未来を花束にしての紹介:2015年イギリス映画。1912年ロンドン。モード・ワッツは過酷な労働環境の洗濯工場で働きつつ、夫サニーと幼い息子ジョージの3人で慎ましく幸せな暮らしをしていた。ところがある日、女性参政権を訴える活動家の友人に代わり公聴会で話したことをきっかけに「今と違う人生があるのでは?」と疑問を持つようになる。モードはWSPU(女性社会政治同盟)のリーダーであるエメリン・パンクハーストの演説や友人などから感化され、次第にデモに参加するようになる。現代から想像も付かない時代に、女性の人権を勝ち取る戦いをしてきた女性たち。エメリン・パンクハーストや、エメリー・ワイルディング・ディヴィソンなど実在した人々の物語と隠された史実の物語。
監督:サラ・ガヴロン 出演:キャリー・マリガン(モード・ワッツ)、ヘレナ・ボナム=カーター(イーディス・エリン)、ベン・ウィショー(モードの夫 / サニー・ワッツ)、ブレンダン・グリーソン(アーサー・スティード警部)、アンナ=マリー・ダフ(ヴァイオレット・ミラー)、メリル・ストリープ(エメリン・パンクハースト)、ナタリー・プレス(エメリー・ワイルディング・ディヴィソン)ほか
映画「未来を花束にして」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「未来を花束にして」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
未来を花束にしての予告編 動画
映画「未来を花束にして」解説
この解説記事には映画「未来を花束にして」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
未来を花束にして のネタバレあらすじ:起
1912年、ロンドン。当時のイギリスでは女性による参政権を認めておらず、女性たちは仕事や人生を選べずに肩身の狭い生き方を強いられていました。モード・ワッツもその1人。洗濯工場で長時間の重労働に低賃金という過酷な環境で歯をくいしばる毎日を送っていました。彼女の唯一の癒しと希望は、愛する夫サニーと幼い息子ジョージ。彼らのお陰でどうにか生きれる日々でした。そんなある日、モードは女性社会政治同盟(通称WSPU)の反発デモに遭遇し、サフラジェットと呼ばれる女性参政権を求める過激な活動を展開しているイーディスと知り合います。
未来を花束にして のネタバレあらすじ:承
はじめはあまり乗り気ではなかったモードでしたが、イーディスたちの演説や同僚のバイオレットの影響により次第にWSPUに興味を持ち始めるようになります。ある日、ふとしたきっかけでモードは公聴会で話す機会を得ます。4歳で唯一の肉親の母親を失くし、7歳から工場へパートに出て、12際で正社員になり現在24歳。彼女が静かに語る過去は壮絶なものでした。同情を示す議長に、女性参政権に賛成か否やを問われると、今の生活から逃れることはできない運命にどっぷり浸かっていた彼女は「想像もできない」と答えましたが、続けて「自分には他の生き方もあるのではないか」と強く意志のこもった思いを告げたのです。この日を堺に、モードは仲間と活動に参加するようになります。警察からも目を付けられている状況に、それまで容認していた夫のサニーの態度も変わっていきます。ある日のデモ、モードはついに逮捕されてしまいました。この事態にサニーは怒りに任せ妻を家から追い出してしまいます。当時のイギリスは離婚後の親権を女性に譲ることはしません。愛する息子と会うことも禁じられたモードは深い悲しみと怒りに満ち溢れます。その頃、警察では市民監視システムによりモードを危険分子と見なし、マークしていました。特にスティード警部はモードに執着しはじめます。
未来を花束にして のネタバレあらすじ:転
憔悴していくモードでしたが、WSPUのリーダーであるパンクハーストの演説により勇気と希望を見出します。モードは今するべきことを明確に誓ったかのようにこれまで以上に活動に力を入れます。警察からの尋問では人権など存在しないかのようなひどい拷問でしたが、彼女は決して仲間を売らず信念を曲げません。ところがその矢先、彼女の強い意志も揺らいでしまうかのような不幸が訪れます。モードの活動による世間のバッシングと育児に疲れた夫のサニーが、息子のジョージを養子に出してしまったのです。「あなたの母親の名前はモード・ワッツ。絶対に忘れないで」とジョージを強く抱きしめ、涙ながらに別れを告げます。
未来を花束にして の結末
もう守るものが何も無くなったモードは仲間たちと、大々的に女性参政権を訴える作戦を計画します。向かったのはイギリス国王も観戦する競馬のダービー会場。中継されているカメラに向かって女性参政権を訴える計画でした。手がかりを掴んだスティード警部もモードたちを追って競馬場へ向かいます。モードは仲間のエイミーと会場へ侵入することに成功したものの、なかなか国王に近づくことはできません。レースは始まりました。半ば諦め掛けていた2人でしたが、エイミーは競走馬が近づいてきたときに歩きはじめます。レース中の駆ける馬へ身を投げ出したのです。無残にもエイミーは馬に跳ねられ死んでしまいました。これが大きなきっかけになり、1人の女性の犠牲と多くの女性の訴えは大きくイギリスを動かします。1918年。ついにイギリスははじめて女性参政権を認めました。その後、続々と他国でも女性参政権が認められ、イギリスは女性の社会的立場を認めたパイオニアの国となったのでした。
以上、未来を花束にしてのあらすじと結末でした。
男女不平等の社会を変えようと行動する女性たち。過激にならざるを得ず、逮捕されたり世間から冷ややかな目で見られたり家庭が崩壊しても信念を持って闘う女性が強く描かれていた。
映像の世紀で馬の前に飛び出す映像は見たことがあったけど、その背後の話を知って衝撃を受けた。
世間の「当たり前」を変えるのは大変なことだし、暴力にも屈さず闘い続けるのは苦難の道だけど参政権を得られて良かった。
選挙にはちゃんと行かなくちゃなと思った。