏することができず、自分たちの想いをかな えて欲しいとガジロウの前に現れます。死んでしまっているので他の人には見えないのですが、ガジロウにだけは4人の姿が見えるというところもこの映画のおもしろいところです。