さいはての用心棒の紹介:1966年イタリア,フランス,スペイン映画。マカロニウエスタン界のスター、ジュリアーノ・ジェンマが主演した西部劇です。南北戦争末期、北軍の密書を届けることになった元南軍捕虜の旅を、仲間の裏切りや南軍ゲリラ・強盗団との戦いを交えて描きます。
監督:ジョルジオ・フェリーニ 出演者:ジュリアーノ・ジェンマ(ゲイリー・ダイアモンド)、ソフィー・ドーミエ(コニー・ブラストフル)、ジャック・セルナス(サンダース)、ダン・ヴァディス(ネルソン・リッグス)、エンジェル・デル・ポーゾ(ルフェーブレ)、ホセ・カルボ(ゴールド)、ネロ・パッツアリーニ(ブライアン・ピット)ほか
映画「さいはての用心棒」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「さいはての用心棒」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
さいはての用心棒の予告編 動画
映画「さいはての用心棒」解説
この解説記事には映画「さいはての用心棒」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
さいはての用心棒のネタバレあらすじ:起
南北戦争も終わりに差し掛かり、北軍の勝利が決定的となった頃のアメリカ。南軍のゲイリー・ダイアモンド中尉(ジュリアーノ・ジェンマ)は北軍の捕虜となっていました。
ゲイリーがコロラド出身で南軍のコロラド第5連隊に所属していたことに目を付けた北軍側は、敗北を認めず投降を拒否し続けている南軍が総攻撃しようとしている北軍のユマ砦に警告を伝える密書を届けに行く、ルフェーブレ大尉(エンジェル・デル・ポーゾ)とピット軍曹(ネロ・パッツアリーニ)の道案内を彼に依頼しました。
ユマ砦は電線が切られているため電信を送ることができず、道中には南軍ゲリラや強盗団が徘徊している危険な地帯です。「裏切るかもしれんぞ」と渋るゲイリーに、北軍側はゲイリーは信用できるうえにユマ砦を知っていることから、かつての戦友たちを総攻撃させることなく投降させるためにもゲイリーの協力が必要だと説得しました。
ユマ砦の軍資金100万ドルは近くにある廃坑のレッド鉱山跡に保管しているというのですが、その金をネルソン・リッグス(ダン・ヴァディス)率いる強盗団が狙っているというのです。そしてリッグスの強盗団には南軍ゲリラを率いるサンダース少佐(ジャック・セルナス)も加担しているということであり、サンダースの名を聞いたゲイリーは依頼を引き受けることにしました。
さいはての用心棒のネタバレあらすじ:承
その頃、北軍の動きを嗅ぎつけていたサンダースはリッグスにレッド鉱山の監視を命じ、決して密書をユマ砦に届けさせてはならないと釘を刺しました。
翌日、ゲイリーはルフェーブレやピットと共にユマ砦を目指して出発しました。その道中、ゲイリーとピットは立ち寄った町で歌手のコニー(ソフィー・ドーミエ)と知り合いました。その後、一行は旅の途中でリッグスの子分に襲撃され、ピットは射殺されてしまいました。ゲイリーは小屋に逃げ込んだルフェーブレの不審な挙動に気付き、銃を突きつけて密書を出すよう要求しました。
ルフェーブレはゲイリーを裏切り者呼ばわりしますが、ゲイリーはルフェーブレを殴り倒し、密書を奪って逃走しました。川まで追い詰められたゲイリーはブライトンの町に向かう船に乗るコニーの荷物の中に密書を隠し、その直後にルフェーブレに撃たれて川の中に転落していきました。
一命を取り留めたゲイリーは砂金取りの老人ゴールド(ホセ・カルボ)に救われました。ゴールドが元北軍兵士であることを知ったゲイリーは自分は北軍大尉だと嘘をつき、密書の存在を明かすと協力してほしいと頼みました。
