探偵物語の紹介:1983年日本映画。1週間後に大学を休学して、アメリカに旅立つ予定のお嬢様女子大生が、思い立ったら即行動してまう性格から、ボディガードの探偵と一緒に、やっかいな殺人事件に巻き込まれていく。薬師丸ひろ子と松田優作の「年の差」&「身長差」カップルが話題になった。
監督:根岸吉太郎 出演者:薬師丸ひろ子(新井直美)、松田優作(辻山秀一)、岸田今日子(長谷沼君江)、北詰友樹(永井裕)、秋川リサ(直木幸子)、蟹江敬三(高峰刑事)、財津一郎(岡野)、ほか
映画「探偵物語」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「探偵物語」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
探偵物語の予告編 動画
映画「探偵物語」解説
この解説記事には映画「探偵物語」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
探偵物語のネタバレあらすじ:起
1週間後に大学を休学し父の暮すアメリカに旅立つ予定のお嬢様女子大生、新井直美(薬師丸ひろ子)は、思い立ったら即行動してまう性格からトラブルに巻き込まれることも少なくない。
ある日、直美は好意を寄せる大学の先輩、永井裕(北詰友樹)に誘われ海へ行く。おそろいのペンダントを買い、夜になって海辺のホテルに入ったところで、突如叔父と名乗る男が入ってきて永井を追い返してしまう。見知らぬ男の暴挙に直美は警察に通報するが、取り調べの結果、男は直美のボディーガードを依頼された私立探偵、辻山秀一(松田優作)だということが分かる。
自らの家政婦である長谷沼が依頼したということを察した直美は、その後も自分の尾行を続ける辻山に苛立つが、誤解を解くため永井に連絡を取ろうとするのを手助けする一風変わった探偵ぶりに興味を持ち、逆に彼を尾行する。向かった先はヤクザの国崎組が経営するクラブで、辻山の元妻がクラブ歌手として働いていた。
つけてきたことを辻山に説教される直美だったが、そこに大学で永井と一緒にいるのを見かけた正子が接客に現れ、永井が持っているはずのペンダントを着けているのを目にする。そして正子から、自分は永井と暮らしている、早くアメリカへ行けと詰られた直美は、やけ酒を煽る。
探偵物語のネタバレあらすじ:承
翌日、直美はTVのニュースで岡崎組組長の息子、国崎和也がホテルのバスルームで殺害され、彼の愛人で辻山の元妻、直木幸子に殺害容疑がかけられ全国に指名手配されていると聞くと、慌てて辻山のアパートを訪れる。
そこで幸子が警察と国崎組の双方に追われて辻山のもとに逃げ込んでいるのを知ると、2人を自宅にかくまい、長谷沼や辻山の反対を押し切って、自分たちの手で真犯人を見つけると言い張る。
辻山が調査のためにこっそり家を出たのを見た直美は、自らも調べを進めようと和也の葬儀に参列する。そこで未亡人となった和也の妻、三千代と和也の右腕だった岡野が葬儀を抜け出すのを見て尾行、隠れて様子をうかがっていた辻山と合流して2人の情事の様子を盗聴することに成功するが、それに気づいた岡野は長谷沼を拉致して幸子との交換を要求する。
辻山は幸子と長谷沼双方を救うために岡野を失脚させようと、組長に三千代と岡野の関係を暴露しようと、情事のテープを持って岡崎組を訪ねることを決意する。
その夜、辻山は情にほだされて幸子と体を重ねるが、辻山に惹かれ始めていた直美はそれを知ってショックを受け、家を抜け出して夜の街へ出ると、ナンパしてきた男に誘われるままホテルに入る。
探偵物語のネタバレあらすじ:転
部屋に入ったもののおじけづいた直美はバスルームに逃げ込むと、天上にあった通気口から脱出。帰宅すると長谷沼が戻っていた。自ら国崎組に身を差し出した幸子を追って辻山がテープを持って出ていったと聞いた直美は、彼が違うテープを持って行ったことに気づき、慌てて国崎組に向かう。
拷問を受けている辻山と幸子を前に、直美は組長に岡野と三千代の情事が録音されたテープを組長に聞かせるが、岡野は不倫は認め指を詰めたものの殺害は否定、鍵のかかった部屋の中で実行できたのは、そこにいた幸子だけだと主張する。
それを聞いた直美はホテルの通気口を思い出し、殺害現場に組長らを連れていき、他の部屋からも入れることを証明するため組長の前で通気口を通って見せる。通気口のからくりを知った組長は、和也殺しを岡野の犯行と見て2人を解放するが、指名手配された幸子を見たホテルの通報によって待ち構えていた警察によって逮捕、辻山も犯人隠匿の罪で連行されてしまう。
必死の訴えにも関わらず、連行された2人を見送った直美の手には、通気口内で拾ったペンダントがあった。それは海で買った永井とおそろいのペンダントだった。
探偵物語の結末
永井と共に正子に会った直美は、ホテルの通気口内でペンダントを拾ったことを告げる。すると彼女は永井に貢ぐため和也のクラブで売春していたが、永井の子を妊娠したために売春を辞めたいと和也に懇願するが聞き入れられず、続けなければ親にバラすと脅されていたことを打ち明ける。
そしてあの晩、いつも情事に使うのがあのホテルの部屋だということを知っていた彼女は、客と隣の部屋を取り、通気口から侵入して和也を殺害したのだった。正子は永井に付き添われて自首し、辻山と幸子は釈放される。
渡米を翌日に控えた直美は、辻山への想いにかられ彼のアパートを訪れる。そこで辻山から通気口のからくりを知った理由を聞かれた彼女は、行きずりの男とホテルに行ったことを話す。非難する辻山に対し、好きな人が他の人と寝たからだと彼への想いを口にしようとするが、子供扱いする辻山に遮られてしまう。
帰るように言われた直美は、投げつけるように辻山への想いを告げ、ホテルでは何もなかったと言い捨てて部屋を後にする。
そして渡米の日、空港で搭乗口に向かっていた直美は、辻山の姿をみつけて思わず駆け寄る。無言で彼女の手を握っていた辻山は、ふいに彼女を引き寄せると2人は熱いキスを交わし、きつく抱きしめあう。
やがて辻山は名残惜しそうに直美の腕をほどき、彼女から離れると、直美は辻山に軽く手を振ってアメリカへと旅立つのだった。
以上、映画「探偵物語」のあらすじと結末でした。
「探偵物語」感想・レビュー
-
原作・赤川次郎に、脚本・鎌田敏夫が絶妙に調和しています。
赤川次郎原作らしい、ポップで単純なストーリーなんですが、薬師丸ひろ子のフレッシュな魅力と、松田優作のトボけた演技がうまく作用していて何の違和感もない。なんか、いい時代だったんだなあと思いますね。荒唐無稽なんだけど、わざとらしさや嘘っぽさがないのは何でなんでしょう。松田優作は、それまでのハードボイルドなイメージとは正反対の、ぼーっとした中年男役が見事にハマっていて、本当にすごい役者さんだったなあとしみじみ思います。