THE 4TH KIND フォース・カインドの紹介:2009年アメリカ映画。何者かに夫を殺され、悲しみに暮れていたアビゲイル・タイラー博士は、亡き夫の研究を引き継ぎ、アメリカのアラスカ州ノームでカウンセラーをしている。訪ねてくる患者に共通して、白いフクロウに怯えていることに気づく。行方不明になる人が多発しているアラスカ州ノームを舞台に、原因不明の事件の真相に迫る、衝撃的な実録スリラー。映画は2000年10月に起きたという実際の事件に関する映像を交えながら進みます。
監督:オラトゥンデ・オスンサンミ 出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ(アビゲイル・タイラー)、ウィル・パットン(オーガスト保安官)、イライアス・コティーズ(アベル・カンポス)、ハキーム・ケイ=カジーム、コーリイ・ジョンソン、エンゾ・シレンティ、ほか
映画「THE 4TH KIND フォースカインド」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「THE 4TH KIND フォースカインド」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
フォースカインドの予告編 動画
映画「THE 4TH KIND フォースカインド」解説
この解説記事には映画「THE 4TH KIND フォースカインド」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
フォースカインドのネタバレあらすじ:起
※ストーリーはアビゲイル・タイラー博士本人の証言や事件当時の記録映像を交えながら進みます。
アビゲイル・タイラー博士(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は2ヶ月ほど前、夫ウィル(ジュリアン・ヴェルゴフ)と一緒に寝ていたところ、侵入者によってウィルは胸を刺殺され、悲しみに暮れていました。ショックのあまりアビゲイル(以下アビー)は当時の記憶があいまいで、犯人の顔を思い出せないでいました。
アビーの娘アシュリー(ミア・マッケンナ=ブルース)は、父ウィルの事件後に突然視力を失い、アビーも負い目を感じていました。また、息子ロニーは父ウィルの死は母アビーに責任があると感じており、関係はあまり良くありません。
アビーは、知人で同じく心理学者のエイブル・キャンポス博士(イライアス・コティーズ)に依頼し、催眠療法によって夫を殺害した犯人の顔を思い出そうとしますが、失敗に終わります。ウィルの研究・診療を受け継ぐことを決意したアビーは、アラスカ州ノームで患者たちの心理カウンセラーとして働いています。
カウンセラーとして働くアビーのもとに、スコット(エンゾ・シレンティ)やトミーなど地元の男性や女性を含め、複数の睡眠障害患者が訪れ、「夜中に白いフクロウに見つめられて怖い思いをしている」と同じような経験を告白します。
その夜、アビーはウィルの遺物で、アウォロワ・オデュサミ博士(ハキーム・ケイ=カジーム)という人物の本を見ながら、2000年8月1日に録音された夫ウィルの肉声テープを聞きます。「原因不明の睡眠障害の住民がノーム全域に広がっている。それは、朝3時ごろに理由も無く目が覚め胸騒ぎを憶えて脅え、何かの前兆のようにパニックを起こす。」という内容でした。それままさにアビーのもとを訪れる患者の症状と一致していました。
フォースカインドのネタバレあらすじ:承
後日、アビーは男性患者トミーに催眠療法を使って睡眠障害の原因を探ろうとします。白いフクロウについて、それが現実なのか夢だったのかもはっきりとは思い出せずにいましたが、突然何かを思い出すとトミーは錯乱状態に陥ってしまいます。何があったのかアビーが問いかけますが、トミーは動揺し、思い出したことを話すことも、それを受け入れることも出来ない様子で帰っていきます。
その翌日、トミーが自宅で妻と子供を人質に取って立て籠もる事件が発生。地元警察のオーガスト保安官が駆け付けますが、トミーはアビー博士と話しをさせろと発狂します。呼び出されたアビーはトミーを説得しますが彼は「眠れない理由が分かった」と言い、謎の言葉「ズンアブー・イーター」と言い残して、妻と子供たちを射殺、自分も自殺してしまいました。オーガスト保安官は、アビーの催眠療法が適切だったかどうか聴取し、責め立てます。
事件を聞きつけたエイブルは、アビーを心配してノームの街を訪れます。これを機に少し休んだらどうかとアビーに提案しますが、アビーは「研究を続けて原因を究明したい、夫ウィルに起きたことや、トミーの事件が偶然とは思えない」と訴えます。それを聞いたエイブルは、しばらくノームの街に滞在することを決めます。
その後、スコットが催眠療法を行いたいと、アビーの元を訪れました。自分も眠れない原因の真実を知りたいと。エイブルも同席し、催眠療法が始まります。フクロウの話を始めるスコットでしたが、次第に様子がおかしくなり「フクロウではない、外に『何か』がいる。子供のころからよく現れる。」と怯えたように話し、錯乱状態になります。急いで催眠を解くとスコットは嘔吐するなど、明らかに様子が異常でした。
