ゼロの未来の紹介:2013年イギリス,ルーマニア,フランス,アメリカ映画。人生の意味を探る男性の姿を描いたSFドラマ。孤独に生きるコーエンは、人生の意味を教えてくれるはずの「ある電話」を心待ちにしていた。そんな折、仕事で「ゼロの定理」の解析を命じられる。「ゼロの定理」を通じて恋や友情に出会っていくコーエンは、人生の意味を見出すことが出来るのか。
監督:テリー・ギリアム 出演者:クリストフ・ヴァルツ(コーエン・レス)、デヴィッド・シューリス(ジョビー)、メラニー・ティエリー(ベインズリー)、ルーカス・ヘッジズ(ボブ)、マット・デイモン(マネージメント)ほか
映画「ゼロの未来」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ゼロの未来」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ゼロの未来の予告編 動画
映画「ゼロの未来」解説
この解説記事には映画「ゼロの未来」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ゼロの未来のネタバレあらすじ:孤独なプログラマー
舞台はコンピュータに支配された近未来。大企業マンコムに勤めるプログラマー、コーエン・レスは、非常に優秀ですが他者との接触を極度に恐れる変わり者です。火事で廃墟となった教会に1人で住み、一人称は「我々」。そんな彼は長年「ある電話」を心待ちにしており、それを取り逃さないためにも在宅勤務を切望していました。上司ジョビーに誘われたパーティで、会社のCEOでマネージメントと呼ばれている男性に会ったコーエンは、在宅勤務に変更してくれるよう懇願します。しかしマネージメントの理解は得られませんでした。その後コーエンは扇情的な美女ベインズリーと知り合いますが、他人を恐れる彼は逃げるようにパーティ会場を後にします。後日、コーエンは新しいプロジェクトを任されることになりました。マネージメントは「ゼロの定理」を証明出来る人間を探しており、コーエンに白羽の矢が立ったのです。念願の在宅勤務を許されたコーエンは、早速ジョビーから詳しい説明を受けました。
ゼロの未来のネタバレあらすじ:「ゼロの定理」
コーエンが連れて行かれたのは、ニューラル・ネットワーク・マンクライヴと呼ばれるマネージメントの頭脳の中枢でした。コーエンが解析したデータはここに送られる予定です。自宅に戻ったコーエンは仕事を始めますが、何度挑戦しても定理の証明に至りません。AIの厳しいスケジュール管理に追われ、意欲すら失ってしまうコーエン。その後現地調査と称してジョビーが訪ねて来ました。コーエンはゼロの定理は証明出来ない、筋が通らないと訴えます。しかしジョビーは神経過敏になっているのだと慰め、仕事の続行を促すのでした。
ゼロの未来のネタバレあらすじ:出会い
鬱々とした日々を送るコーエンのもとへ、ジョビーの計らいでベインズリーがやって来ました。刺激的な格好で誘惑するベインズリーに促され、コーエンはずっと待っている「ある電話」について説明します。昔、コーエンは普通とは違うユニークな感覚を持ちたいと考えていました。しかし客観的に見て自分はありふれた存在でしかないと気付き、落胆します。そんなある夜、彼の元に電話がかかって来ました。電話からはコーエン・レス、と声がします。コーエンはその声に果てしないパワーを感じ、喜びに震えました。その声が人生の意味や理由を明かしてくれると分かったからです。しかしコーエンは興奮のあまり受話器を落としてしまい、通話は途絶えました。以来その電話が再びかかってくるのを待ち続けているのです。それを聞いたベインズリーは、「力になるわ」と言いました。別の日、今度はマネージメントの一人息子ボブが訪ねて来ます。15歳にしてハードウェアの天才と謳われる彼は、マネージメントからコーエンを手伝うよう命令されていました。ボブはコーエンもジョビーもマネージメントの道具であり、ベインズリーも雇われたコールガールでしかないと教えます。しかしコーエンはベインズリーの言葉を信じていました。ボブの帰宅後やって来たベインズリーは、VRスーツを渡し真夜中に自分のサイトをクリックするよう指示。言われた通りにしてみると、コーエンは南国の砂浜のような場所で目を覚ましました。そばには水着姿のベインズリーがいます。彼女がコーエンのために作ったという世界で、2人はキスを交わしました。
ゼロの未来のネタバレあらすじ:幸福と別れ
コーエンは図らずもボブと親交を深めていました。ある日、ボブは「ゼロの定理」について持論を話します。全てはブラックホールに飲み込まれ、0(ゼロ)次元である「点」に収縮され消えると話すボブ。コーエンはそんな恐ろしいことは誰も信じないと否定します。コーエンは救いを求めるようにベインズリーのサイトに通いました。ある日ベインズリーに促されたコーエンは目を閉じて「特別な場所」を想像します。目を開けると、2人は全裸でブラックホールに飲み込まれていました。ベインズリーはコーエンが抱える孤独を感じ、彼に惹かれていきます。しかしベインズリーに夢中のコーエンは強引に関係を迫り、強制的に弾き出されてしまいました。その後VRスーツを着用せずベインズリーのサイトにアクセスしてみると、ただ服を脱いで来訪者を誘う彼女の姿が映されます。コーエンが見ていると知ったベインズリーは動揺し、コーエンも無言でアクセスを切りました。それを知らないボブは、VRスーツを「魂を捜す装置」に作り替えます。コーエンが待っている電話は空想の産物であり、コーエンの魂から来るものだと話すボブ。そこに消沈したベインズリーが訪ねて来ました。彼女は始めこそジョビーの依頼でコーエンに近付きましたが、現在はコーエンを心から愛しています。しかし意固地になっているコーエンはベインズリーを拒否してしまい、彼女は力なく去っていきました。それに腹を立てたボブはコーエンを外に連れ出します。互いの心の内を話した2人は距離が縮まり、教会に戻ったコーエンの一人称が「私」になっていると気付いたボブは嬉しそうに笑いました。ところが直後にボブが倒れてしまいます。コーエンが懸命に看病しますがボブは眠り続け、翌日マネージメントの部下によって連れて行かれてしまいました。この件で責任を問われたジョビーは失職し、コーエンに恨み言をぶつけます。コーエンは再び1人きりになってしまいました。
ゼロの未来のネタバレあらすじ:人生の意味
コーエンはVRスーツを着て自分の魂にアクセスしようとしますが、リンクエラーで感電してしまいます。気付くと彼はニューラル・ネットワーク・マンクライヴにいました。現れたマネージメントは、入院したボブの容体が良くないと話します。マネージメントは「全ては無」であると証明したいのではなく、「無秩序は金になる」という考えから「ゼロの定理」の解析を望んでいました。プロジェクトをコーエンに任せたのは、彼がプロジェクトとは正反対の、いわば「信念の人」だったからです。電話を待つあまり無意味な人生を送ったとコーエンを評したマネージメントは、解雇を通告して消えます。怒り狂うコーエンがハンマーを手に暴れると、空間が崩れてブラックホールが現れました。それを見下ろしたコーエンは清々しい笑顔で身を投じます。気が付くとコーエンはベインズリーと過ごした砂浜に1人で立っていました。海に沈もうとする夕日を見つめ、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画ゼロの未来のあらすじと結末でした。
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