千夜一夜物語の紹介:1969年日本映画。貧しい商人の男がたどる数奇な運命の物語「千夜一夜物語」を題材に、手塚治虫が挑んだ世界初の大人のためのアニメーション”アニメラマ”のシリーズ第1弾。アニメと実写の合成など斬新な手法で描かれ、豪華俳優陣が吹き替えを担当している。
監督:山本 暎一 脚本:手塚治虫、深沢一夫、熊井宏之 声優:青島幸男(アルディン)、芥川比呂志(バドリー)、岸田今日子(ミリアム、ジャリス)、小池朝雄(カマーキム)、加藤治子(ジニー)、ほか
映画「千夜一夜物語」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「千夜一夜物語」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「千夜一夜物語」解説
この解説記事には映画「千夜一夜物語」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
千夜一夜物語のネタバレあらすじ:起
バグダッドで水売りをしている貧しい商人アルディンは、ある日、奴隷市場で美しい女奴隷ミリアムに一目で惹かれる。彼女は警視総監のドラ息子に高値で競り落とされるが、アルディンは砂塵が吹き荒れた隙にミリアムをさらい、富豪シャリーマンの屋敷に逃げ込む。
しかし、2人の居場所を突き止めた警察隊長バドリーは、盗賊一味を使ってシャリーマンを殺害、アルディンはその犯人として捕らえられ、自白を引き出すための拷問にかけられる。
一方、ドラ息子は取り戻したものの、意のままにならないミリアムに業を煮やし、無理強いしようともみ合いの末バルコニーから転落、それを見ていたバドリ―は事故だと証言する交換条件としてミリアムを我がものにする。
その時、アルディンの子を身ごもっていたミリアムは、バドリ―の屋敷で女の子を産み落とすとそのまま息を引き取る。
千夜一夜物語のネタバレあらすじ:承
看守の手引きで牢から抜け出しミリアムを探し続けたアルディンは、ようやくバドリーの屋敷にたどり着くが、既に死んだことだけを知らされる。
悲嘆に暮れ、山道を歩いていた彼はバドリーが洞窟から出てきたのを見かけ、好奇心に駆られて中に入る。そこは盗賊のアジトで、お宝を持ち出そうとしたアルディンは盗賊の頭の娘マーディアに見つかるが、悪びれもせずお宝を手に入れたいという彼に興味を持ち、空飛ぶ木馬を持ち出して2人で旅に出る。
たどり着いたところは、女ばかりの島で、アルディンは喜んで留まるというがマーディアは島の女王に追い返されてしまう。そこでアルディンは女たちに囲まれ快楽に溺れる日々を送るが、ある日、女王が蛇に姿を変えるのを目撃、慌てて海へと逃げ込む。
そこで商船に救われたものの船は大怪鳥ロプロプに襲われて難破、たどり着いた島にいた人食い巨人に船員らは食われてしまう。アルディンは命からがら逃げ出すと、海の中から願いを叶える魔法の船が現れ、彼はその船で広い海へと航海に出る。
千夜一夜物語のネタバレあらすじ:転
時が立ち、ミリアムの子ジャリスはバドリーの娘として育てられていた。魔人のいたずらで羊飼いの青年アスラーンと恋仲になっていた彼女は、屋敷を抜け出して彼の元へ向かうが、追手に捕らえられたアスラーンは奴隷として拘束される。
その頃、富豪の船乗りシンドバッドがバグダッドに向かっていた。マーディアに会ったシンドバッドは自分がアルディンであることを明かすが、盗賊らにシンドバッドを襲わせてそれを警察隊が一掃して助けることで彼に取り入ろうというバドリーの画策によって盗賊らは殺され、マーディアだけが逃げ延びる。
バグダッドに着いたシンドバッドは財力で王を追い払うと自分が王の座につく。大臣となったバドリーもやがてシンドバッドの正体に気づくが、いずれ失脚させようとその機会をうかがっていた。
王となったシンドバッドはその権力を誇示するため、太陽に届くほどの塔の建設や無用な戦争を命じ、やがて民衆の反発が高まって行く。
そんな中、シンドバッドはミリアムにそっくりな娘ジャリスを目にし、第一夫人に指名する。拒否するジャリスだったが、バドリーの策略で脱走の罪によりアスラーンが処刑されたと聞かされた彼女は泣く泣く王の元へ行く決心をする。
千夜一夜物語の結末
そして初夜の晩、2人の前に魔人に助けられたアスラーンが現れ、ジャリスは彼の元へ走る。愛し合う2人の姿にシンドバッドは何もできずにいた。
そして翌朝、バドリーは民衆を率いて王の前に現れ、彼がアルディンであることを明かし、実の娘との近親相姦の罪を言い立てる。
初めて知った娘の存在に呆然とするシンドバッドだったが、その時、アスラーンとジャリスが現れジャリスが結婚したのは王ではなく自分だと証言する。
怒り狂ったバドリーはアスラーンに剣を振りかざすが、マーディアの放った矢によって倒されると、マーディアもまた絶命寸前にバドリーが放った毒蛇によって命を落とす。
死罪となったシンドバッドの刑執行寸前、建築中の塔が突然崩れてバグダッド全土に被害をもたらす。その隙に逃げ出したシンドバッドはアルディンに戻り、またいずこともなく去って行くのだった。
以上、映画「千夜一夜物語」のあらすじと結末でした。
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