ラスト・フェイスの紹介:2016年アメリカ映画。西アフリカの難民キャンプで医療活動に従事する二人の医師に恋が燃え上がる。しかし、内戦の現実が二人を引き裂く。ショーン・ペンが監督を手がけた5本目の長編作品はシャーリーズ・セロン、バビエル・バルデム、ジャン・レノ等国際的スターをそろえた。2016年の第69回カンヌ国際映画祭でコンペティション部門に出品されたが、上映終了後にはブーイングが飛び交ったという。
監督:ショーン・ペン 出演者:シャーリーズ・セロン(レン・ピーターソン)、バビエル・バルデム(ミゲル・レオン)、アデル・エグザルコプロス(エレン)、ジャン・レノ(ラヴ医師)、ジャレッド・ハリス(ジョン・ファーバー医師)その他
映画「ラスト・フェイス」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ラスト・フェイス」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ラスト・フェイスの予告編 動画
映画「ラスト・フェイス」解説
この解説記事には映画「ラスト・フェイス」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ラストフェイスのネタバレあらすじ:起・2014年の再会
2014年、ケープタウン。世界の医療団(MDM)の資金調達イベント。MDM共同創設者の娘で彼女自身もジュネーブのオフィスでMDMの広報活動等に従事しているレン・ピーターソン(シャーリーズ・セロン)がスピーチをしようとしていた。控室には彼女と共にミゲル・レオン(バビエル・バルデム)がいた。
10日前、ミゲルは南スーダン、マラカル国連基地にいた。基地には難民がおしよせ、ミゲルは大けがをしている難民たちのために外科手術を続けていたが、ヘリコプターでさらに危険な場所へ行って医療活動に携わる。ところが夜襲でそのヘリコプターも破壊される状況である。
一時仕事を離れ、レンのいるジュネーブへ来た。しかし、10年ぶりのレンはミゲルと会うのを恐れ、早めにイベントのために故郷の南アフリカに行こうとするが、その晩にミゲルが彼女の部屋のドアをノックし、ドアの隙間から手紙を挿し込んだ。
ラストフェイスのネタバレあらすじ:承・2003年、リベリアからシエラレオネへ
2003年、レンはMDMのコーディネーターとして、彼女の訪れる初めての交戦地帯であるリベリアのモンロビアに来る。レンに目もくれず働く人たち。その中で、医師として働く従妹のエレン(アデル・エグザルコプロス)と再会し、エレンを叱る先輩外科医ミゲル・レオンを初めて見る。
レンは治安悪化を理由としてモンロビアでの活動をあきらめ、保護の必要な人々を連れて隣国シエラレオネへと逃れることを決定する。エレンはモンロビアに残ることにする。レン、ミゲル、ラヴ医師(ジャン・レノ)、ファーバー医師(ジャレッド・ハリス)、現地人医師モウサ・パリ―とその家族等が反政府軍の目を逃れながら危険な旅を続ける。
その間にレンはミゲルと親密になっていく。密林を抜けて、やっと大きな難民キャンプにたどり着いたとき、テントの中でレンとミゲルは結ばれる。
MDMのスタッフは難民キャンプで診療所を開くことになり、医師とはいえ医療現場を離れて仕事をしていたレンは初めて、80歳で亡くなるまで世界各地を回って苦しんでいる人のために尽くしてきた父と同じ仕事をすることになる。
夫がいつも家を空けている寂しさからレンの母は他の男たちと不倫を続けていたが、それでも結局夫を愛していた。父にもミゲルにとっての自分のような愛人がいたのだろうか。
ラストフェイスのネタバレあらすじ:転・再びリベリアへ
シエラレオネの難民キャンプでは、皆がミゲルとレンは結婚するのが当然だと思っていたが、エレンが二つの不幸な話をもってレンを訪れる。一つはかつてエレンがミゲルの愛人だったこと、もう一つはエレンがHIV陽性だとわかったこと。
エレンも愛していたが君の方をもっと愛していると言うミゲルの言葉と、ミゲルもレンもHIV陰性であるとわかったことから二人は破局をいったんは免れるが、内戦の逼迫した状況が二人にのしかかる。
キャンプの外にモウサの一家とドライブに出かけた時に虐殺に遭った村に出くわし、レンは失神してしまう。怪我人をキャンプに連れ帰るが、血液不足で1人しか助けられない事態に直面する。レンもミゲルも自分たちに世界は変えられないことはわかっている。レンは撤退してメディアに惨状を訴えた方がいいと言い、ミゲルは一人でも生きられる人を救うべきだと言う。
さらに反政府軍が市民を人間の盾に利用しているということで、リベリア国内で再び医療活動をすることを求められて移動するが、少年たちの遺体が積み重ねられる惨状を前にしても奮闘するミゲルたちを見て、レンは医師としての実力のなさを思い知らされる。そして絶望的な状況から判断し、ミゲルたちの反対を押し切ってチームの撤退を決定する。
悲劇に追い打ちをかけるように、反政府軍が診療施設を離れようとする医療チームを襲い略奪をはたらく。リーダーの女はモウサの息子サムに尊敬する父を銃で撃つように命じる。サムが選んだのは自分の頭を撃ちぬくことだった。モウサが家族を連れてくることを黙認したレンの失敗だった。皆が自動車で去るのにミゲルだけが惨劇の場にとどまっていた。
ラストフェイスの結末:南スーダンのニュース
以来10年間、二人とも相手が来るのを待っていたのに、レンとミゲルが会うことはなかった。ジュネーブではミゲルを拒絶したレンだったが、南フリカ共和国の母のいる実家まで追いかけてきたミゲルをレンは自分に正直になって受け入れ、彼と体を重ねる。
失われた時間を取り返すように二人は歩き、ドライブをする。内戦があったことで愛し合えた二人だったが、危険な場所に留まって仕事を続ける、そんなミゲルを愛しているからこそ、レンは二人の愛を育むことができなかったことがわかる。
ケープタウンのイべントでレンのスピーチが続いているうちに、ミゲルは空港から飛び立つ。スピーチの後、レンはミゲルの手紙を読む。「広い砂漠の中で君の名を呼べば、僕に生きる意味を当ててくれた君の顔が見える」。
オフィスにいるレンに秘書から、南スーダンで乗っていた飛行機が撃墜されてミゲルが死んだことを教えられる。テレビはそのニュースを報じていた
以上、映画「ラスト・フェイス」のあらすじと結末でした。
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