モーガン夫人の秘密の紹介:2019年ドイツ,イギリス,アメリカ映画。リディアン・ブルックが2013年に発表した小説『The Aftermath』を自ら脚本を手掛けて映画化したラブストーリーです。第二次世界大戦終戦後を舞台に、戦争で愛する者を失ったイギリス軍人の夫人とかつての敵国だったドイツ人の男が立場の違いを超えて惹かれ合う様を描きます。
監督:ジェームズ・ケント 出演者:キーラ・ナイトレイ(レイチェル・モーガン)、アレクサンダー・スカルスガルド(ステファン・ルバート)、ジェイソン・クラーク(ルイス・モーガン)、フィオン・オシェイ(バーカー市長)、ケイト・フィリップス(スーザン・バーナム)、マーティン・コムストン(キース・バーナム)、アレクサンダー・シェーア(ジークフリード・ライトマン)、フローラ・ティーマン(フレーダ・ルパート)、ヤニク・シューマン(アルベルト)ほか
映画「モーガン夫人の秘密」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「モーガン夫人の秘密」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
モーガン夫人の秘密の予告編 動画
映画「モーガン夫人の秘密」解説
この解説記事には映画「モーガン夫人の秘密」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
モーガン夫人の秘密のネタバレあらすじ:起
1945年。第二次世界大戦は連合国の勝利に終わりました。終戦間もない1946年の冬、イギリス人女性のレイチェル・モーガン(キーラ・ナイトレイ)はドイツのハンブルクに勤務する夫のルイス(ジェイソン・クラーク)に会うために現地へ向かいました。イギリス軍の大佐であるルイスは今や連合国の占領下となったハンブルクの復興の任と、占領に反対するゲリラへの対処の任務に追われていました。
レイチェルとルイスは駅で再会を喜び合いましたが、二人はドイツ軍が仕掛けたロンドン大空襲で息子を失っており、このことは未だに夫婦関係に影を落としていました。レイチェルはルイスが暮らす、連合国軍が徴発した現地のドイツ人屋敷に入り、もう一度夫婦関係を修復しようと考えていました。
この屋敷の本来の持ち主はドイツ人建築家のステファン・ルバート(アレクサンダー・スカルスガルド)であり、ステファンは娘のフレーダ(フローラ・ティーマン)と共に難民キャンプへ移る予定でしたが、難民キャンプは劣悪な環境であり、ステファンもまた妻をハンブルク空襲で亡くしていたことから、ルイスの計らいでステファン親子は特別に屋根裏部屋に住む事を許されているのです。
ステファンの使用人たちも引き続き雇用することになりましたが、レイチェルは息子を殺したドイツの人々との共同生活に難色を示しました。レイチェルはルイスに従って渋々この屋敷に住むことになりましたが、ルイスは仕事を理由に家を空けることが多いのでした。レイチェルはルイスのいない孤独な時間を過ごし、夫婦の間の溝は広がるばかりでした。
モーガン夫人の秘密のネタバレあらすじ:承
そんなある日、レイチェルは友人のスーザン・バーナム(ケイト・フィリップス)とお茶をして帰宅すると、フレーダがレイチェルとルイスの居場所にあるピアノを弾いていました。ステファンはフレーダを叱りますが、レイチェルはその際にステファンもまた自分と同じく家族を失っていたことに気付きました。
ある時、レイチェルはルイスと共に、ルイスの同僚でスーザンの夫であるキース(マーティン・コムストン)の元に出向きました。そこでレイチェルは、占領下で不自由な暮らしを強いられるドイツ人も、自分がナチスでないことを示す証明書さえあれば元の生活に戻れることを知りました。しかし、ステファンはかつて命じられるがままにナチス幹部の家を設計した過去があり、そのせいで未だに証明書が発行されないままでした。
その頃、フレーダは学校には行かず、復興作業の手伝いをするようになりました。フレーダはそこで、ヒトラーを崇拝するゲリラの青年アルベルト(ヤニク・シューマン)と出会いました。フレーダはこっそりとルイスの煙草入れを盗んでアルベルトに渡しました。
