映画「オペラの怪人（1943年）」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
オペラの怪人の紹介：1943年アメリカ映画。パリ・オペラ座に幽霊が出るという噂が。やがてプリマドンナの身に怪事件が発生。それは全て新進ソプラノ歌手への「幽霊」の愛のためだった。ガストン・ルルーの小説『オペラ座の怪人』の、名高いロン・チェイニー主演の1925年版に続く、ユニバーサル映画による2度目の映画化。パリのオペラ座を模した1925年版のセットを流用しているが、今回はトーキーで、3色テクニカラーにより撮影された。第16回アカデミー賞では美術、カラー撮影の2部門で受賞した。「オペラ座の怪人」を演じるのは『透明人間』、『カサブランカ』等のクロード・レインズ。MGMでジャネット・マクドナルドと共演したミュージカル映画で人気を博したネルソン・エディがバリトン歌手を演じる。
監督：アーサー・ルービン 出演者：クロード・レインズ（エリック・クローダン）、ネルソン・エディ（アナトール・ガロン）, スザンナ・フォスター（クリスティーヌ・デュボワ）, エドガー・バリア（ラウル・ドベール）そのほか
この解説記事には映画「オペラの怪人（1943年）」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ラウル・ドベール警部と、パリ・オペラ座のスターであるバリトン歌手アナトール・ガロンは、二人共、若いソプラノ歌手クリスティーヌ・デュボワの心を射止めようとしていた。
この晩、舞台袖で警部に呼び止められカーテンコールに現れなかったクリスティーヌは、オペラ座の舞台主任に叱られたのに続いて、指揮者のオフィスに呼ばれ、歌手としてのキャリアについてアドバイスを与えられる。
クリスティーヌに代わって同じオフィスに呼ばれるバイオリン奏者のエリック・クローダンも、彼女がカーテンコールに現れなかったのを心配していた。
そのクローダンは、左手の指に障害が生じたことがわかり解雇される。20年間楽団員であった彼には十分な貯えがあるだろうと指揮者は思っていた。だが、帰宅したクローダンに大家は、6週間下宿代がたまっていると文句を言う。
クリスティーヌは有名教師から声楽のレッスンを受けている。レッスン代の出所は彼女には秘密だったが、クローダンが彼の収入をそれにつぎこんでいた。彼女にレッスンを続けさせる費用を得るためにクローダンは自身が作曲した協奏曲を出版してもらおうと、プレエル&デシャダン社に楽譜をもちこむ。
なかなか返答がなく、クローダンは許可なく社長室に入るが、プレエル社長はクローダンの曲を酷評したうえに楽譜の場所もわからない。そのとき別室からクローダンの楽譜を演奏するピアノの音が聞こえてくる。
協奏曲を出版の価値があると考えた社員から楽譜を見せられたフランツ・リストが試しに弾いてみたのだが、クローダンはプレエルが自分の協奏曲を盗もうとしていると勘違いし、腹を立ててプレエルの首を絞め床に押し倒す。
だが、プレエルのアシスタントが社長の趣味のエッチング用の酸をクローダンの顔にかけ、クローダンは悲鳴を上げて外へ飛び出る。プレエルは死亡し、殺人容疑で警察に追われるクローダンは地下の下水道に逃げ込む。
オペラ座では仮面等の盗難が続く。そして幽霊の噂が立つ。マスターキーが盗まれたことも判明した。一方、ドベール警部はクローダンの部屋にクリスティーヌの彫像を発見する。アナトールが、それは自分がクリスティーヌにプレゼントするつもりで作ったが紛失したものだと主張したので、彫像はクリスティーヌのものになる。
ある晩、出番を待つクリスティーヌに「クリスティーヌ、君は有名な歌手になる」という声がどこからともなく聞こえてくる。仮面で顔を隠しオペラ座を神出鬼没に歩き回る男が小道具の盃に薬物を入れ、それに口をつけた主演のマダム・ビアンカロリが倒れてしまう。
ビアンカロリが登場する場面に別人の声が響き、アナトールも指揮者も驚き、楽師たちは振り向く。代役のクリスティーヌの声だった。その夜のカーテンコールではクリスティーヌのために劇場全体のスタンディングオベーションが起きた。
しかしビアンカロリは、薬物を小道具にしこんだのはアナトールとクリスティーヌの仕業と言い張り、証拠がないとドベール警部に言われても、二人を逮捕しろと言って譲らない。オペラ座はビアンカロリをなだめてスキャンダルを回避するために、彼女の代役からクリスティーヌをはずしてコーラスに戻し、新聞の批評にもクリスティーヌの名は出ないようにする。
だが、楽屋に侵入した男がビアンカロリと侍女を殺害する。悲鳴を聞いたアナトールが楽屋から去る仮面の男を追うが見失い、かえって仮面の男に殺されかける。
オペラ座にはビアンカロリの代役にクリスティーヌを使えと要求するメッセージが届く。ドベール警部はクリスティーヌでなく別の歌手を主演させて犯人に次の行動を起こさせる作戦を立てる。
一方、犯人がクローダンであると確信するアナトールは独自に、オペラ座でフランツ・リストにクローダンの協奏曲を演奏してもらうことにする。自分の曲が演奏されればクローダンは姿を現すだろう。
オペラ座公演が再開される。クリスティーヌは客席にいた。警部は、仮面をかぶって舞台衣装を着た警官を舞台上に立たせて不審者を捜させるが、クローダンは警官の一人を絞殺して警官とすり替わり、気づかれずに劇場の天井側に上る。大きなシャンデリアを吊り下げている鎖を切り、シャンデリアは客席に落ちた。
劇場が混乱に陥ったとき、クローダンは警察の人間であると偽ってクリスティーヌを地下の住みかへ連れていく。怯えるクリスティーヌに、永遠にいっしょに暮らそう、私だけのために歌ってくれと言う。
やがてリストによる協奏曲の演奏が始まる。クローダンはそれに合わせてピアノを弾き始め、アナトールと警部は音が地下から聞こえてくるのに気づく。クリスティーヌはクローダンに近付き勇気を出して仮面を外す。そこには右半分が焼けただれた顔があった。
クローダンの隠れ家をとうとうアナトールと警部が発見する。剣を手に取ろうとしたクローダンに向けて警部は発砲しようとするが、警部の腕の動きをアナトールが遮ったため、弾が壁にあたり、そのせいで部屋の壁が崩れ落ち、クローダンは崩れた壁の下敷きとなった。
クローダンの協奏曲は実はクリスティーヌの出身地プロヴァンス地方の子守歌だった。そしてクリスティーヌは、他人のはずのクローダンになぜか親近感を抱いていたことを語る。アナトールは、クローダンは忘れられるが彼の協奏曲は残ると言う。
後日の公演後、楽屋を出たクリスティーヌはファンに囲まれる。相変わらずアナトールと警部は良きライバルとしてどちらがクリスティーヌと夕食をするか争い続けていた。
以上、映画「オペラの怪人」のあらすじと結末でした。
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