何が見えたのか問うアビーに、スコットは「彼らだ、ここの奴じゃない。自分の頭の中にあるのに見えない、フクロウじゃないが、ただ匂いは覚えている、腐ったシナモンだ。最悪なのは頭の中の声だ、聞こえるように話してくる、繋がってるみたいに。奴らは僕を連れていった、何をされたかは覚えていない。想像できないくらい最悪なものを見た」と話し、帰っていきます。
アビーはエイブルに「あなたは信じる?宇宙人による拉致説(The Fourth Kind)を。スコットの話はそれかもしれない。ウィルが興味を持って調べていたの。未確認飛行物体の目撃者は1930年以降、1100万人以上いる。」と話しますが、エイブルは「ほとんどは論理的に説明が付く。今回の件は半覚醒時の幻覚だろう。我々は立証できる事実に基づかないといけない」と話します。
その後、アビーのボイスレコーダーから、自分で吹き込んだ記憶のない音声が見つかり、彼女も動揺します。そこには、アビーの叫び声と共に正体不明の声が入っていました。家に帰ったアビーは、録音中の出来事を思い出します。
アビー本人は振り返ります「眠っていると寝室のドアが開き、誰かあるいは何かが入ってきた。侵入者が何であれ私は抵抗した。でも相手が強すぎて私を連れ去った。床を見下ろした瞬間、それが現実だと知った。引っかき傷がドアまで続いていたから。気力を振り絞って侵入者の正体を突き止める決意をした。侵入者の正体、正体不明の言葉、私にどこで何をしたのか、何度もテープを聞き直した。あの声が何を意味するのか知るため。あれはラテン語でもギリシャ語でもなく聞いたことのない言語だった。私にはそれがすべてを解明するカギに思えたのです。私や夫やこの町に起きたことを、そして私は手がかりを見つけました。」
フォースカインドのネタバレあらすじ:転
アビーは、言語学者で古代シュメール文明に詳しいアウォロワ・オデュサミ博士にコンタクトをとります。そしてアビーの身の周りに起きたことを話すと、オデュサミ博士はノームの街を訪れます。オデュサミ博士によると、アビーのレコーダーに記録されていた音声は人類最古の言語、古代シュメール語で話していると言います。またその声は人間ではないと。アビーはそれが「異星人」による拉致の証拠なのではないかと考え始めます。
そこへ、スコットの妻から家にすぐ来て欲しいと電話がかかります。アビーはオデュサミ博士とエイブルを伴い、スコットの家を訪れました。脂汗をかき、腕に何かしらの傷跡、そして何かに怯えた様子のスコットに催眠術を掛けると、スコットの体は突如浮き上がり、恐ろしい声で古代シュメール語を話し始めたのです。その後、スコットは下半身不随となり、寝たきりになってしまいました。
怖くなったアビーはこの町から逃げようと、自宅で子供たちに荷造りをするように言い、ノースカロライナへ行くと言って準備をします。しかしそこへオーガスト保安官が訪れ、スコットに何をしたのか問い詰めます。昨夜の出来事を説明しますが、オーガスト保安官は信じようとしません。逮捕される寸前の所でエイブルが仲裁し、自分も見たと証言し、無実の罪で逮捕すべきではないと説得します。アビーは、警察の監視下の元、自宅待機を命じられました。
警察の監視下にあったアビーの自宅ですが、警官が何かに気付きパトカーの外に出ると、衝撃の光景を目の当たりにします。「家の上空に何かが飛んでいて、彼女たちを引っ張り上げている、すぐに応援をよこしてください。」と報告。パトカーからの録画映像は乱れており、詳しい状況は分かりませんでした。
オーガスト保安官たちが駆け付けて家に入ると、アビーは「一筋の光が下りてきて、娘アシュリーは天井を通り抜けてさらわれていった」と言うのです。「アシュリーはどこだ、事実を話せ」とアビーの証言を信じないオーガスト保安官は、ロニーは保護すると言って連れて行ってしまいます。
フォースカインドの結末
アシュリーを取り戻すため、アビーは「これしか方法がない」と、オデュサミ博士とエイブル同席のもと、催眠術にかかって異星人にコンタクトを取ることを決意します。催眠にかかったアビーはフクロウの話をはじめます。そして思い出したくない記憶が蘇ってきます。寝室で何者かに拉致され、体には何かを埋め込まれ…子宮にも何かが入ってくる。しかしそこでアビーの身体に異変が起き、体が浮かび上がり、謎のシュメール語を話し始めます。「我は、神なり」と名乗るおぞましい声の後、アビーは意識を失います。
2日後、アビーが目覚めるとそこは病院でした。傍らにはエイブルとオーガスト保安官がいました。オーガスト保安官から、夫ウィルの死に関する事実を告げられます。それは、ウィルは銃で自分のこめかみを撃ち抜き、自殺をしていたということでした。侵入者や刺殺の事実も無く、遺体と銃しかなかった。それが真実だと。しかしアビーは自分の体験こそが真実であると信じています。
事件から約10年。22歳になったロニーは現在も母アビーとは疎遠のままで、妹が行方不明になったのは母のせいであると思っています。アビーはアシュリーの行方不明事件も含めてすべての疑惑が潔白だとされました。その後東海岸に移り住みますが、健康状態の悪化により寝たきりになったということです。アビーは今でもアシュリーが人間以外の知的生命体に拉致されたと主張しています。娘アシュリーの行方は現在も不明のままです。
※この映画は実話と見せかけたフィクションであると後日発表されています。
以上、映画「THE 4TH KIND フォース・カインド」のあらすじと結末でした。
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