ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命の紹介:2016年チェコ,イギリス,アメリカ映画。アメリカの作家ダイアン・アッカーマンによるノンフィクション『ユダヤ人を救った動物園 ヤンとアントニーナの物語』を基に製作された歴史ドラマです。第二次世界大戦中のワルシャワ動物園を経営していたジャビンスキ夫妻がナチスに迫害されるユダヤ人を動物らと共に動物用の檻に匿った実話を描きます。
監督:ニキ・カーロ 出演者:ジェシカ・チャステイン(アントニーナ・ジャビンスカ)、ヨハン・ヘルデンベルグ(ヤン・ジャビンスキ)、ダニエル・ブリュール(ルーツ・ヘック)、マイケル・マケルハットン(イエジク)、イド・ゴールドバーグ(マウリツィ・フランケル)、エフラット・ドール(マグダ・グロス)、シーラ・ハース(ウルシュラ)、ティム・ラドフォード(リシャルト・“リシュ”・ジャビンスキ)、ヴァル・マロク(若年期のリシャルト・“リシュ”・ジャビンスキ)ほか
映画「ユダヤ人を救った動物園」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ユダヤ人を救った動物園」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命の予告編 動画
映画「ユダヤ人を救った動物園」解説
この解説記事には映画「ユダヤ人を救った動物園」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命のネタバレあらすじ:起
1939年。ポーランド・ワルシャワにあるワルシャワ動物園は園長のヤン(ヨハン・ヘルデンベルグ)と飼育員のアントニーナ(ジェシカ・チャステイン)のジャビンスカ夫妻によって運営されていました。しかし、第二次世界大戦の足音は次第にワルシャワにも迫っており、続々と人々が疎開を始めるなか、アントニーナは動物園の動物を守るためワルシャワに残る決断をしました。
9月1日、ワルシャワはドイツ軍の空襲にさらされ、逃げ出した象はポーランド軍に射殺され、動物園も破壊されてしまいます。ポーランドはドイツの占領下となり、動物園は武器庫にされることが決まってしまいます。悲観に暮れるアントニーナにドイツの動物学者ルーツ・ヘック(ダニエル・ブリュール)が近づき、戦争が終わったら返還することを条件に希少動物をドイツで預かりたいと申し出ました。アンナは申し出を受けることにしましたが、ヤンはヒトラーに近いヘックに動物を預けることに強い懸念を示していました。
ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命のネタバレあらすじ:承
1940年10月、ドイツによるユダヤ人迫害はより一層熾烈を極め、捕えられたユダヤ人たちはゲットーに連行されていきました。ジャビンスカ夫妻の友人であるユダヤ人のマウリツイ(イド・ゴールドバーグ)も連行され、アントニーナは密かにマウリツイの妻マグダ(エフラット・ドール)を地下へと匿いました。続いて夫妻は豚の養殖を口実にゲットーへの通行書を入手、マウリツイやユダヤ人教育者のヤヌシュ・コルチャック(アルノシュト・ゴールドフラム)らに密かに食事を提供、子供たちを豚のエサとなる生ゴミの中に隠してワルシャワから脱出させていきました。
夫妻はドイツ軍から暴行を受けていた少女ウルシュラ(シーラ・ハース)を自宅に匿いました。ウルシュラは動物園の生き残っていたウサギを大層可愛がり、弟と同じ“ピョードル”と名付けました。
ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命のネタバレあらすじ:転
夫妻はヤンの友人である昆虫学者シモン・テネンバウム(マルティン・ホフマン)の友人ゲットーの労働局長ツィーグラー(ヴァルデマル・コブス)の協力も得て次々とユダヤ人をワルシャワから脱出させる一方、女と子供は自宅の地下で匿いました。やがてヤンはマウリツイを助け出す事に成功、妻との再会を喜んだマウリツイは夫妻がユダヤ人を匿っていてくれたことに感謝の涙を流しました。しかし、かねてからアントニーナに好意を抱いていたヘックは彼女に執拗に迫るようになり、ヤンは強い不満を抱きました。
1942年8月、ユダヤ人のゲットーから強制収容所への移送が開始され、多くのユダヤ人たちが無残な死を遂げていきました。1943年になると逃がしたユダヤ人親子が射殺されてしまい、アントニーナは深く落ち込んでしまいます。やがてゲットーは一掃され、ヤンはドイツに抵抗して地下活動に加わるようになっていきました。
ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命の結末
1944年8月、ポーランド軍はドイツに対して蜂起、ヤンも戦いに加わりますが負傷してしまい、捕虜収容所へと連行されていきました。やがてソ連軍の進撃も開始され、戦局はより一層混迷を深めていきました。
1945年1月、敗色濃厚となったドイツはベルリンへの撤退準備を開始、アントニーナはヘックからヤンの消息を聞こうとするも強引に身体を求められました。拒絶したアントニーナの態度にヘックは彼女が何か隠し事をしているのではないかと気付き、やがて隠れ家の存在に気付き捜索を開始しました。アントニーナはあらかじめユダヤ人たちを動物移送用のトラックで逃がしており、ヘックは彼女を罵りながら去って行きました。
終戦から1年後の1946年、アントニーナは子供たちを連れてワルシャワ動物園に戻り、生き残ったユダヤ人たちも続々と戻ってきました。そしてアントニーナは死んだと思われていたヤンと再会を果たしました。その後、アントニーナとヤンは300人のユダヤ人を救った功績を讃えられ、イスラエルからヤド・ヴァシェム賞を授与されました。
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