突入せよ!突入せよ!「あさま山荘」事件「あさま山荘」事件の紹介:2002年日本映画。1972年2月、警察に追われた連合赤軍のメンバーがあさま山荘に侵入し、人質を取って立てこもる事件が発生しました。マイナス10度を超える極寒の中、犯人に容易に近づくことができない状態が続きます。1970年代に実際に発生した「あさま山荘事件」を題材に映画化したもので、当時の警察内部の攻防を描いています。
監督:原田眞人 原作:佐々淳行 出演:役所広司(佐々淳行)、宇崎竜童(宇田川信一)、伊武雅刀(野間長野県警本部長)、串田和美(丸山参事官)、山路和弘(石川警視正)、矢島健一(大久保第九機動隊長)、椎名桔平(白竜組社長)、天海祐希(佐々幸子)、藤田まこと(後藤田正晴警察庁長官)、ほか
映画「突入せよ!「あさま山荘」事件」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「突入せよ!「あさま山荘」事件」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「突入せよ!「あさま山荘」事件」解説
この解説記事には映画「突入せよ!「あさま山荘」事件」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
突入せよ!「あさま山荘」事件のネタバレあらすじ:起
1972年2月19日、長野県軽井沢のあさま山荘に連合赤軍の5人が、管理人の妻・小雀真理子さんを人質に取って立てこもるという事件が発生しました。長野県警だけでは対処できないと判断した後藤田正晴警視庁長官(藤田まこと)により派遣された佐々淳行(役所広司)が現場指揮をとることになりました。
後藤田警視庁長官からは「人質は生きたまま救出」、「銃器使用は一切禁止」、「犯人は全員生け捕り」など、他も含めて6つの条件が出されました。早速対策本部に到着した佐々でしたが、現場では警視庁と長野県警との間で対立が起きていました。
突入せよ!「あさま山荘」事件のネタバレあらすじ:承
長野県警は本来であれば自分達で解決すべき事件を、警視庁が事件解決のためにわざわざ来たことが怒りに触れたようで、対策本部内での席順など一苦労でした。捜査会議ともなると、この対立がより表れるようになります。
打合せしようとする佐々に対して、言葉をさえぎるようにまくし立てるなど、納得のいかない様子でした。佐々は対立を避けるため、長野県警主体で捜査することを決めました。
突入せよ!「あさま山荘」事件のネタバレあらすじ:転
そんな中、あさま山荘の管理人が妻に差入れしたいと果物をもってきました。これを警察官が持って行きますが、発砲はありませんでした。ところが人質の身代わりになりたいと言った民間人があさま山荘に入り、その後発砲音がします。民間人に少しかすっただけと話しますが、その後、ニュースでは警察官が撃たれて重症、先ほどの民間人も死亡したと流れてきました。
佐々は指示を出していませんでした。長野県警に問い詰めても責任逃ればかりで、ののしり合いが続きました。佐々はこの状況を一喝し、今後は勝手に野間長野県警本部長(伊武雅刀)の指示なしでは動かないこと、それを破ったものは解雇すること、以後禁煙ということを告げました。
突入せよ!「あさま山荘」事件の結末
事件発生から10日経った2月28日、強行突破のため「モンケン」というクレーン車に鉄球をつるしたものを使用し、あさま山荘の一部を壊します。そして崩れたところから機動隊第9隊が突入します。ところが放水を指揮していた高見警部(加藤満)が、犯人グループに狙い撃ちされてしまいました。
警官達は高見警部をかばい、後方に運び、救急車で運ばれていきました。その後、突入部隊は目の前の惨状に混乱を生じ始め、分機で突入していた内田第二機動隊長(豊原功補)が撃たれて倒れてしまい、殉職の知らせが入ります。指揮官を失った部隊はとうとう内輪揉めまで起こってしまいました。
そしてモンケンが水を被ったことで止まる事態となり、さらに混乱を招きました。佐々はこの状況に「今度こそ徹底せよ。指揮官は今すぐ白いラインをとれ!」と指揮をとり、自ら2機の現場に飛び込みます。放水が再開し、建物が崩れ始めました。犯人達を取り押さえる警官達、そして人質の小雀真理子(篠原涼子)の救出に成功します。
事件が解決してから内田第二機動隊長と高見警部のことを思い出し、自分がそうなっていたかもしれないと思い、辞めるよと佐々は妻に伝えます。すると後藤田警視庁長官から連絡が入ります。「今日はゆっくり休め」とのことでした。「ヘラクレスの選択ですね」と妻が言います。わざわざ苦難の道を行くことを後藤田警視庁長官は、佐々に課していたのでした。
以上、映画「突入せよ!「あさま山荘」事件」のあらすじと結末でした。
この映画を細部まで検証しながら見ようとすると、60年代の安保闘争から始まる学生運動という時代的背景を理解しなくてはいけないのですが、そんなことがこの映画の面白い点ではないと思います。この映画の見所と言うのは、上司から「人質は生きたまま救出」、「銃器使用は一切禁止」、「犯人は全員生け捕り」などの無茶な命令と、命がけでうごく現場との板挟みの中でがんばる主人公サラリーマン佐々淳行(役所広司)の奮闘ぶりです。役所広司さんのどこかとぼけた演技がとかく暗くなりがちな場面に、柔らかいユーモラスな雰囲気をもたらしてます。自分はこの映画を、眉間に皺寄せると言うよりは、どこか柔和な気持ちで見てしまうのは、そのせいです。