そんなある日、キースとスーザン夫妻ら友人たちがレイチェルたちの元に遊びに来ることになりました。ところが、ちょうどその時に大規模なデモが勃発、ルイスは鎮圧のため司令本部に呼び出されていきました。レイチェルは仕方なく一人で客人たちをもてなしました。
その後、デモに巻き込まれて怪我をしたステファンが帰宅してきましたが、ステファンはキースが亡き妻の形見であるピアノを雑に扱ったことに不快感を示しました。客人たちが帰った後、レイチェルはステファンの傷の手当をし、二人は心の傷を癒し合うかのように急速に惹かれ合い、そのまま抱き合ってしまいました。そこにルイスが帰宅してきたため、レイチェルとステファンは何事もなかったかのように振る舞いました。
モーガン夫人の秘密のネタバレあらすじ:転
それからしばらくして、今度はソ連領で爆発事件が発生しました。ルイスは現地視察の任務によりしばらく家を空けることになり、行かないでほしいというレイチェルを振り切って出発していきました。
その夜、レイチェルは久しぶりにピアノを弾き、フレーダも少しだけレイチェルに心を開いて一緒にピアノを弾きました。レイチェルは亡き息子を思い出して涙を流し、ステファンは彼女を優しく受け止めました。そしてあくる日、レイチェルとステファンはフレーダが外出している間に屋根裏部屋で身体を重ね合いました。
その頃、フレーダはアルベルトに会いに行っていました。アルベルトはフレーダに、ルイスとレイチェル夫妻について質問してきました。同じ頃、ルイスは爆発事件の容疑者で元ナチス親衛隊のジークフリード・ライトマン(アレクサンダー・シェーア)からゲリラの構成メンバーの名前を聞き出していました。
一方のレイチェルはステファンと密かに逢瀬を重ねていました。ステファンはレイチェルに、スイスに購入してある土地に家を建てて一緒に住まないかと持ちかけてきました。しかし、ステファンがドイツ国外に出るためには非ナチス証明書が必要であり、レイチェルは悩んだ末にスーザンに働きかけ、ステファンが無事証明書を取得できるよう尽力して欲しいと頼みました。
翌日、ルイスが帰宅してきました。ルイスの口から告げられたのは、何と本国ロンドンの陸軍省への異動が決まったということでした。レイチェルとステファンは驚愕しました。
時を同じくしてフレーダはゲリラのアジトへ行きましたが、そこにはアルベルトの姿はなく、以前フレーダが彼にあげた煙草入れの中に入っていたルイスの写真が燃やされていました。フレーダは煙草入れを回収して帰路に就きました。
モーガン夫人の秘密の結末
レイチェルはルイスと共にイギリス陸軍主催のパーティーに出席しました。その席上、ルイスはキースからレイチェルがステファンの証明書発行を働きかけていたことを知らされ、レイチェルとステファンのただならぬ関係を疑いました。ルイスから問い質されたレイチェルは遂にステファンとの関係を認め、二人は口論となってしまいました。
帰り道、ルイスとレイチェルは突然アルベルトに襲われました。ルイスはアルベルトを追いかけますが、アルベルトは真冬の湖に転落してそのまま命を落としました。その様子を目撃していたフレーダはルイスとレイチェルに連れられて帰宅しました。
ステファンは「お前が一番大切なんだ」とフレーダを抱きしめ、レイチェルはステファンに、二人の関係をルイスに打ち明けたことを明かしたうえで翌朝にも一緒にスイスに旅立とうと約束しました。
翌朝、レイチェルはルイスに別れを告げようとしていました。ルイスはロンドン大空襲で死んだ我が子のことを思い出し、レイチェルは自分にとって一番大切な人だと語りました。レイチェルは何も答えずにステファンやフレーダと共に駅に向かいましたが、どうしてもルイスを見捨てることのできなかったレイチェルは列車には乗らず、ステファンに別れを告げました。
フレーダはレイチェルにルイスの煙草入れを渡しました。そしてレイチェルは一人帰国する準備をしていたルイスの元に駆け寄り、二人は強く抱きしめ合いました。
以上、映画「モーガン夫人の秘密」のあらすじと結末でした。
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