女の座の紹介:1962年日本映画。女性ばかりの大家族の人間模様を描いた成瀬巳喜男の佳作。当時の東宝の女性スターはもちろん、成瀬作品のレギュラーである高峰秀子と杉村春子も顔を揃え、豪華極まりないキャストとなっている。脚本は井手俊郎と松山善三。
監督:成瀬巳喜男 出演:笠智衆(石川金次郎)、高峰秀子(芳子)、杉村春子(あき)、三益愛子(田村松代)、小林桂樹(石川次郎)、草笛光子(石川梅子)、淡路恵子(橋本路子)、三橋達也(橋本正明)、司葉子(石川夏子)、星由里子(石川雪子)、宝田明(六角谷甲)、大沢健三郎(健)、ほか
映画「女の座」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「女の座」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「女の座」解説
この解説記事には映画「女の座」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
女の座のネタバレあらすじ:起
オリンピック工事がまもなく始まろうという東京。その住宅街で戦前から荒物屋を営んでいる石川一家は、当時でも大変な大家族でした。
家長である金次郎(笠智衆)は最初の妻との間に健太郎、次郎(小林桂樹)という2人の息子、松代(三益愛子)、梅子(草笛光子)という娘を2人作り、二番目の妻あき(杉村春子)との間に路子(淡路恵子)、夏子(司葉子)、雪子(星由里子)という3人の娘をもうけました。
次郎は渋谷でラーメン屋をやっていて、松代は夫とともにアパートを経営。梅子は30歳を越えるのにまだ独身でお茶と生花の師匠。路子は九州に嫁ぎ、夏子、雪子が独身でした。健太郎は戦死しましたが、その未亡人の芳子(高峰秀子)と息子の健(大沢健三郎)がいて、梅子、夏子、雪子とともに金次郎、あきと同居しています。
女の座のネタバレあらすじ:承
もう老人である金次郎が倒れたというので、久しぶりに一族が集まりました。もっとも金次郎はすぐに元気になり、東京に住んでいる次郎や松代はすぐに帰っていきます。
問題なのが、九州から飛行機でやってきた路子で、夫の橋本(三橋達也)とともに家に居候してしまいます。橋本は人はいいのですが堪え性がなく、問題を起こして会社をクビになったのです。
このままずっと家に住まれては厄介なので、あきは松代に頼んでアパートの空き室を提供してもらおうとします。しかし松代としてもそんな事はお断りでした。慌てて周旋屋を訪ね、空き室を埋めるために部屋を探している男性を紹介してもらいます。
女の座のネタバレあらすじ:転
ところが、身元を聞いて松代は驚きます。その六角谷甲(宝田明)という男性はあきが先夫との間にもうけた実の子だったのです。
あきはその先夫との生活に耐えかねて離婚したのですが、子供は引き取らずに夫の元に残してきました。その子が成長してあきの新しい家族の前に現れたわけです。
松代の紹介で六角谷は石川家に出入りし始めますが、自動車のセールスをやっているという彼は美男子で如才がなく、皆に好かれます。梅子などは彼に一目惚れし、結婚まで考えます。
しかし実は六角谷はジゴロで、あちこちで女性を騙していました。あきや芳子にやんわりと責められ、六角谷は一家の前から姿を消します。
女の座の結末
一方、芳子の息子の健は高校受験で悩んでいました。その悩みのせいなのか、線路脇をウロウロして電車に轢かれてしまい、死亡します。息子がいなくなった芳子は、もはや石川家では赤の他人同様でした。
広い敷地を活かしてアパートでも建てようと、次郎、松代、梅子たちが相談するのですが、芳子の行く末については、まるで知らん顔です。
しかし、芳子の優しい性格を気に入っていた金次郎とあきは隠居用の一軒家を探す際に彼女を同行させ、引っ越した後も一緒に住もうと持ちかけます。悩みの続いていた芳子にもようやく安住の場所が見つかりそうです。
以上、映画「女の座」のあらすじと結末でした。
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