ブリングリングの紹介:2013年アメリカ,フランス,イギリス,日本,ドイツ映画。実際におきたセレブ専門窃盗団の事件を映画化した作品。被害総額3億円にものぼるセレブ専門の窃盗団の犯人は全員10代だった。セレブリティの生活に憧れるレベッカは、高校の同級生のマークや遊び仲間を誘い、パリス・ヒルトンやオーランド・ブルームなど誰もが知っているセレブの豪邸を狙い、洋服やバッグ、ネックレスなどを盗む。日本でも人気の高いソフィア・コッポラ監督が、若い世代ならではの過ちを描いた作品。
監督:ソフィア・コッポラ 出演: エマ・ワトソン(ニッキー)、ケイティ・チャン(レベッカ)、タイッサ・ファーミガ(サム)、イズラエル・ブルサード(マーク)、クレア・ジュリアン(クロエ)ほか
映画「ブリングリング」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ブリングリング」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ブリングリング」解説
この解説記事には映画「ブリングリング」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ブリングリングのネタバレあらすじ:お金が欲しいわけじゃなかった
レベッカが窃盗する最初のきっかけとなったのは、高校の同級生が旅行にいった話を聞いたことだった。レベッカに惚れているマークを連れ、同級生の自宅に侵入し金品を窃盗した彼女は、セレブが家をあけるスケジュールさえ知ることができれば、簡単に窃盗できることに気づいてしまう。セレブのスケジュールを知るために会員制のホームページに登録し、最初に狙ったのはパリス・ヒルトンの家。簡単に隠し鍵の場所を突き止め、自宅に侵入する。まるでデパートの商品棚のようなクローゼットの前で思わずうっとりしながら、ファッションショーを始める。これがきっかけとなって、友達を連れ、次々とセレブの自宅に洋服やバッグ、アクセサリーの窃盗を行うようになる。彼女らが窃盗を行う姿は、まるでパーティーのよう。憧れのセレブの洋服に着替え、セレブ宅で夜な夜なダンスパーティーを繰り広げる彼女達の姿は監視カメラにとらえられ、ついに捕まってしまう。
ブリングリングのネタバレあらすじ:不良エマ・ワトソンの姿はみもの!
レベッカの悪友で、窃盗団の1人でもあるニッキーに扮するのはエマ・ワトソン。あのハリー・ポッターシリーズで真面目で正義感の強いハーマイオニー役を演じたエマ・ワトソンが、クラブでタバコを吸ったり、悪態をつく姿は強烈。ニッキーは、レベッカに一緒に窃盗したいと積極的に犯行に参加していた。モデルとしても活躍する彼女は、人一倍セレブ宅のクローゼットの前ではしゃぐが、警察からの逮捕状が出た後は、かたくなに犯行を自分の意思でやったことではないと拒む。テレビ番組にも出演し、友人に無理強いされたと訴え、犯行を逃れようとする。その姿は、意地悪く、スキャンダルさえも上にのし上がる道具にしようとする悪女ぷりに、魅了される。この作品上映後、彼女の作品内で着ていた服が売れているようだが、それも納得する程、作品内の彼女の服の着こなしは魅力的。
ブリングリングのネタバレあらすじ:豪華なセレブ生活
今回の作品では、実際に窃盗事件があったパリス・ヒルトンの自宅(内観)が撮影現場として使用されている。所持する洋服や靴のあまりの多さに、これだけあると、何かを盗まれていても、わからないだろうなと思ってしまう。シャネルにディオール、ドルチェアンドガッパーナなど、ティーンではなくても目にしたら思わず身につけてしまいたくなる洋服の数々に、彼女らの犯行の心中を推測するのは難しくないなと思わされてしまう。正義をテーマにしているわけではない、と監督が主張しているように、この作品では、窃盗団はとてもファッショナブルに描かれる。また、セレブの豪邸はより魅力的に写され、セレブに憧れる若い世代をとても皮肉的にみせている。金儲けのためではなく、セレブに憧れすぎるあまりに、同じ物を身につけたい、そんな心理が若い世代を動かしたのなら、セレブを持ち上げてきた私たちにも責任があるのではないか、と問いかけているようだ。「ヴァージン・スーサイド」などで、揺れやすく壊れやすい若い世代をテーマにしてきたソフィア・コッポラ監督ならではの視点が楽しめる作品となっている。
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