おとうとの紹介:2009年日本映画。巨匠・山田洋次監督が、市川崑監督の同名作品(1960年公開)へのオマージュとして製作したものです。小さな薬局を営む姉と、やんちゃな風来坊の弟との交流が姉の一人娘の視点から描かれます。
監督:山田洋次 出演者:吉永小百合(高野吟子)、笑福亭鶴瓶(丹野鉄郎)、蒼井優(高野小春)、加藤治子(高野絹代)、小林稔侍(丹野庄平)ほか
映画「おとうと (2009年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「おとうと (2009年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
おとうとの予告編 動画
映画「おとうと (2009年)」解説
この解説記事には映画「おとうと (2009年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
おとうとのネタバレあらすじ:起
東京の片隅にある小さな薬局を経営する高野吟子(吉永小百合)は早くに夫と死別、女手ひとつで一人娘の小春(蒼井優)を育てながら義母の絹代(加藤治子)と三人で暮らしています。小春の名付け親でもある吟子の弟・丹野鉄郎(笑福亭鶴瓶)は役者を志して大阪に渡るも、10数年前に吟子の夫の十三回忌で酒を飲んで大暴れし、親類中から嫌われて以来音信不通になっていました。
おとうとのネタバレあらすじ:承
小春はエリート医師と結婚することになりました。吟子は鉄郎に結婚式の招待状を送りますが宛先不明で戻ってきてしまいます。迎えた式の当日、披露宴の最中に、羽織袴を着込んだ鉄郎が現れます。追い返そうとする親戚を吟子はなだめ、吟子らの兄・庄平(小林稔侍)は鉄郎に酒を一滴たりとも飲まないことを誓わせます。しかし、鉄郎はアルコールの誘惑に負けて目の前にあるシャンパンを飲んでしまい、泥酔したままマイクを奪って勝手にスピーチをしたり浪曲を歌ったりとやりたい放題で披露宴をぶち壊してしまいます。激怒した庄平は鉄郎と絶縁すると宣言します。
おとうとのネタバレあらすじ:転
披露宴の一件を機に、小春の新婚生活は破綻します。離婚した小春は吟子の元に戻り、再び三人暮らしの日々を送っていました。そんなある日、鉄郎の恋人を名乗る女性が吟子の薬局を訪れます。鉄郎は女性から130万円を借りたっきり行方をくらましてしまったというのです。女性の手元には鉄郎直筆の借用書もありました。吟子はやむなくなけなしの預金を引き下ろし、鉄郎の借金を肩代わりします。数日後、鉄郎がふらりと現れます。言い訳ばかりする鉄郎の不誠実な態度に吟子と小春は激怒、遂に鉄郎と絶縁します。それ以来、鉄郎の消息は一切途絶えてしまいます。
おとうとの結末
吟子ら三人は水いらずの穏やかな日々を送り、すっかり鉄郎のことなど話題にすら上がらなくなっていました。しかし、やはり鉄郎が心配な吟子は密かに警察に捜索願を出していました。そんなある日、鉄郎が救急車で病院に運ばれたという連絡が吟子のもとに入ります。吟子は急いで大阪に向かい、病床の鉄郎と再会しますが、鉄郎は既に末期ガンに侵されており、余命数ヶ月の宣告を受けます。やがて鉄郎は民間のホスピス「みどりのいえ」に引き取られ、そこで余生を過ごします。そして、鉄郎は吟子と小春に看取られて息を引き取ります。その後、小春は別の男性と再婚することになりました。いつも鉄郎を一家の恥と罵ってきた絹代は「小春の二度目の結婚式にあの変わり者の弟を呼んであげないとかわいそうだ。皆にのけ者にされて一人ぼっちだろ。お酒さえ飲ませなけりゃいいんだから呼んでやったら?」と呟きます。吟子は義母の鉄郎に対する心遣いに涙します。
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