ラリー・フリントの紹介:1996年アメリカ映画。実在の人物であるポルノ雑誌編集者ラリー・フリントの衝撃の半生を描いた作品です。フリントの貧しい少年時代から最愛の妻との破天荒な日々、そして全米を騒然とさせた雑誌を巡る法廷闘争までを描いています。
監督:ミロス・フォアマン 出演者:ウディ・ハレルソン(ラリー・フリント)、コートニー・ラブ(アルシア・リージャー)、エドワード・ノートン(アラン・アイザックマン)、ドナ・ハノーヴァー(ルース・カーター・ステイプルトン)、リチャード・ポール(ジェリー・ファルエル)ほか
映画「ラリー・フリント」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ラリー・フリント」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ラリー・フリントの予告編 動画
映画「ラリー・フリント」解説
この解説記事には映画「ラリー・フリント」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ラリー・フリントのネタバレあらすじ:起
1950年代、当時10歳の貧しい少年だったラリー・フリント(コーディ・ブロック)は、ケンタッキー州のアパラチアで弟のジミー(ライアン・ポスト)と共に密造酒を売り歩く日々を過ごしていました。
1972年。成人したフリント(ウディ・ハレルソン)はジミー(ブレット・ハレルソン)と共にシンシナティでストリップクラブを経営していました。フリントはクラブの客寄せのため、クラブで働く女性のヌード写真を掲載した男性向け雑誌「ハスラー」を発行します。
最初のうちは、その過激な内容から店頭に雑誌を置く事を躊躇する書店が多く売り上げも思わしくありませんでしたが、隠し撮りしたケネディ大統領夫人のジャクリーン・ケネディ・オナシスのヌード写真を掲載したところ爆発的に大ヒット、フリントは巨額の富を得ます。
その頃、フリントは自身のクラブで働くストリッパーのアルシア・リージャー(コートニー・ラブ)に惚れ込み、1976年のアメリカ建国200年の記念日に結婚を決意します。
ラリー・フリントのネタバレあらすじ:承
フリントの成功は大物投資家キーティング(ジェームズ・クロムウェル)やリーズ検事(ジェームズ・カーヴィル)といった良識者や保守層、反ポルノ活動家から常に目の敵にされ、数々の訴訟事件に巻き込まれます。フリントは若き弁護士アラン・アイザックマン(エドワード・ノートン)と知り合います。
1977年、猥褻罪及び組織犯罪容疑で逮捕されたフリントはアイザックマンの懸命の弁護も虚しく裁判に敗訴、多額の罰金と懲役25年の判決が下されますが、上訴審で刑期を免れて釈放されます。
「自由な出版を守る会」に招かれたフリントは、戦争の模様とヌード写真が交互に映し出されるスクリーンを前に「忌まわしいのはどっちだ」と演説します。
その頃、フリントはカーター大統領の妹にしてキリスト教伝道者のジミー・、ルース・カーター・ステイプルトン(ドナ・ハノーヴァー)と知り合い、イエスに人生を捧げるよう説得されたフリントは以降キリスト教に深く傾倒していき、「ハスラー」の内容もキリスト教の影響を受けたものへと変容していきます。スタッフやアルシアは反発しますがフリントは耳を貸そうとはしませんでした。
ラリー・フリントのネタバレあらすじ:転
1978年、ジョージア州での裁判の最中、フリントは何者かに狙撃され、下半身麻痺の後遺症を負ってしまいます。これを機にフリントは信仰を捨て、ルースと決別します。アルシアは「ハスラー」から徹底的に宗教色を排除します。ビバリーヒルズに移り住んだフリントは豪華な寝室に閉じ籠り、アルシアと共にドラッグに溺れる日々を過ごします。
1983年、手術を受けて回復したフリントはドラッグをやめ、出版業界に復帰を果たします。その直後、フリントはFBIによるコカイン取引のおとり捜査の様子が収められたビデオを入手し、テレビ局に売り込みます。法廷に呼び出され、情報の出所を明らかにするよう求められたラリーはこれを拒否、法廷で暴言を吐きまくった挙げ句、精神病院に収容されてしまいます。
そんな時、「ハスラー」は著名な伝道師ジェリー・ファルエル(リチャード・ポール)が母親と近親相姦していたという風刺的なパロディ広告を掲載、憤慨したファルエルはフリントを相手取り訴訟を起こします。フリントも負けじとフェルエルを著作権侵害で逆告訴、全米マスコミの注目を集めた裁判はフリントの有罪判決が下されます。
ラリー・フリントの結末
フリントが法廷で争っている時、アルシアの身体は既に末期のエイズに侵されていました。ある日、フリントはバスタブに沈んでいるアルシアを発見しましたが既に死亡していました。
最愛の妻を失ったフリントはアメリカが自由の国であることを証明するため、そして共に壮絶な人生を歩んできたアルシアに報いるため、一度は決別したアイザックマンに頼んで合衆国最高裁判所に上告します。アイザックマンは頼みを受け入れ、表現の自由を巡る裁判で必死に闘います。
再び全米のマスコミの熱視線が注がれるなか、やがてアイザックマンの熱弁は聴衆の心を動かし、遂に満場一致でフリントの勝訴が確定しました。アイザックマンから勝利の電話を受け取った時、フロントは在りし日のアルシアのビデオテープを切なげに観ていました。
以上、映画「ラリー・フリント」のあらすじと結末でした。
なんといっても自身も元ストリッパーだったコートニー•ラブが減量して挑んだストリッパーアルシア役の演技がすごく良かったです。過激なポルノ雑誌を創刊したことで裁判沙汰にまでなってしまったフリントがポルノ写真と戦争の写真を交互に見せ「どちらがより忌まわしいか」と人々に問いかけるシーンは感動的です。