七人の侍の紹介:1954年日本映画。大金が得られるわけでもない、名誉が得られるわけでもない。ただ、腹一杯米が食える。たったそれだけの報酬しか得られなくとも、侍たちは己の正義を信じ、命を懸けて農民を守る決意をした。戦国時代の貧しい農村を舞台に野盗となった野武士に立ち向かうべく農民に雇われた侍たちの闘いを描く。
監督 :黒澤明 出演:志村喬、稲葉義男、宮口精二、千秋実、加東大介、木村功、三船敏郎、ほか
映画「七人の侍」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「七人の侍」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
七人の侍の予告編 動画
映画「七人の侍」解説
この解説記事には映画「七人の侍」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
七人の侍のネタバレあらすじ1
盗賊と化した野武士が、貧しい農村から略奪を繰り返す、戦国時代末期。毎年やってくる野武士の襲撃に疲弊した農民たちは、若い村人・利吉を中心に玉砕覚悟で野武士と戦うことを決める。
しかし、農民である彼らは戦い方を知らない。皆が困り果てる中、村の長老が提案したのは侍を傭う、というものだった。なけなしの米を賃金がわりに持ち、町にやってきた利吉たちだが、なかなか村を守る為に戦ってくれるという奇特な侍は見つからない。
焦りばかりが募る中、農民たちはある騒動に出くわす。そこで出会った侍・勘兵衛は、初めのうちは農民の依頼を断るが、彼らの苦渋を知るうち、農民のために戦う決心をする。
七人の侍のネタバレあらすじ2
勘兵衛の指示で、あと六人の侍を集めることになった一行。最初にやってきたのは一見おちゃらけて見えるが相当なカンのよさと知略を備えた侍・五郎兵衛。次に勘兵衛の古女房で幾多の死線を生き抜いた男、七郎次。腕はそこそこだが明るさが底抜けの平八。己を鍛える為に旅を続けている剣豪、久蔵。
続々と仲間が集まるが、どうしてもあと二人足りない。そこへやってきたのは自分を侍だと言い張る野生児のような男、菊千代と、勘兵衛を慕って弟子入りをねだる若侍、勝四郎だった。野武士が攻めて来る時期は目前に迫っていた。勘兵衛は仕方なくその二人を仲間にし、一行は一路、村へと旅立つ。
七人の侍のネタバレあらすじ3
村に到着した一行。しかし、村人たちは侍を恐れ、また村人たちも、落ち武者狩りをしていた過去が明らかになり、村の防衛は思うように進まなかった。そこで立ち上がった菊千代。彼は農民の生まれで、野武士に村を焼かれた過去を持っていた。
農民の苦しさ、弱さ、正直さを涙ながらに訴えた菊千代の行動に心を動かされた侍たちは、再び心を一つにし、この村を守るという決意を固める。
そんなとき、野武士のアジトを偵察しに行った平八が鉄砲に撃たれ倒れてしまう。しかし、悲しみにくれる侍と農民たちの元に、野武士が駆る馬の足音が迫っていた。いよいよ、決戦の時が来たのだ。
七人の侍の結末
村を要塞化することで野武士の猛攻を防ぐ作戦は、初めは功を奏していたが、一人、また一人と農民が、侍が倒れ、遂に戦いは敵味方入り乱れての大混戦となっていく。
菊千代が相打ちになりながらも野武士のリーダーを打ち取ったことで、戦いは収束するが、生き残った侍は勘兵衛、七郎次、勝四郎の三人だけとなっていた。
村を見晴らす丘の上に建てられた侍たちの墓の下では、農民たちが総出で麦の収穫をしていた。村は守られたのだ。そんな農民たちの姿を見て勘兵衛はボソッとつぶやく。「勝ったのは我々ではない。農民たちだ」
以上、映画「七人の侍」のあらすじと結末でした。
「七人の侍」感想・レビュー
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昔の映画と、思って見たが
感動しました -
有名なのはわかっててもチャンバラ映画と思って遠ざけてましたが謝ります。面白かったです。名作と言われるだけある。納得。
個性強いキャラクターがそれぞれ際立っていてとても良い。格好いいですみんな好き。三船敏郎さんのコミカルな演技もホッコリしました。
「己のことばかり考える奴は己をも滅ぼす奴だ」は沁みます。
農民の弱さとズルさにも考えさせられました。また観たくなる作品です。
黒澤明監督が徹底的にリアリティにこだわっただけあって、刀を何本も取り換えて戦う雨の決戦シーンは凄まじい迫力です。またモノクロならではの陰影の強さが戦国末期の殺伐とした雰囲気を感じさせてくれます。特に三船敏郎の芝居は必見。最後に農民たちの勝利だとするところは、戦国時代の終わりを暗示させ、暗い時代の最後を感じさせます。