すっぱいブドウの紹介:2016年イギリス映画。アメリカのオークション業界で起きた偽造ワイン事件。その詳細を中心人物のルディに関わった人々や、ワインの醸造家、捜査担当者などのインタビューで多面的に綴る。
監督:ルーベン・アトラス、ジェリー・ロスウェル 出演者:ドン・コーウェル、ローラン・ポンソ、ほか
映画「すっぱいブドウ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「すっぱいブドウ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
すっぱいブドウの予告編 動画
映画「すっぱいブドウ」解説
この解説記事には映画「すっぱいブドウ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
すっぱいブドウのネタバレあらすじ:起・ワインへの投資
90年代のITブームと共に注目を集め出したオークション業界。そこではヴィンテージワインも競売にかけられ、競売会社のジョン・ケイポンの後押しで、大勢で集まり高額なワインを飲む会が流行り出した。
そこへ2000年頃、ルディ・クルニワンと名乗る若者が出入りし始め、やがてオークションへ参加したいと申し出た。彼には知識と優れた観察眼、テイスティングの腕があり、ワインを愛していた。
とある記者が、セレブたちに交じってワインを競り落とす彼に関して調べると、家族は中国でハイネケンの独占販売権を持つ大富豪らしく、裕福な息子の道楽のようだった。
すっぱいブドウのネタバレあらすじ:承・高額なブルゴーニュワイン
フランスのブルゴーニュ、コート・ドールで生産されるワインは畑や生産者ごとに特徴が表れる。流通量は少なく需要に間に合わないため、投資する資産として目を付けられた。
ルディがワインを買い占めた事により、値段は高騰。オークションでは対抗する者がいたため、常に値段は吊り上げられた。しかし、その中には偽造されたワインが紛れ込み、特に市場に出にくい古いワインに目が付けられた。
カタログを見て、存在するはずのないラベルや封に気がつき、偽造ワインはブルゴーニュワインの品位を落とすとして、ワイン醸造家のローラン・ポンソはニューヨークへ飛んだ。
すっぱいブドウのネタバレあらすじ:転・明るみに出た偽造ワイン
2008年のリーマンショック後、オークションの動向は一時期心配されたが、高いワインの消費は止まらなかった。そのオークション会場でポンソは立ち上がり、ケイポンが出品していたワインを取り下げさせ、持ち主だったルディにその出所を尋ねるも、答えははぐらかされた。
その後、元CIAを含む国際チームが作られ、ルディに関して調べ上げると、彼の母方の親戚がインドネシアで国家規模の金融犯罪の当事者で現在国外逃亡中の身で、ルディはアメリカに来る際、身内に犯罪者いることを隠すためにでたらめを言っており、その実情は借金まみれの自転車操業でワインを扱っていたことが分かった。そして、競売会社も進んでルディと取引をしていた。
ポンソの件で一時、ルディのワインから競売会社は離れたが、数年後、老舗の競売会社に彼のワインがのった。その後ラベルのミスからFBIも捜査に乗り出し、ルディが逮捕されると、家には大量のワインの偽造用の物品とワインが発見された。
すっぱいブドウの結末:ワインを騙る
弁護士はルディの行ったことはワインを突き詰めただけ、彼が競売に掛けたワインの内、9割は本物だろうと語った。しかし立件と共に示されたのは、大量の空瓶や古いラベル用の紙やワックスの注文履歴と、ワインをブレンドしてテイスティングした記録のノートだった。
裁判では、ブルゴーニュのために罪を認めて欲しいと言うポンソに対し、ルディは無罪を主張。判決は、マフィアの殺人より重い偽造ワインの販売容疑で懲役10年と返金。この件で立件されたのはルディのみだった。ジョン・ケイポンは、疑わしいワインは信用のために引き取りと返金を行った。
ポンソは、良いワインを作るためにフランスへ帰国した。
以上、映画「すっぱいブドウ」のあらすじと結末でした。
すっぱいブドウのレビュー・考察:味と言う基準
ワインの偽装と言う詐欺について、友人としてルディと関わった人物が、彼のワインの偽装について寛容であるのが印象に残る。「味」という基準は極めて主観的で、曖昧。そしてワインを介して得た時間は何事にも代えられないと言う理由を散見した。しかし偽造だと気づいたポンソは味ではなく、その時代にはありえないラベルやコルク、瓶と言った調べればわかる点を指摘している。ポンソにしてみれば、自分の先代だ先々代が作ったワインがいじられ、でたらめな表示と値段で取引されていた事になる。ブルゴーニュの名誉と信頼のために立ち上がったのは当然だろう。また、ドキュメント作成中にワインの収穫や醸造ためにブルゴーニュへ帰る所は、とても職人気質でワインを作ることに誇りを持っている事を強く感じた。
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