秘密 THE TOP SECRETの紹介:2016年日本映画。死者の脳内映像から真犯人を追う警察部隊、通称第九。殺害された人物、および、殺人を犯した人物の脳内映像を自分の脳内に取り込むという危険な行為のため、警察はこの部隊の存在を公にはしてはいなかった。新たに優秀な刑事である青木も配属され、いよいよ第九は正式な舞台として認められようとしていた。しかし、死刑が執行された一家殺人犯の脳内をみたところ冤罪ということが発覚し刑事課と第九は争うことになる。
監督:大友啓史 出演:生田斗真(薪剛)、岡田将生(青木一行)、吉川晃司(貝沼清孝)、松坂桃李(鈴木克洋)、栗山千明(三好雪子)、リリー・フランキー(斎藤純一郎)、椎名桔平(露口浩一)、大森南朋(眞鍋駿介)、ほか
映画「秘密 THE TOP SECRET」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「秘密 THE TOP SECRET」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
秘密 THE TOP SECRETの予告編 動画
映画「秘密 THE TOP SECRET」解説
この解説記事には映画「秘密 THE TOP SECRET」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
秘密ザ・トップシークレットのネタバレあらすじ:起
優秀な若手刑事である青木一行は、第九という部隊に新たに配属される予定です。この第九という部隊は天才と称される室長の薪を率いる大変優秀なメンバーで構成されていますが、警察の中で正式なものとして公表しているものではありません。その理由が、死者の脳内から真実を追うという極めて特殊な行為を行う部隊だからです。死者の脳内に入るためには、第九のメンバーの誰かの脳内に映像を取り込まなければなりません。この時にもっとも注意しなければならないのは、客観的にみないと精神に異常を起こしてしまうということです。殺害された人物、および、殺人をおこした人物の脳内映像をみるということはそれほどに危険なことであり、過去には、脳内映像をみたことで殉職した刑事がいるということも青木は説明を受けました。そしてその殉職した刑事とは、第九の室長である薪と、監察医の三好の同期である鈴木という刑事でした。そのうえで青木は第九メンバーになるべく、死刑が執行された殺人犯、露口浩一の脳内をみることになりました。
秘密ザ・トップシークレットのネタバレあらすじ:承
そこで青木は脳内映像で露口浩一は冤罪だったということを知ることになります。露口浩一は家族を殺害し、死刑判決を受け執行されましたが、実際に脳内に映った映像では、露口浩一の娘である絹子が家族を殺している映像でした。浩一は娘の絹子の罪を被って死刑を受けていたのです。絹子は現在行方不明となっていましたが、映像を見る限り、絹子の慣れた手つきから初めての殺害ではなくおそらく凶悪な殺人犯になり得ていると薪、および青木は判断し、すぐに動き出すように刑事課に指示をします。ところが、露口一家の殺人事件は世間でも大きく話題となったニュースであり、今更冤罪などと公表できないという理由で、刑事課は動こうとはしません。しかし、露口浩一を逮捕した眞鍋刑事は事件の鍵を握るであろうと想定し、半ば強引な方法で捜査メンバーに加え、絹子の行方を第九メンバーおよび眞鍋で追うことになります。
秘密ザ・トップシークレットのネタバレあらすじ:転
絹子の行方を追う上で重要な手がかりは、浩一の脳内映像に映っていた絹子の異常な肉体関係でした。絹子は父親に見せつけるかのように、ほかの男性と肉体関係をもっていたため、脳内映像から複数の男性を割り出すことに成功したのです。しかし捜査中、関係性を持っていた男性のうち5人が同日に自殺するという奇妙な事件が起きました。そしてこの5人に共通することは、史上最悪の大量殺人である貝沼事件の犯人、貝沼清孝と接触があるということでした。捜査が難航する中、絹子は突然弁護士事務所に姿を現しました。絹子は自らを記憶喪失だと主張し、犯罪のことも当然わからないといいます。第九としては絹子を真犯人として犯罪を立証したいところでしたが、脳内映像だけでは証拠不十分で立証できません。そして調査中に、また絹子が犯人ではないかと想定される殺人事件が発生してしまいます。しかも殺害された少年が全盲だったため、脳内を映像化することができません。そのような中、捜査のため殺害現場となった露口家にいた眞鍋と絹子が対峙します。青木もあとを追うように露口家に到着しますが、絹子に操られるかのように眞鍋は自殺してしまいます。青木も足を撃たれ重傷を負います。一方薪は、絹子と貝沼とつながりを調べるために自殺してしまった同期、鈴木の脳内を見ることにします。本来であれば死刑が執行された犯人である貝沼の脳内を見るところですが、貝沼の脳は、鈴木が自殺する前に銃で打ち抜き破損してしまっていたのです。鈴木の恋人であった監察医の三好の協力を得て、意を徹して、薪が鈴木の脳内映像を見ます。そこに映っていたのは、貝沼が大量に殺人をしたのは薪へのプレゼントだと鏡に語りかけている内容だったのです。さらに脳内映像を追うと、貝沼が昔、他人の財布を盗もうとしたところ若き刑事時代の薪が思い止まらせていたのです。そして薪のやさしさによりその犯罪を見逃してやり、さらにはお金を渡す施しを行っていたのでした。殉職した鈴木は、薪にこの映像を見させないために貝沼の脳を撃ち抜いたのです。そして自分の脳も撃ち抜こうとしましたがそれができず、薪に自分を殺すよう指示し、もみ合いになった結果、薪が鈴木を撃ち殺してしまったという内容が鈴木が殉職した真実だったのです。
秘密ザ・トップシークレットの結末
重傷を負って入院している青木は、絹子に殺されたであろう全盲の少年の介助犬の脳内を見るように提案します。その記憶から、絹子が少年を事故死させたこと、さらに絹子の居場所が判明します。絹子のもとへと向かった薪が目にしたのは、花に囲まれ火を放っている絹子の姿でした。病院でリハビリをしていた青木は、絹子事件の報道を見ています。結局、火を放ったはずの絹子の遺体は見つからず、現在また行方不明とのこと。なんとか退院した青木は辞表を薪に提出します。逆に薪からは青木にUSBが渡されました。自宅で青木がUSBの中の映像を見るとそこには、盲導犬からの目線で、笑い合う家族、少女たち、恋人たちの愛に満ち溢れた世界が映っていました。青木は寝たきりの父のもとへ涙を流し、何かを決意したかのように立ち上がるのでした。
生田斗真さんと岡田将生さん、この2人の演技に思わず圧倒されました。思わず目を伏せてしまいたくなるようなシーンもありましたが、とにかく内容が濃いです。この第九のようなシステムが本当に存在すれば、事件の早期解決につながったり、未解決事件がなくなるのではと思いましたが、想像よりもしんどい仕事でいつかこのような機械が開発されるかもしれないと思うとゾッとしてしまいます。