ムッソリーニとお茶をの紹介:1998年イタリア,アメリカ映画。ムッソリーニ政権時代のイタリアを舞台に、イタリア人の孤独な少年と、英国コミュニティーの貴婦人達の交流を描いたヒューマンドラマ。シェール、ジュディ・デンチ、マギー・スミスら実力派女優の名演が光ります。フランコ・ゼフィレッリ監督の半自伝的作品と言われている作品です。
監督:フランコ・ゼフィレッリ 出演者:シェール(エルサ)、ジョーン・プロウライト(メアリー)、 リリー・トムリン(ジョージー)、 ジュディ・デンチ(アラベラ)、 マギー・スミス(ヘスター)、チャーリー・ルーカス(少年期のルカ)、ベアード・ウォーレス(青年期のルカ)、クラウディオ・スパダロ(ベニート・ムッソリーニ)、ほか
映画「ムッソリーニとお茶を」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ムッソリーニとお茶を」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ムッソリーニとお茶をの予告編 動画
映画「ムッソリーニとお茶を」解説
この解説記事には映画「ムッソリーニとお茶を」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ムッソリーニとお茶をのネタバレあらすじ:起
1935年イタリア・フィレンツェ。服飾店パウロの秘書を務める英国人のメアリーは、彼の婚外子であるルカの将来を案じていました。メアリーは母を病で亡くし、引き取り手のない孤独なこの少年を放っておくことができず、自らの手で養育することを決意します。
ルカを立派な英国紳士に育てたいと願うメアリーは、所属する英語圏コミュニティーにルカを連れて行きます。コミュニティーには辛辣な意見を持つことで知られるサソリ族と呼ばれる貴婦人グループがありました。元駐イタリア英国大使夫人のへスターを中心にイタリア美術への造詣が深いアラベラや考古学者のジョージーなど。ルカは彼女達とも交流を重ね、少しずつコミュニティーでの暮らしにも慣れてきます。
ある日、ジョージーと親交のある富豪のアメリカ人エルサがコミュニティーを訪ねてきます。ルカの亡き母クララと親交があったエルサは、ルカとの久しぶりの再会を喜び、彼の将来のために支援したいとメアリーに申し出ます。そんなある日、ファシストがコミュニティーを襲撃するという事件が起きます。ムッソリーニの独裁政権が台頭してきた時代で、コミュニティーにも戦争の足音が近づいてきていました。
ムッソリーニとお茶をのネタバレあらすじ:承
へスターは抗議のため、ムッソリーニのもとを訪ねます。ムッソリーニはへスターに敬意を払い、コミュニティーに危害を与えることはしないと固く約束しました。しかし英国人を迫害しようとする動きはさらに高まっていきます。メアリーは秘書の仕事をクビになり、ルカはドイツ語を学ぶためオーストリアに留学することになりました。
時は流れ1940年、イタリアへと戻ってきたルカはメアリーの行方を捜していますが、一向に手掛かりがつかめません。コミュニティーでは危険を恐れて帰国する英国人が後を絶ちませんでした。しかしそんな中でもへスターらサソリ族の貴婦人達はムッソリーニとの約束を信じており、フィレンツェを離れることを拒み続けます。
しかし1940年6月、ついにムッソリーニは英国とフランスに宣戦布告しました。サソリ族は勾留され、トスカーナの田舎町サンジミニャーノへと隔離されることになりました。ルカはメアリーとようやく再会を遂げますが、メアリーはサンジミニャーノへと送られようとしているところでした。
ムッソリーニとお茶をのネタバレあらすじ:転
サンジミニャーノは中世に建てられた塔が立ち並び、歴史的な絵画が多く残されている美しい町でしたが、サソリ族が送られた施設の環境は大変に劣悪なものでした。これを心配したエルサは大金を投じて婦人達を清潔なホテルへと移動させることに尽力します。戦況が悪化していく中でもサソリ族は芸術を愛する心を失わず、アラベラを中心にフレスコ画の修復に力を注ぎます。
エルサはユダヤ人を国外へと逃亡させる活動にも熱心で、ルカもこの仕事を手伝うようになりました。ルカはエルサに淡い恋心を抱いていましたが、彼女にはイタリア人弁護士のヴィットリオという恋人がいました。
1941年7月になると、アメリカも大戦に参戦することとなり、アメリカ人のエルサとジョージーも施設へ送られることになりました。ヴィットリオはスイスへ避難するようエルサへパスポートを渡します。しかしこれは罠でした。ヴィットリオはユダヤ人狩りに加担している男で、エルサの財産を強奪し、彼女を抹殺しようと考えていました。
メアリーはサソリ族の貴婦人達に、エルサをヴィットリオの手から守るため協力を要請します。エルサを嫌悪していたへスターでしたが、彼女がサソリ族の救済に尽力していたことを知り、すすんでエルサの説得を買って出ました。
ムッソリーニとお茶をの結末
ヴィットリオの裏の顔を知ったエルサは亡命を決意、ルカらの手を借りて無事に国外へと脱出しました。
1944年7月。ドイツ軍がサンジミニャーノの塔を爆破しようとする事件が起きます。サソリ族は危険を顧みずに塔の前に立ちはだかり、ドイツ軍から塔を守り抜きました。やがてドイツ軍が撤退を始め、連合国のスコットランド軍が町へやってきます。
スコットランド軍の少尉はサソリ族に直ちにローマへ避難するよう指示しますが、へスターは「誰に命令しているの、私は元英国大使の妻ですよ」と少尉を一蹴してみせました。貴婦人達はサソリ族としての誇りを失うことなく戦禍を生き抜きました。
以上、映画「ムッソリーニとお茶を」のあらすじと結末でした。
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