聖なるGOAL!の紹介:2017年スペイン映画。赤字で閉鎖寸前の修道院に赴任したサルバドール神父が、サッカー未経験の修練士達を集め、聖職者のサッカー大会、チャンピオン・クレルムで優勝を目指す!ライバルは無敗のバチカンチーム!
監督:クーロ・ベラスケス 出演:カラ・エレハルデ、アライン・エルナンデス、フアン・マヌエル・モンティリャ、ジョエル・ボスケ、マカレナ・ガルシア、ティト・バルベルデ、パコ・ルエダ、ギレルモ・フリアセ、チェマ・ブラスコ、パコ・サガルガス
映画「聖なるGOAL!」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「聖なるGOAL!」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「聖なるGOAL!」解説
この解説記事には映画「聖なるGOAL!」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
聖なるGOAL!のネタバレあらすじ:起・新し赴任先
アフリカの紛争地帯で、伝道活動中に過激派から人質を解放するためにバチカン銀行にハッキングをしたサルバドール神父は、破門は免れたものの、サッカーを通じての伝道活動を禁止され、スペインの聖テオドシウス修道院に転任させられてしまった。
厳格なムニジャ神父は進歩的な彼とは折り合いが合わず、更に赤字経営のためディオセサーノ修道院へ統合し、ホテルへの改修の話が持ち上がっていた。
そこへ、自分の教区からチャンピオン・クレルムという聖職者のサッカー大会で優勝者を出したい司教の話を聞き、サルバドールは大会での優勝で修道院を残すことを提案した。ムニジャ神父は反対したが修練士達は大賛成、未経験ばかりのチームで大会に挑むことになった。
聖なるGOAL!のネタバレあらすじ:承・サラとシモン
猛特訓と、更にプロテスタントの教会からヘススというミッドフィルダーへカトリックの洗礼を授けてチームに引き入れ、チームは地区予選を勝ち上がって行った。
修練士の一人として神学校で勉強しているシモンは、修道院に出入している幼馴染の救護員サラに恋をしていた。若い彼らの相談役にもなっていたサルバドールは、外の空気を吸って来いと、シモンをサラの誕生日パーティーに送り出したが、彼は同じ年頃の他の男性たちに馬鹿にされ、お酒も身体が受け付けず、修練士でありながらサラにキスをしようとしてしまった。
その上、門限に遅れてしまいムニジャ神父に翌朝まで閉め出されてしまった。そして、サルバドールのやり方が気に食わないムニジャ神父は、悪影響があると言って庭に作ったサッカーコートを壊し、元の厳格な修道院に戻そうとした。
そして彼の弱みを握ろうと、過去の写真を見るとアフリカの子供たちと撮った写真の中に、教皇やマザーテレサを見つけ驚いてしまった。
聖なるGOAL!のネタバレあらすじ:転・再出発
修道院の統合の話が進みホテルへの改装計画を話している業者から、修道院に対する悪口を聞いてしまったムニジャ神父は、前言撤回「ここは売らない」と宣言、練習が再開された。
教区の最終戦で肝心のキーパーが買収されていたことが判明したが、彼の故郷が抱える麻薬問題についてはサルバドールに相談しようという事になり、無事ローマへの切符を手に入れた。サルバドールはバチカンチームに勝ったらアフリカへの赴任、負けたら統合先の神父に仕えると、枢機卿と賭けをした。
修道院でシモンと喧嘩別れをしてしまったサラは、ローマまで駆けつけ、町を周りながら運命の人はシモンだと告白し、恋愛から逃げていたシモンはもう逃げないと決め、二人はキスを交わした。
一方、夜のクラブで羽目を外した他のメンバーは、高額な請求をされると、マフィアに捕まったとムニジャ神父を嘘の電話で呼び出し、一緒に駆け付けたサルバドールは再びバチカン銀行にハッキングをし、事なきを得た。
聖なるGOAL!の結末・修道院の存続をかけた試合
常勝のバチカンのチームは手強かったが、なんとか同点まで追い上げ、残すはPK戦だけとなった。
しかし、最後のボールを蹴るのは、休憩時間に司教から教皇の手前、バチカンチームに勝たせなければ地の果てに赴任させると釘を刺されたムニジャ神父だった。チームは皆負けを確信したが、修道院を潰したくないムニジャ神父は見事ゴールを決め、優勝した。
その後、司教の面子を潰した修道院は売られる事になり、シモンは修道院を去りサラの元へ、サルバドールは再びアフリカへ赴任した。そこへ、今日からムニジャ神父へ直々のお祝いの電話で、システィーナ礼拝堂の修繕費の余剰の一部を修道会へ寄付することが決まった。
これで修道院の赤字は解消、更に彼らが持って行ったお菓子のペルニージャズを教皇が褒めた事で、お菓子を売る事を思い付き、工場を併設することにした。
そしてアフリカでサルバドールが子供たちに馴染んだ頃、今度はチャンピオン・クレルムのワールドカップに出るというムニジャ神父から連絡が入った。
以上、映画「聖なるGOAL!」のあらすじと結末でした。
聖なるGOAL!のレビュー・考察:カトリックジョーク全部盛り
富と権力の不均衡、階級が上の聖職者への忖度、時代錯誤じみた修道院生活、いまだ和解しきらないカトリックとプロテスタント、バチカンいじりなどなど、一見するとブラックジョークがてんこ盛りになっている。ただそのジョークから前向きな解決策を出すことで、批判ではなく、「信仰とは何か、規律を守ることが信仰なのか」と言う問題提起にもなっている。また、最初は破天荒なサルバドール神父に対して厳格な神父として描かれていたムニジャ神父も、修道院や修練士を大切している描写があり、昔堅気なだけの人物ではなかった所が、風刺ともとれる描写とバランスをうまく取っている作品だった。
この映画の感想を投稿する