婦系図(おんなけいず)の紹介:1962年日本映画。新派の代表作として広く知られた泉鏡花の名作を映画化。1934年以来、映像化は何度もされているが、劇場用映画としてはこれが最も新しい。主税を市川雷蔵、そしてお蔦を万里昌代が演じている。脚色は溝口作品でお馴染みの依田義賢。
監督:三隅研次 出演:市川雷蔵(早瀬主税)、万里昌代(お蔦)、千田是也(酒井俊蔵)、三条魔子(妙子)、片山明彦(河野英吉)、木暮実千代(小芳)、船越英二(めの惣)、ほか
映画「婦系図(1962年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「婦系図(1962年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「婦系図(1962年)」解説
この解説記事には映画「婦系図(1962年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
婦系図(おんなけいず)のネタバレあらすじ:起
大学でドイツ文学を教えている酒井俊蔵は、めかけにしている芸者・小芳と酉の市の人混みを歩いている時、スリに狙われます。幸い未遂に終わりましたが、そのスリはまだ幼い子供でした。
その身の上に同情した酒井はその子を自分の屋敷に住まわせ、高等教育を授けてやります。子供は早瀬主税という名前をもらい、酒井と同じドイツ文学を専攻して大学を卒業。参謀本部で翻訳官として奉職することになります。その前途は洋々たるものに思えました。
婦系図(おんなけいず)のネタバレあらすじ:承
ところが、酒井同様お茶屋遊びの味を覚えたのが、主税の運命を暗転させてしまいます。
彼は小芳とも親しいお蔦という芸者と馴染みになった挙げ句、彼女を落籍させて飯田町で夫婦同様の生活を始めます。これは酒井には内緒でした。ただ江戸っ子の酒井は粋なところがあります。主税には「最初は反対されてもいずれは判ってもらえるだろう」と高をくくる気持がありました。
しかし、この甘い期待を打ち砕く出来事が起こります。それは主税の友人である河野英吉が酒井の娘である妙子に惚れ、結婚を申し込んだことです。
婦系図(おんなけいず)のネタバレあらすじ:転
家柄を気にする河野家の態度が気に入らない主税は結婚に反対。それが仇となり、英吉はお蔦との同棲を酒井に告げ口してしまいます。
恩人である酒井に命令され、主税はやむを得ずお蔦との生活を諦めます。お蔦は芸者に戻ることが嫌で髪結いとなり、自分が結えなかった丸髷を人に結う事で慰めを得るのです。
一方、主税は東京を離れて静岡に向かいます。そこには河野家の本宅があり、彼はこの一家に復讐するつもりでした。
婦系図(おんなけいず)の結末
主税は英吉の母親が馬丁と不貞を働いたことを知り、彼女を脅迫。ドイツ語塾の資金を出させ、彼女の娘たちも復讐のターゲットにしようとします。
その間にお蔦は大病に罹って寝たきりとなり、やがて危篤状態に陥ります。2人の事情を知っているめの惣が静岡までやってきて主税を連れて帰ろうとしますが、驚いたことに主税は英吉の母親に撃たれていました。事情を知った英吉の父は妻を射殺した上で自害。
復讐は果たしたものの、お蔦も亡くなり、主税の胸には虚しさだけが広がるのでした。
以上、映画「婦系図(おんなけいず)」のあらすじと結末でした。
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