老人Zの紹介:1991年日本映画。「AKIRA」の大友克洋と「ストップ!! ひばりくん!」の江口寿史がタッグを組み制作されたSFアニメーション。最新型介護ロボット「Z-001号機」のモニターとして、三橋晴子がボランティアとして介護をしていた高沢喜十郎が選ばれました。晴子は、喜十郎の介護係から外れましたが、晴子の元に喜十郎から助けを求める連絡が入ります。実は、Z-001号機には隠された機能があり、それによりZ-001号機は暴走を始め、周囲を大混乱に陥れます。
監督:北久保弘之 声優:高沢喜十郎(松村彦次郎)、三橋晴子(横山智佐)、寺田卓(小川真司)、長谷川良彦(近石真介)大江信子(佐藤智恵)、佐藤知枝(松本梨香)、前田満(辻谷耕史)、高沢ハル(斉藤昌)、ほか
映画「老人Z」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「老人Z」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「老人Z」解説
この解説記事には映画「老人Z」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
老人Zのネタバレあらすじ:起
看護学生の三橋晴子は、ボランティアで寝たきり老人の高沢喜十郎の介護を行っていました。そんなある日、喜十郎の家に厚生省の役人である寺田卓がやってきて、喜十郎が厚生省の新事業のモニターに選ばれたと言って、連れて行ってしまいました。そして、食事から排泄、着替え、お風呂など、独居老人の様々な世話を自動で実施する最新型介護ロボット「Z-001号機」が発表され、その会場に喜十郎がZ-001号機と共に現れました。
晴子は、その会場に駆け付けましたが、喜十郎と会うことはできませんでした。しかしその夜、学校の晴子が使用しているパソコンに、晴子に助けを求めるメッセージが表示されました。喜十郎からのメッセージと悟った晴子は、喜十郎とZ-001号機がいる厚生省の施設に仲間と共に忍び込みますが、寺田に見つかってしまいます。
Z-001号機を担当するエンジニアの長谷川良彦から、Z-001号機の不具合と説明され、晴子達は帰りかけますが、Z-001号機の方から晴子に助けを求める声が上がりました。晴子は思わずZ-001号機の元に駆け寄り、寺田は晴子を突き飛ばしますが、その時Z-001号機が喜十郎を乗せたまま突如動き始めました。晴子達はZ-001号機と共に外に飛び出しました。
老人Zのネタバレあらすじ:承
とりあえず喜十郎のアパートまで来た晴子達とZ-001号機ですが、追ってきた寺田と警察に確保されてしまいました。しかし、この時Z-001号機が変形して、ロボットのような形状になりました。この時は長谷川がZ-001号機を停止させ、事なきを得ましたが、Z-001号機の開発会社は、Z-001号機に隠し機能を搭載しているという噂があり、厚生省に帰った寺田は長谷川に詰め寄りますが、長谷川は開発会社の政治力を使いうやむやにしてしまいました。
晴子は元の生活に戻りましたが、喜十郎の事が心残りでした。そんな時、晴子は、病院に入院している老人達が、病室に置かれたパソコンから外部の会社のコンピューターをハッキングしている現場に遭遇し、彼らにZ-001号機にハッキングするように依頼しました。老人達はZ-001号機にアクセスすることに成功しますが、Z-001号機から応答はありませんでした。
そこで晴子は、喜十郎の亡き妻である高沢ハルの声を作り、それでZ-001号機に繋がれている喜十郎に呼びかけるように依頼しました。すると、ハルの声で呼びかけられた喜十郎は、目を覚まして起き上がり、それを見た看護師は驚いて助けを呼びました。知らせを受けて慌てて駆け付けた寺田と長谷川が見たものは、周りの機器を取り込み進化しているZ-001号機の姿でした。
そして、ハッキングしている老人たちの命令により、Z-001号機は施設の外に出ると走り出しました。しかし、Z-001号機は、老人たちが命令していないのに勝手に動き出すようになりました。Z-001号機がハルの人格を生成して自我に目覚めたためでした。そして、Z-001号機は喜十郎が希望する鎌倉に向けて走り始めました。
老人Zのネタバレあらすじ:転
寺田は、老人たちの元に駆け付けてハッキングを止めようとしますが、すでに警察や周辺住民を巻き込んだ大騒動となっていました。警察は、重機を使ってZ-001号機を止めようとしますが、逆にZ-001号機は重機を取り込んでさらに進化してしまいました。
現場に駆け付けた晴子は、発進しようとするヘリコプターに強引に乗り込み、寺田と長谷川と共に暴走するZ-001号機を追いかけます。そのヘリの中で、長谷川は「Z-001号機に搭載されているコンピューターは、軍事目的にも使用できるもので、Z-001号機はその実験台ともなっている」と言いました。
Z-001号機は、モノレールのレールを利用して鎌倉に向かっていました。寺田は、ヘリからZ-001号機に止まる用に呼びかけますが、その時寺田はヘリから落ちてしまい、Z-001号機に拾い上げられました。寺田は必死にZ-001号機を説得し、その結果、鎌倉の海を見たら引き返すと約束を取り付けました。
そして、鎌倉の海の目前まで来た所に、長谷川が待ち構えていました。寺田は、長谷川に道を空けるように頼みますが、長谷川は「Z-001号機と同じコンピューターを積んだ軍事用ロボット「アルファ」を出撃させ、Z-001号機を潰す」と言いました。
Z-001号機とアルファの戦いが始まりますが、軍事用のアルファの優勢となります。しかしZ-001号機は、アルファを突き飛ばすと海に向けて走り出しました。Z-001号機は、トンネルを抜ければ鎌倉の海というところまで来ますが、そこで、ヘリコプターと融合して追いかけて来たアルファに体当たりされ動きを止めました。
老人Zの結末
再びZ-001号機とアルファの戦いとなりますが、Z-001号機は、追いかけてきた晴子と寺田に喜十郎を託し、アルファとともにトンネル出口に向かって走り出しました。トンネルを抜けたZ-001号機は、アルファと融合し暴走状態となります。老人たちは晴子に「Z-001号機の暴走を止めるには、コアチップを潰すしかない」と言い、それを聞いた寺田は晴子に携帯用の酸素ボンベを渡しました。
晴子は老人たちの指示に従い、コアチップを探しますが、長谷川がそれを妨害します。しかし、コアチップを見つけた晴子は、コアチップに酸素ボンベを突き刺すと、Z-001号機が酸素ボンベに火を付け、Z-001号機は大爆発を起こしました。海岸に落ちたZ-001号機の残骸は晴子に喜十郎の居場所を尋ねると、そこに寺田が喜十郎を連れてきました。そして、Z-001号機は、喜十郎と思い出の地である鎌倉の海岸で夕日を見ると機能を停止しました。
こうして事態は終息しましたが、一連の騒動は長谷川の会社が開発した介護用ワゴン車が欠陥で暴走したものと処理され、長谷川は逮捕されましたが、Z-001号機の暴走は闇に葬られました。
晴子は、仲間と入院している喜十郎のお見舞いに来ましたが、突如轟音が響き渡りました。晴子が窓の外を見ると、そこには鎌倉の大仏や車などと融合したZ-001号機がいました。実は、Z-001号機のコアチップは、海岸から猫が持ってその場から逃げており、その後、Z-001号機は様々な物と融合を繰り返して、病院まで来たのでした。
Z-001号機は喜十郎に「海に行こう」と呼びかけ、喜十郎はニコニコとして手を振りましたが、晴子達は呆然とした後にZ-001号機に向かって手を合わせました。
以上、映画「老人Z」のあらすじと結末でした。
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