平成狸合戦ぽんぽこの紹介:1994年スタジオジブリ映画。高畑勲が監督脚本を務めた、ジブリ初のCGを使ったアニメーション映画です。餌が少なくなり、争っていた狸達は、餌がない原因が人間による土地開発だということに気がつきます。化け学を駆使し、人間へ戦いを挑む狸達は、自分たちの住処を守ることができるのでしょうか。
監督:高畑勲 声の出演:野々村真(正吉)、石田ゆり子(おキヨ)、三木のり平(青左衛門)、清川虹子(おろく婆)、泉谷しげる(権太)、芦屋雁之助(隠神刑部)、村田雄浩(文太)、林家こぶ平(ぽん吉)、福澤朗(竜太郎)、山下容莉枝(お玉)、桂米朝(六代目金長)、桂文枝(太三郎禿狸)、柳家小さん(鶴亀和尚)、神谷明(玉三郎)、鈴木弘子(女タヌキ)、加藤治(林さん)、ほか
映画「平成狸合戦ぽんぽこ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「平成狸合戦ぽんぽこ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
平成狸合戦ぽんぽこの予告編 動画
映画「平成狸合戦ぽんぽこ」解説
この解説記事には映画「平成狸合戦ぽんぽこ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
平成狸合戦ぽんぽこのネタバレあらすじ:化け学
昭和40年代、多摩の山の中で暮らしていた狸たちは、餌が少なくなり部族ごとに争っていました。ところが、鶴亀和尚によると、その原因は人間による多摩開発のせいで自然がなくなりつつあることだったのです。狸達は長らく使っていなかった、別の者に化ける術「化け学」を学び直し、人間に戦いを挑みます。
最初の抵抗は、工事会社のトラックに妨害行為を行い、死亡事故を引き起こす過激なものでした。しかし、次第に化け学で超常現象を引き起こし、人間を怖がらせるものへと変わって行きます。また、四国と佐渡の長老狸へ救援を求める使者を派遣しますが、いっこうに戻ってきません。その間も作戦は行われますが、効果は出ず、次第に作戦はおろそかになり、化け学を使って餌集めがされるようになりました。
平成狸合戦ぽんぽこのネタバレあらすじ:妖怪大作戦
四国へ使者としてたどり着いた玉三郎は、3人の長老に救援を依頼しますが、議題がつきず半年経っても出発することが出来ないでいました。多摩では、権太を始めとする過激派がクーデターを引き起こそうとしたところ、ようやく四国の3長老が到着し、更なる化け学の技術の向上を図ります。
そして、全員で妖怪に変化してパレードする「妖怪大作戦」を決行しますが、開発会社にレジャーランドの告知パレードとして利用されてしまいます。そして、力を使い果たした3長老の一人が亡くなってしまいました。
平成狸合戦ぽんぽこのネタバレあらすじ:狸の最後の反撃
無念でならない狸たちに対し、同じく住処を奪われたキツネの長老が接触してきます。彼らキツネは人間に化けて人間界で暮らしているため、狸たちも同じく人間と暮らすことを諭します。しかし、権太率いる過激派が最後の戦いに挑みますが、戦いに破れた権太はトラックに轢かれて死んでしまいます。
また、3長老の1人と化け学が使えない狸達が船に乗り込み、死出の旅に出てしまいます。残された正吉たちは狸の掟を破り、人間のテレビクルーの前で、草や木などに化けて、幻を見せます。これにより、多摩の一部に自然が残されることが決定されました。
平成狸合戦ぽんぽこの結末:戦いの終演
化け学を使える穏健派の狸は、人間として生きる道を選び、化け学を使えない狸たちは、ひっそりと暮らすことを余儀なくされました。かつての仲間たちはバラバラになりながら、人間として生きるストレスの中を暮らしていました。
そんなある日、人間に化けていた正吉は、一匹の狸を見つけます。追いかけると、そこには都会でたくましく生きる狸たちがいました。正吉は変化を解きながら、仲間との再会を喜ぶのでした。
以上、映画「平成狸合戦ぽんぽこ」のあらすじと結末でした。
都市化が進む日本で、住んでいた山を破壊されそうになっている狸たちが生存のために人間を倒すか、人間と共生しようかと葛藤する話です。人間界にもありますが、それぞれ過激派、穏健派がおり、人間と戦うために命を落とす狸もいます。また、化けることがうまくできず、精進しますが最後まで狸のまま一生を終えるものもいました。最後のシーンでは穏健派の狸が人間に化けたまま生活しますが、実家の山に戻って狸として生きる仲間たちと再会を果たすシーンがあります。近代化に伴い自然を破壊するということに向かい合うことのできる、いい映画だと思います。