幸福の黄色いハンカチ(しあわせのきいろいハンカチ)の紹介:1977年日本映画。恋人に振られて、北海道に傷心旅行に来た花田欽也と、同じく恋人をとられた小川朱美と、刑務所から出たばかりの島勇作の三人が偶然出会い、島勇作の元妻に会いに行くまでの葛藤を描いた人間味たっぷりの映画、幸福の黄色いハンカチです。
監督:山田洋次 出演:高倉健(島勇作),倍賞千恵子(島光枝),桃井かおり(小川朱美),武田鉄矢(花田欽也),渥美清(警察の渡辺係長)ほか
映画「幸福の黄色いハンカチ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「幸福の黄色いハンカチ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「幸福の黄色いハンカチ」解説
この解説記事には映画「幸福の黄色いハンカチ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
幸福の黄色いハンカチのネタバレあらすじ
花田欽也(武田鉄矢)は、恋人に振られてやけになり、仕事も辞めてしまいました。その退職金で真っ赤なマツダのファミリアを購入して北海道に旅行に出ます。網走にやって来た欽也は、駅前で手当たりしだい女の子をナンパします。
幸福の黄色いハンカチのネタバレあらすじ–三人の出合い
画面が変わり、網走刑務所から島勇作(高倉健)が出所して来ます。網走でナンパをしていた欽也は、東京で恋人を奪われて傷心旅行に来た朱美(桃井かおり)と出合います。二人がドライブをして立ち寄った海岸で勇作と出合い、写真を撮ってもらいます。それが縁で、三人は同じ車で行動します。阿寒湖温泉に泊まることになり、欽也と朱美は同じ部屋になります。欽也がキスだけと朱美に迫りますが、朱美が泣いてしまいます。その声を聞いて、隣の部屋から勇作が来て欽也を怒鳴りつけます。
幸福の黄色いハンカチのネタバレあらすじ–車の暴走
車の中では、少し気まずい空気になります。三人が蟹を食べながら話していると、勇作と欽也が同じ福岡の出身で、勇作が炭鉱夫をしていたことを話します。運転中に欽也はお腹が痛くなり、トイレに駆け込みます。トラクターが通れないので、朱美が運転すると車が畑を暴走して干し草の山に突っ込みます。欽也に責められて、朱美は泣いてしまいます。その夜,欽也は勇作から「それでも九州男児か」と朱美に対する態度を注意されます。車の中で、勇作が昔住んでいた夕張に向かっていることを話します。
幸福の黄色いハンカチのネタバレあらすじ–刑務所帰りと知る
帯広で欽也がリンカーン・コンチネンタルを蹴飛ばして、やくざ風の男(たこ八郎)に殴られるが勇作に助けられます。そのまま勇作が運転していると、強盗事件で検問が貼られており職務質問を受けます。勇作は運転免許を持っていないこと、殺人罪で刑務所を出たばかりだと答えました。勇作は警察に連行されて取り調べられます。そこに、勇作の事件を担当した渡辺係長(渥美清)がいました。勇作は、渡辺に庇ってもらい、注意だけで解放されました。勇作は刑務所帰りを知られたことで、一人で電車で行こうとしましたが,欽也と朱美が車に乗るように勧めました。
幸福の黄色いハンカチのネタバレあらすじ–勇作の過去
旅の途中で、勇作は事件を起こした頃の話をします。スーパーで働いていた光枝を好きになり結婚して幸せな生活をしていました。やがて、妊娠したかもしれないと、病院へ検査をしてもらいに行くことになりました。その時に妊娠していたら、物干しに黄色いハンカチを吊るすと約束します。勇作が帰宅すると物干しに黄色いハンカチが吊るしてありました。勇作は家族に恵まれていなかったので、とても喜びました。勇作が気をつけるように言っていたのですが、重い物を持ったせいで流産してしまいます。勇作は光枝が病院で5年前にも流産していたことを知ります。流産のショックと光枝の過去を知ってやけ酒を飲みます。勇作は光枝が流産の経験があったことをなぜ教えなかったと怒ります。光枝も「聞かなかったからだ」と口答えすると勇作は外に出て行ってしまいます。そして、道で肩が当たったとチンピラと喧嘩になり、殴り殺してしまいます。その後警察に捕まり刑務所に入ります。面会に来た光枝に離婚するように話します。勇作がまだお前は若いからやりなおせると言うと、光枝は「勝手な人だ」となじります。そして、離婚届が刑務所に届きます。勇作は、車の中で自分のヤクザな性格を嘆きます。その話を聞いた欽也は涙を流します。
幸福の黄色いハンカチのネタバレあらすじ–夕張に向かう
しばらくして、勇作は夕張に行くと言います。出所してすぐにはがきを出したと話します。「まだ一人暮らしで、俺を待っていてくれたのなら、鯉のぼりの竿に黄色いハンカチを吊るしてほしい、もし何も無かったら黙ってその場を去る」と書いたことを話します。それをを聞いた欽也と朱美は夕張に同行することにしました。
幸福の黄色いハンカチの結末–黄色いハンカチ
夕張に近づいて来ると、勇作が動揺します。「やっぱり、あいつが一人でいるわけはない、誰かと一緒になっている」と弱気になります。引き返そうと強く言います。一度反対方向に向かいますが,待っていたらどうするの?と朱美の説得で家に向かいます。勇作が、家に向かう道順を、外を見ないで説明します。勇作が「自分では、ハンカチを確かめる勇気がない」と告げます。欽也と朱美が車から出て家を探します。家が見つからないので不安になっていると欽也が声をあげます。欽也の指し示す先に10枚の黄色いハンカチが風に揺れています。二人は勇作を車から出して家に向かわせます。光枝と勇作の目が合い、二人は家の中に入ります。それを見届けた欽也と朱美は感激して抱き合いキスをします。幸せの黄色いハンカチが、風にたなびいています。
以上、映画幸福の黄色いハンカチのあらすじと結末でした。
「幸福の黄色いハンカチ」感想・レビュー
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健さんの映画の中で一番最初に見たのがこの「幸福の黄色いハンカチ」です。これを見て一気に健さんのファンになりました。これまで健さんはずっと任侠映画に出演されていましたが、この映画から役柄を180度方向転換されていきました。いったいどうなるかと心配しましたが、全く心配に及ばず。新境地を開拓されていきました。人生の転換期、これにはかなりの勇気が必要だったと思います。大きな賭けをし大成功に終わりました。
映画初心者の武田鉄矢のコミカルな演技がいい味を出していたと思います。ラストの、沢山の黄色いハンカチがハタハタとはためいている倍賞千恵子との再会の場面では、感動しすぎてつい大声で泣いてしまいました。良かったね、良かったね、と。 -
いい映画だけど最後にいらないシーンをつけちゃったね(若い男女が車の中で・・・)
ふうてんの寅シリーズ「男はつらいよ」で有名な山田洋次さんが監督する人情味のあふれる中にも笑いの要素も交えた感動作品です。寡黙でカッコ良い高倉健が網走刑務所帰りの島勇作役で桃井かおりや武田鉄矢たちとと共演します。また、主題の黄色いハンカチを確認する場面では高倉健の今までとは違った一面も見ることもできます。個性のある俳優さんたちが一台の車で旅する場面の中では、1人1人の性格が面白く描かれており、お互いがその個性を尊重して旅する様子は微笑ましささえ感じることができます。最後の黄色いハンカチが高々と風になびいているシーンでは、何ともいえない感動が湧きでて溢れる涙が止まりません。ぜひハンカチを手元に準備して見て頂きたい映画です。