ディストピア パンドラの少女の紹介:2016年イギリス,アメリカ映画。M・R・ケアリーのベストセラー小説「パンドラの少女」を作者自らの脚本で映画化したSFスリラーです。人類の大半が未知のウィルスに感染、ゾンビと化した近未来を舞台に、人間とゾンビの間に生まれた少女とそれを温かく見守る教師の物語を描いています。
監督:コーム・マッカーシー 出演者:セニア・ナニュア(メラニー)、ジェマ・アータートン(ヘレン・ジャスティノー)、パディ・コンシダイン(エディ・パークス)、グレン・クローズ(キャロライン・コールドウェル)、アナマリア・マリンカ(ジーン・セルカーク)ほか
映画「ディストピア パンドラの少女」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ディストピア パンドラの少女」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ディストピア パンドラの少女の予告編 動画
映画「ディストピア パンドラの少女」解説
この解説記事には映画「ディストピア パンドラの少女」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ディストピア パンドラの少女のネタバレあらすじ:起
近未来。大多数の人類は未知のウィルスに感染、自由意志を失い人肉を喰らうゾンビ“ハングリーズ”に成り果てました。ハングリーズに噛まれた人間もまたハングリーズと化し、文明は荒廃、生き残ったわずかな人類は厳重に管理された軍の施設で暮らすしかありませんでした。滅亡寸前に追いやられた人類の最後の希望は、人間とハングリーズの混血児である“ハイブリッド”でした。ハイブリッドは人肉を好むものの、通常の人間同様に思考能力と学習能力は保持しているのです。
イングランドの片田舎にある軍の施設では、ハイブリッドの遺伝子を解明し、ワクチンを精製しようと極秘裏に研究が進められていました。ハイブリッドの少年少女らは軍の施設内にある学校で銃を持った軍人らに監視されながら教育を受けていました。ハイブリッドは人間の体臭を嗅ぎ付けると凶暴化するため、ハイブリッドに接する人間は全員が体臭を消す特殊なクリームを塗っているのです。
ディストピア パンドラの少女のネタバレあらすじ:承
施設の人間の中でも、教育係のヘレン・ジャスティノー(ジェマ・アータートン)だけはハイブリッドを特別扱いせず、血の通った人間と同じように接していました。そんなハイブリッドの少年少女の中に、一際高いIQを有するメラニー(セニア・ナニュア)という少女がいました。ヘレンはメラニーに「パンドラの箱」の物語を読み聞かせていました。
そんなある日、メラニーはヘレンに「少女がモンスターから女性を守り抜き、やがて二人はずっと一緒に仲良く暮らすにことになる」という内容の自作の物語を読み聞かせ、深く感激したヘレンはついメラニーの頭を撫でてしまいます。その様子を監視していたエディ・パークス軍曹(パディ・コンシダイン)はヘレンを厳しく叱責、腕に塗っていたクリームを拭うと、その体臭を嗅ぎ付けた子供たちが次々と凶暴化して群がり始めました。それでもメラニーだけは必死で理性を保とうとし、その様子を見たヘレンはより一層メラニーを愛おしく思うようになっていきました。
ディストピア パンドラの少女のネタバレあらすじ:転
施設にはハイブリッドの研究を行うキャロライン・コールドウェル博士(グレン・クローズ)が訪れては、ハイブリッドの少年少女たちになぞなぞやクイズ問題を出していました。ある日、コールドウェル博士はメラニーに、1から20の数字から1つ好きな数字を選ぶよう指示しました。メラニーが13を選ぶと、その次の日から13号室に収容されていた子供が姿を見せなくなりました。数日後、再びコールドウェル博士がメラニーにまた数字を選ぶよう指示、メラニーは自分の部屋の番号である4を選びました。メラニーはコールドウェル博士の実験室に連れてこられ、そこでワクチン開発のため解剖された13号室の子供の脳と脊髄が保存されているのを目の当たりにしました。コールドウェル博士がメラニーを解剖しようとしたその時、ヘレンが解剖を止めさせようと実験室に駆け込んできました。しかしその時、大量のハングリーズが軍の施設の防護壁を突破してなだれ込み、実験室のすぐ近くにまで迫ってきました。メラニーは混乱に乗じて実験室を脱出、ヘレンを拘束していた兵士2名に噛み付いて彼女を救うと、ヘレンとメラニーはパークス軍曹やコールドウェル博士、兵士のギャラガー(フィサヨ・アキナデ)とディロン(アンソニー・ウェルシュ)の乗る装甲車に乗り込んで基地から脱出しました。
ディストピア パンドラの少女の結末
メラニーは貴重な実験材料として拘束されました。逃げる途中でディロンはハングリーズに噛まれ、パークス軍曹に射殺されました。やがて装甲車は故障し、一行は歩いてロンドンに辿り着き、ハングリーズの死体からツルが生えて巨大な塔に巻き付き、大量の菌糸を宿しているのを目撃しました。コールドウェル博士が言うには、この菌糸が世界にばら撒かれると人類は絶滅するのだということです。一行はクリームを塗ってやり過ごそうとしましたが、今度はクリームの効かない第2世代のハングリーズが襲い掛かり、ギャラガーが犠牲となりました。生き残った一行は移動式の実験室に逃げ込みますが、コールドウェル博士は麻酔ガスでメラニーとヘレン、パークス軍曹を眠らせました。傷が悪化し敗血症を発症していたコールドウェル博士はメラニーの身体からワクチンを作ろうとしましたが、目を覚ましたメラニーはなぜハイブリッドが人類を救うため犠牲にならなければならないのかを問い、その場から逃げ出しました。後を追ったコールドウェル博士はハングリーズに殺され、メラニーは塔に火を付けて全世界にウィルスをばら撒きました。これにより、実験室に残って難を逃れたヘレンを除いて、全ての人類がハングリーズと化したのです。メラニーはウィルスに感染したバークス軍曹の頼みを聞き入れて彼を射殺しました。
メラニーは第2世代のハングリーズやハイブリッドの指導者として君臨、実験室から出られなくなったヘレンはマイクとスピーカーを通じてハイブリッドらを教育していました。
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