ヴィレッジの紹介:2004年アメリカ映画。深く閉ざされた森の中、奇妙な掟を守って暮らすひとつの村があった。穏やかな村を襲う不気味な異変、そして暴かれる驚愕の真実とは。「シックス・センス」のM・ナイト・シャマラン監督が描く、愛とエゴに彩られたスリラー作品。
監督:M・ナイト・シャマラン 出演者:ブライス・ダラス・ハワード(アイヴィー・エリザベス・ウォーカー)、ホアキン・フェニックス(ルシアス・ハント)、エイドリアン・ブロディ(ノア・パーシー)、ウィリアム・ハート(エドワード・ウォーカー)ほか
映画「ヴィレッジ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ヴィレッジ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ヴィレッジの予告編 動画
映画「ヴィレッジ」解説
この解説記事には映画「ヴィレッジ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ヴィレッジのネタバレあらすじ:村の掟
1897年、ペンシルベニア州。深い森に囲まれた小さな村が舞台です。村には奇妙な掟がありました。そのひとつが「森に入ってはいけない」というもの。森は村人が「彼ら」と呼ぶ怪物の領域で、互いに不可侵契約を交わしていました。外界から隔絶された平穏な村に、ある日異変が起こります。皮を剥がれた動物の惨殺体が発見されたのです。小さな村に落ちる不吉な影。村に住むアイヴィー・エリザベス・ウォーカーは、盲目ですが明るく活発な女性です。彼女は友人ノア・パーシーがたびたび森に入っていると知り不安を覚えます。一方寡黙な青年ルシアス・ハントは、森を抜けた先にある町に行きたがっていました。しかし村を率いる年長者たちは許しません。納得できないルシアスはこっそり森の中に入り、赤い実の植物を摘んで村に戻りました。赤は「彼ら」を呼び寄せる色として、禁じられているにもかかわらず。
ヴィレッジのネタバレあらすじ:「彼ら」の襲来
夜、見張り台で番をしていた村人が赤いローブを着た何かを目撃します。「彼ら」がやって来たのです。警鐘が響き渡り、村人は各家の地下に逃げ込みます。しかしアイヴィーは、ルシアスがまだ外にいるはずだと玄関を開け放ったまま動きません。獣のような怪物が彼女に近づきます。恐怖に竦むアイヴィーは間一髪でルシアスに手を引かれ、地下に逃げ込みました。不安と恐怖に怯える村人たち。翌朝、家の戸には警告を示す赤い印が残されていました。
ヴィレッジのネタバレあらすじ:ルシアスとの恋
不安の中、アイヴィーの姉の結婚式が行われます。村人は楽しい時間を過ごしますが、突如子どもの悲鳴が響きます。「彼ら」を見たと言う子どもたち。移動した村人が目にしたのは、ばらまかれた動物の惨殺体でした。まだ夜も明けきらないころ、アイヴィーはポーチにルシアスがいると気づきます。ルシアスは自分が村に災いを呼び込んだと悔やんでいました。二人は秘めていた愛を告白し、結婚の約束をします。翌日、二人の婚約を知ったノアがルシアスの家を訪れます。そして彼をナイフで刺してしまいました。ノアもまたアイヴィーを慕っていたのです。ルシアスを助けるには村には無い薬品が必要です。町にならあると考えたアイヴィーは、森に入る許可を父エドワード・ウォーカーに懇願しました。
ヴィレッジのネタバレあらすじ:禁断の森
二人の男がサポートにつき、ついにアイヴィーは森に入ります。しかし男たちは「彼ら」を恐れ早々に逃げ出してしまいました。アイヴィーは逃げる必要は無いと知っていました。出発前に「彼ら」の正体をエドワードから聞いていたのです。怪物は年長者たちの扮装で、村人を外へ出さないための嘘でした。アイヴィーは森を一人で歩き続けます。途中で深い穴に落ちそうになり必死に這い上がります。そのとき、ふと彼女の鋭敏な聴覚が物音を拾います。アイヴィーの背後に怪物が静かに佇んでいました。恐怖にかられ逃げ出すアイヴィー。やがて先ほど落ちかけた穴の前に戻って来たと気づき、背後から迫る怪物を待ち構えます。襲われる寸前身を翻し、怪物を穴に落とします。穴の底には「彼ら」の衣装を着たノアが横たわっていました。彼はルシアスを刺した罰で閉じ込められていましたが、脱走してアイヴィーを追って来たのです。静かに絶命するノア。しかし盲目のアイヴィーには何も見えませんでした。
ヴィレッジの結末:村の真実
森を囲む塀にたどり着いたアイヴィー。塀を越えた先には付近をパトロールしている警備員がいました。彼の格好は現代人そのものです。ついに村のからくりが露呈します。この映画の舞台は1897年ではなく、現代だったのです。これも年長者たちの嘘でした。森は元々アイヴィーの祖父の持ち物で、エドワードが私財を投じて森の中に村をつくりました。さらに保護区に指定してもらうことで完全な孤立に成功したのです。年長者たちは皆町に住んでいましたが、大切な人を犯罪によって奪われていました。心に傷を負った人間が、犯罪の無い無垢で素朴な理想郷をつくろうとして生まれたのが「村」だったのです。目の前に広がる現代社会はアイヴィーには見えません。警備員の親切で薬品を手に入れたアイヴィーは急いで村へ戻ります。こうして村は再び森に閉ざされ、この物語も終わりを迎えます。
以上、映画ヴィレッジのあらすじと結末でした。
「ヴィレッジ」感想・レビュー
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映画の初期に描写されていますが、アイヴィーは光の色でノアを識別しています。映画を観ている人には怪物に見えていますが、怪物を穴に落とした時にはアイヴィーにはノアの光が見えていました。アイヴィーは、恋人に危害を加えたノアを事故に見せかけて殺害したと推定されます。
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アイヴィーは本当に怪物を倒したと思っていると思います。最初ノアが怪物の衣装を見に纏って現れたときずっと本当に恐れていたし、ルシウスが死にかけていたとき彼女は色が見えないと怖がっていました。 穴に落ち絶命仕掛けているノアを見てもアイヴィーはノアだとは思わなかったはずです。
好きなシーンはポーチで愛を告白する2人と、ジェシーアイゼンバーグさんが可愛いのと、毎度出演するシャマラン監督です笑
とても好きな映画なので感想を書いてしまいました。 -
↑アイヴィーは怪物はいないと説明されているので追いかけて来たのがノアだと気付いていると思います(色で)。怪物が現れて怖がったのは、恋人を刺したノアを閉じ込めたにも関わらず突然現れたからですよね。
この映画の魅力のひとつは、盲目の少女が愛する男のために、魔が住むとされる森へ果敢に入っていく、という点にあります。
一般公式に直すと、非力な者が強大な敵に立ち向かう、ということになります。
これは日本的な浪花節であり、つまりは「泣かせ」だと思います。
スーパーマン的なヒーローが手ごわい敵と戦い勝利する、という映画でスカッとするのもいいですが、こうした「泣かせ」に乗せられて、「主人公ガンバレ!」と応援するのもまた映画の楽しみだと思います。