蝉しぐれ(せみしぐれ)の紹介:2005年日本映画。藤沢周平の原作を黒土三男監督が15年かけて映画化した作品です。下級武士と父との絆、互いに違う道を歩むことになった幼馴染への儚い想いなどを、藩の権力闘争と合わせて描いています。
監督:黒土三男 出演者:市川染五郎(牧文四郎)、木村佳乃(ふく)、ふかわりょう(小和田逸平)、今田耕司(島崎与之助)、原田美枝子(登世)、緒形拳(牧助左衛門)、小倉久寛(小柳甚兵衛)、根本りつ子(ます)、山下徹大(矢田作之丞)、利重剛(石栗弥左衛門)、矢島健一(相羽惣六)、渡辺えり子(おとら)、原沙知絵(淑江)、麿赤兒(尾形)、田村亮(藤次郎)、三谷昇(権六)、大滝秀治(関口晋助)、大地康雄(青木孫蔵)、緒形幹太(犬飼兵馬)、柄本明(磯貝主計)、加藤武(里村左内)、ほか
映画「蝉しぐれ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「蝉しぐれ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
蝉しぐれの予告編 動画
映画「蝉しぐれ」解説
この解説記事には映画「蝉しぐれ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
蝉しぐれのネタバレあらすじ:起
東北の小藩、海坂藩の下級武士・牧助左衛門(緒形拳)の養子で15歳の佐津川愛美(石田卓也)は、親友たちと共に道場で剣の稽古に励んでいました。文四郎は、隣の家に住む幼馴染・ふく(佐津川愛美)に淡い恋心を抱いており、ふくも文四郎に想いを寄せていました。
そんなある日、助左衛門が藩の権力闘争に巻き込まれ、家老の里村左内(加藤武)に切腹を命じられます。助左衛門は切腹の間際に文四郎と対面し「わしは恥ずべきことをしていない。私ではなく、義のためにしたこと。文四郎はわしを恥じてはならん」と言い残します。
文四郎は蝉しぐれの鳴り響く中、養父の遺体を荷車に乗せて家に帰ります。家禄は減らされ、文四郎は母の登世(原田美枝子)と共に貧しい長屋暮らしを強いられます。
さらに追い打ちをかけるように、ふくは藩主の正室に仕えるため江戸に旅立ってしまったのです。
蝉しぐれのネタバレあらすじ:承
数年後、成長した文四郎(市川染五郎)は名誉を回復され、村回りの職に就いていました。剣の腕も上がり、秘剣村雨を伝授されていました。
ある日、文四郎はかつての親友の与之助(今田耕司)や逸平(ふかわりょう)と再会します。文四郎は二人から、江戸に行った後のふく(木村佳乃)の顛末を聞かされます。ふくは藩主に見初められて側室となっており、藩主との最初の子は流産したというのです。文四郎はふくが旅立つ時に会えなかったのを深く後悔します。
程なくして、文四郎は養父を死に追いやった里村から、ふくが次に生んだ子をさらうよう命じられます。
蝉しぐれのネタバレあらすじ:転
文四郎は即座に罠だと勘づきますが、断ればお家断絶だと脅されます。文四郎はふくとその子を救出しようと考え、与之助や逸平の協力を得て数年ぶりにふくと再会します。
文四郎と逸平は、里村が差し向けた刺客を成敗します。文四郎はふくと子を連れて脱出し、家老の横山家に匿ってもらいます。
文四郎は藩主の子を助けた手柄を評価され、里村の一派は粛清されます。文四郎はようやく亡き養父の無念を晴らすことができたのです。
蝉しぐれの結末
それから約20年後。文四郎はふくから手紙を受け取ります。ふくは藩主の死を機に出家することを決意、その前に一度会いたいと綴られていました。
文四郎はふくと再会を果たします。ふくは「文四郎様のお子が私の子で、私の子が文四郎様のお子である道はなかったのでしょうか」と問い、文四郎はそれができなかったのは私の生涯の悔いだと応えます。二人は初めて互いの気持ちを確認します。
そして二人は、別々の道を歩むのでした。
以上、映画「蝉しぐれ」のあらすじと結末でした。
「蝉しぐれ」感想・レビュー
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お義父さんの亡骸を、一人背負う文四郎に
ふくが手を貸すのが、じんときた。
お互い好きだったのに最後は結ばれる事も無く其々の道を歩く事になる。
見ている側つらい。