映画「仮面の真実」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
仮面の真実の紹介：2003年イギリス,スペイン映画。中世イギリスを舞台に、罪を犯して逃走中の元神父が偶然出会った旅回りの劇団に潜り込み、立ち寄った村で起こった殺人事件を題材に芝居を打ったことから、事件の裏側に壮大な陰謀が隠されていたことが明らかになっていく過程を描いたミステリー・サスペンスです。
監督：ポール・マクギガン 出演者：ポール・ベタニー（ニコラス）、マリアン・アギレラ（ニコラスの恋人）、サイモン・マクバーニー（スティーブン）、トム・ハーディ（ストロウ）、ブライアン・コックス（トビアス）、ウィレム・デフォー（マーティン）、ジーナ・マッキー（サラ）ほか
この解説記事には映画「仮面の真実」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
1380年、イギリス。とある村の神父だったニコラス（ポール・ベタニー）は過ちを犯してしまい、全てを捨てて村から逃げ出しました。逃亡中、ニコラスが偶然にも馬車で通りがかったマーティン（ウィレム・デフォー）率いる旅回りの劇団に遭遇、ひとまず匿ってもらうことにしました。劇団員はマーティンの他にも、トビアス（ブライアン・コックス）、サラ（ジーナ・マッキー）、女型役者のストロウ（トム・ハーディ）、マーティンの息子スプリンガー（スチュアート・ウェルズ）がいました。
やがて劇団はとある町に辿り着きました。この町は横暴な領主デ・ギール卿（ヴァンサン・カッセル）が支配する町で、劇団はこの町で少年を殺害した罪で一人の女性が裁判にかけられ、絞首刑が宣告されていました。あくまでも無実を訴えるこの女性は目が見えず、町の外れに住み、薬草などで病気を治す治療師や霊媒師のような仕事をしていました。
劇団はこの町に留まり、普遍的な宗教劇を上演するのですが、住人たちの反応はいまいちでした。そこで、かねてから聖書絡みではない舞台を演じたいと願っていたマーティンは今回の少年殺人事件を劇の題材にしようと思い立ち、仲間たちの反対を押し切って上演に踏み切りました。ところが、その劇を見た住人たちは口々に劇の内容は真実に基づいてないと指摘、マーティンは改めて事件の真相を探ることにしました。そして過去の罪の意識に苛まれているニコラスもマーティンに協力することにしました。この町では少年の行方不明事件が相次いでおり、住民は薄々事件の背景に気付いてはいましたが、誰一人として言い出せる者は皆無でした。しかし、ニコラスたちは事件の背景を探っていくうちに、一連の事件の犯人はあの女性ではないのではないかと感じるようになっていきました。
マーティンとニコラスは調査を進めていくうちに、事件の真犯人は町を支配するデ・ギール卿であるという確固たる証拠を得ました。デ・ギール卿は同性愛者にして小児愛者であり、みずからの欲望のために少年をさらってはもてあそび、用が済めば殺害して棄てていたのです。行方不明になった少年たちもみんなデ・ギール卿の手にかけられたものであり、この町で強い権限を持つ教会ですらデ・ギール卿の悪行を知りながら隠蔽に手を貸していたのです。この時代はこの町をはじめヨーロッパ全土がペストの蔓延に悩まされており、殺害された少年もペストに感染していたというのです。もしかしたら、デ・ギール卿もペストに感染しているのでは…。
マーティンら劇団は、これらの調査結果を演劇に反映させて上演を開始しましたが、それでも住民はまだ口を頑なにつぐんだままで、誰一人勇気をもって告発できるような者は見当たりませんでした。
ニコラスはデ・ギース卿の元へ出向き、これまでの経緯を明かすと共に謝罪を迫りましたが、ここでニコラスが過去に犯した罪の内容が明らかになっていきました。
かつては敬虔な修道士だったニコライは、ある時ひとりの女性を見初め、戒律を破って結ばれましたが実はその女性は人妻であり、当時は不倫行為は姦通罪として刑罰の対象にあったのです。ニコライは人妻の夫を殺害してしまい、頭を丸刈りにして村から逃げ出していたのです。しかし、事件の真相を暴いているうちに、これまで罪の意識に耐え切れずに逃げるだけだったニコライは、いつしか自らの罪とも向き合うようになっていたのです。しかし、ニコライは無残にもデ・ギース卿によって殺害されてしまいました。しかし、ニコライの行動を見ていた町の人々は遂に勇気を奮い立たせて一斉蜂起、デ・ギース卿がいる城を襲撃し火を放ちました。劇団は燃え盛る城を背に、この町を離れて次の町へと旅立っていきました。
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