カード・カウンターの紹介:2021年アメリカ, イギリス, 中国, スウェーデン映画。元上等兵のウィリアム・テルは特殊作戦兵士として自らがアブグレイブ捕虜収容所で犯した罪に苦しみ、刑務所で服役したあとはギャンブラーとして出直そうとしていた。しかし目立たぬよう生きてきたウィリアムのもとに、一人の青年が声をかけてきた。青年の目は復讐心に燃え、ウィリアムが自分の仲間になるだろうと確信してのことだった。ウィリアムの過去が徐々に明らかとなり、人生を賭けた復讐と贖罪のゲームが幕を開ける。
監督:ポール・シュレイダー 出演:オスカー・アイザック(ウィリアム・テル)、ティファニー・ハディッシュ(ラ・リンダ)、ウィレム・デフォー(ジョン・ゴード少佐)ほか
映画「カード・カウンター」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「カード・カウンター」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「カード・カウンター」解説
この解説記事には映画「カード・カウンター」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
カード・カウンターのネタバレあらすじ:起
幽霊のようにカジノからカジノを渡り歩き生計を立てるウィリアム・テルは、風変わりなギャンブラーでした。
米国軍刑務所で8年間の服役中、独学でカード・カウンティングと呼ばれるカードゲームの禁じ手を身につけた彼は「小さく賭けて小さく勝つ」ことをモットーに目立たずひっそりとプレイして暮らしていました。
ある日、ウィリアムはギャンブル・ブローカーのラ・リンダと出会い、大金を稼ぐことができるポーカーの世界大会WSOPへの参加を持ち掛けられます。しかし、ウィリアムはこの誘いを断りました。
カード・カウンターのネタバレあらすじ:承
アトランティックシティへ移動したウィリアムは、ふらっと立ち入ったセミナーである男と遭遇しました。それは特殊作戦兵士時代の上司で、ウィリアムに罪を背負わせ人生を一変させた男ジョン・ゴードでした。
席を立とうとしたウィリアムに何者かが声をかけてきました。それはゴードの命を狙い、ウィリアムに復讐を持ち掛ける若者カークでした。
カークの父はかつてウィリアムと同じアブグレイブ捕虜収容所の特殊任務についていました。そこでは、精神的にも肉体的にもすさまじい苦痛を与える拷問が行われており、ウィリアムもカークの父も上からの命令に従い、捕虜たちを極限まで追い込んでいたのでした。
やがて拷問の事実がぬかるみに出ると、写真に顔が写っていたウィリアムは逮捕され、カークの父はトラウマで家庭を崩壊させたのち自殺してしまいました。
復讐心に燃えるカークを見て、ウィリアムはラ・リンダに連絡を取り、WSOPに参加する旨を伝えました。そして、カークへ自分の相棒となるよう持ち掛けました。
カード・カウンターのネタバレあらすじ:転
カジノを渡り歩く2人の生活が始まりました。
相変らずウィリアムは淡々と勝ち続けていきました。これまで目立たないように賭けてきたウィリアムがWSOPへの参加を決意したのは目的がありました。
カークは大学を中退し、奨学金の借金がたんまり残っていました。ウィリアムはこの借金を返済し疎遠になっている彼の母親と会わせることで立ち直れるだろうと考えていたのです。
しかし、はじめは楽しそうにしていたカークも、ひたすら時間を潰すだけの単調な毎日にだんだん退屈してきました。そんなある日、ウィリアムにグーグル・アースで調べたある家の写真を見せました。それはゴードが暮らす屋敷でした。ウィリアムは復讐を諦めていないカークの執念にイラつきを隠せずにいました。
WSOPの決勝戦を明日に控え、ウィリアムはカークを自身のモーテルの部屋へと連れていきました。そしてカークを半ば強制的に自分の目の前に座らせ、大金を積み上げます。ウィリアムは、カークと彼の母親が抱えている借金を調べ上げ、おつりがくるほどの札束を投げつけました。
ボストンバッグに見える拷問器具にすっかり震え上がってしまったカークは、借金を返済することと母親に今すぐ会いに行くことをウィリアムに約束させられました。
カード・カウンターの結末
翌日、決勝戦がスタートしました。ウィリアムは順調に勝ち進んでいきます。
90分のディナー休憩に入り、ラ・リンダがウィリアムへスマホを渡しました。メールがあったとのこと。相手はカークからでした。
“一緒に来ればよかったのに”
テキストと一緒に添付されていた画像を見てウィリアムは凍りつきました。映っていたのはゴードの屋敷だったのです。
ウィリアムはゲームが再開するとすぐに席を立ってしまい、モーテルへと戻りました。パソコンを開き報道を確認すると、ゴードの住居に若い男が侵入し、ゴードによって射殺されたというニュースが報じられていました。ウィリアムはすぐさまモーテルを出て車を出しました。
何も知らずに帰宅したゴードを屋敷で待ち構えていたのはウィリアムでした。過去のことを問い詰めると「お前も分かっているはずだ。すべて自己責任だ!」とゴードは叫びます。
ウィリアムは「再現ドラマをしよう」と言い、ゴードを別室へ連れていきました。ゴードのうめく声や叫び声もむなしくウィリアムの拷問は彼が息絶えるまで続きました。
部屋から血まみれで出てきたウィリアムは自ら警察に電話をかけると、「殺人が起こりました」と通報しました。
再び刑務所に戻ってきたウィリアム。
ある日、いつものようにルーティンをこなしていると、めずらしく面会人が来ました。
やってきたのはラ・リンダでした。再会を果たした2人に言葉はなく、ただじっと見つめ合いながら、ガラス越に互いの指を重ねるのでした。
以上、映画「カード・カウンター」のあらすじと結末でした。
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