スワンソングの紹介:2021年アメリカ映画。ミスター・パットことパトリック・ピッツェンバーガーは、かっては町の有名なヘアメイクドレッサーとして活躍し、現在は引退して老人ホームで孤独な日々を過ごしています。そんな彼に、昔の客の死の知らせと死化粧の依頼が来ます。パットは悩みながらもその依頼を引き受け、老人ホームを抜け出します。『スワンソング』は、高齢者の再起を描いた映画で、お年寄りに勇気を与えてくれるストーリーです。
監督:トッド・スティーブンス 出演:ウド・キアー(パット)、ジェニファー・クーリッジ(ディーディー)、リンダ・エヴァンス(リタ)、マイケル・ユーリー(ジャスティン)、ほか
映画「スワンソング」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「スワンソング」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「スワンソング」解説
この解説記事には映画「スワンソング」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
スワンソングのネタバレあらすじ:起
同性愛者のパット(ウド・キアー)は、オハイオ州サンダスキーの小さな老人ホームで暮らしています。彼は老人たちの会話に馴染めず、食堂でナプキンを取り出し部屋で折りたたみ始めます。彼はかつて有名なヘアメイクドレッサーで、過去の栄光の夢を見ます。
パットはただ音楽を聞くだけの毎日。そんな彼のもとに弁護士が訪れます。弁護士が来た理由は、リタ(リンダ・エヴァンス)というパットの昔の友人であり顧客が亡くなった、彼女の遺言で葬式のためのヘアメイクと死化粧をしてほしい、報酬は2万5千ドルという依頼でした。しかしパットは「自分は引退した。もうしばらく仕事していない」とやる気を見せません。
パットは新聞でリタの死亡告知をみて、昔の衣装や写真を取り出します。彼はタバコを吸うとむせてしまい、施設の職員から怒られます。パットは施設の女性の髪を整え、昔を懐かしみます。しかし、部屋に戻るとナプキンを散らかして泣き出します。
パットは施設を抜け出し、昔の同性愛パートナーのデビッドの墓と、リタの葬儀場の町まで歩き始めます。途中で若者に道を聞きますが、倒れてしまいます。彼はスーパーでタバコを買い、かっての女性アシスタントであるディーディー(ジェニファー・クーリッジ)がサロンを開いていることを知ります。
彼はヒッチハイクを始めます。ある女性がパットを車に乗せ、彼は昔の思い出話をはじめます。それは、昔は地元で有名なヘアメイクドレッサーであったこと、デビッドという同性愛パートナーがいたが彼は先立ったこと、リタという金持ちの顧客がいたこと、などでした。
スワンソングのネタバレあらすじ:承
パットはデビッドの墓に着き、ひざまずいて泣き始めます。彼は弁護士から依頼された仕事を引き受けることにし、昔のヘアサロンに行きます。ところが、サロンは見知らぬ人間が経営しています。彼はディーディーについて聞きますが、彼女は他の場所でサロンをオープンしたとのこと。
彼は昔の家に寄りますが、そこは更地でした。近所の人は昔の帽子がのこっていたと、それを持ってきます。彼はリタの弁護士に会うことにします。
弁護士の事務所にやってくると、弁護士は忙しい様子。パットは仕事を引き受けるからと、約束の2万5千ドルを要求します。弁護士は6ヶ月後の後払いだと言いますが、パットは化粧用具が必要だから前金が必要だと言います。弁護士は20ドルを渡し、今日の午後7時までに来るように言います。
パットは20ドルを食事に使ってしまいます。彼は必要な道具を手に入れますが、クリームだけは手に入りません。
彼はディーディーのサロンに着きます。ディーディーは突然のパットの訪問に驚きます。パットはクリームが必要であることを話します。彼は弁護士の名刺を見せますが、彼女は249ドルを要求します。持ち金のないパットは粘り、彼女は根負けして無料でクリームを渡します。
スワンソングのネタバレあらすじ:転
パットは昔のような派手な衣装がほしいと、ブティックへ向かいます。女性店員は不信に思いますが、彼の顔を見ると話しかけます。店員はパットの昔の客でした。彼女は似合う客にとっておいたという衣装を渡します。そしてパットはリタの葬儀場へ向かいます。
パットはリタの孫ダスティン(マイケル・ユーリー)に会います。ダスティンはパットを歓迎します。パットは、ダスティンが生まれた時をおぼえていると喜びます。パットはリタの昔の写真と遺体を見て逃げ出します。ダスティンはパットを探しますが、見当たりません。
パットはかつて行きつけだったゲイバーに行きます。彼は昔と変わっていることに驚きます。パットは、ここでは人気者であったという思い出話しをバーテンダーにしますが、誰も彼を覚えていません。バーテンダーは、ゲイバーは閉店し新しいバーが建てられる、お別れパーティーが開かれることを話します。パットはかなりの金額のチップをおいて帰ります。
パットはリタの自宅へ戻ると、ジャスティンは葬儀の準備をしています。パットはなぜか気が引け、再び逃げ出してタクシーでどこかへ向かいます。彼は派手な帽子とカバンを投げ捨て、酒を買います。
パットは公園で酒を飲んでいると、昔のゲイ仲間ユーリスと出くわします。二人は抱き合い、公園のベンチで昔話に花を咲かせます。しかし、昔の家が壊されていた話をすると悲しみます。パットは夢から覚めます。彼はユーリスとの会話は夢で、彼はすでに死んでいたことを思い出します。
スワンソングの結末
パットはゲイバーの閉店お別れパーティーに向かいます。彼は女装した男性の髪を整え始めます。女装した男性はステージに上り喝采を浴びます。パットもステージに行き歓声を浴びますが、倒れてしまいます。
彼は病院で目を覚まし、医師の制止を振り切って葬儀場に向かいます。するとパットはディーディーに会います。彼女はパットに代わり、すでにリタの死化粧を依頼されていました。ディーディーはくしを渡し、パットに死化粧をするよう言います。
パットはリタの遺体を見て気が引けディーディーを呼びますが、リタの幻影を見ます。リタの幻影はパットに死化粧を頼みますが、パットはディーディーのほうが良い仕事をすると断ります。パットはリタがデビッドの葬式に来なかったことを言うと、リタは謝罪します。
パットはリタのヘアメイクと死化粧を始めます。終了後、パットはリタの遺体に別れを告げます。ダスティンは祖母に施された化粧を見て驚きます。彼はパットと再会します。ダスティンは、同性愛であることを祖母に告白したと言います。祖母は「自分の友人(パット)も同性愛者、気にしないで」と言ってくれたエピソードを話します。
遺族はリタの遺体に別れを告げ、死化粧の美しさに感動するのでした。
以上、映画「スワンソング」のあらすじと結末でした。
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