その後、ゲイリーはブライトンの町に向かい、酒場で歌うコニーに事情を説明すると、彼女のステージが終わるのを待って密書を受け取りに行くと告げました。ところがその直後、ゲイリーはリッグスの子分に襲撃され、捕らえられてしまいました。
さいはての用心棒のネタバレあらすじ:転
コニーはゴールドからゲイリーが連れ去られたことを知らされ、密書をゴールドに託しました。一方、ゲイリーはリッグスから密書を渡すよう迫られましたが、そんなものは知らないと拒み続けました。そこにルフェーブレが姿を現し、とぼけるなと告げてきました。ゲイリーはピットを殺したのはリッグスの子分ではなくルフェーブレであることを見破っており、ルフェーブレこそがサンダースやリッグスと内通していた裏切り者であることを見抜きました。
ゲイリーは密書は川に落としたと嘘をつきますが、リッグスは居場所を吐かせるためにゲイリーに凄惨な拷問を加え、ゲイリーは一時的に視力を失ってしまいます。コニーはゲイリーを助けようとしましたがリッグス一味に捕まってしまい、レッド鉱山へと連行されました。
視力の回復したゲイリーはリッグスの子分を倒して脱出しました。一方、ゴールドはユマ砦に向かい、無事に密書を送り届けました。砦側はゲイリーの正体は南軍将校であることをゴールドに伝えると、ゲイリーの目的は密書を送り届けたらかつての戦友たちに裏切り者の存在を教えて攻撃を回避させようとしているのではないかと伝えました。
さいはての用心棒の結末
ゲイリーはコロラド第5連隊に行き、ユマ砦への攻撃を止めるよう説得しました。最初は半信半疑の第5連隊でしたが、密書は既にユマ砦に送り届けられており、サンダースが裏切っていることを知った第5連隊は攻撃を中止して投降しました。
その頃、レッド鉱山ではサンダースとリッグス、ルフェーブレが今か今かと第5連隊のユマ砦攻撃を待ちわびていました。一味は混乱の隙を突いて100万ドルを奪う計画でしたが、一向に攻撃が始まらないことから目論みが外れたと苛立ち始めました。
ゲイリーはレッド鉱山に乗り込み、サンダースとリッグスを殺しました。しかし、既に銃弾は尽きており、ゲイリーは勝ち誇るルフェーブレに銃口を向けられました。ところが、ゲイリーは奥の手としてピットの形見の護身用ピストルを隠し持っており、ルフェーブレを射殺してコニーを無事助け出しました。ゲイリーコニーは熱烈なキスを交わしました。
以上、映画「さいはての用心棒」のあらすじと結末でした。
この「さいはての用心棒」は、マカロニ・ウエスタンの貴公子・ジュリアーノ・ジェンマ主演のマカロニ・ウエスタンの中で、一番つまらない作品だ。
製作も1966年だから、「星空の用心棒」や「怒りの荒野」などより古い。
南北戦争の直後、ゲリラ活動をしていた、南軍の将校ジェンマが、北軍の捕虜になり、無駄な殺傷はやめたいという、北軍の司令官に同意、仲間のゲリラ隊が、ユマ砦を攻撃するのをやめさせようとする。
攻防戦をやらせて、その隙に砦の黄金を奪おうと計画していた、腹黒い連中には、ジェンマが邪魔になる。
こうして、ジェンマは、一味に捕まり、地面に身動きできぬように縛られ、太陽で目を焼かれる事になる。
ここが、マカロニ・ウエスタンらしい唯一の見せ場だが、見えなくなったはずの目が、どういうわけか、よく見え、見えないふりをして、一味を欺き、片っ端から殺していく。
一人やられ、二人やられしても、見えるのに気がつかないとは、もうあきれ返ってしまう。
監督は、カルヴィン・J・パジェットという人だが、無気力な展開で、一向に興趣が盛り上がらず、ジェンマお得意の体操アクションは、酒場の階段から、トンボ返りで着地する場面だけだった。