透明花火の紹介:2019年日本映画。第10回田辺・弁慶映画祭で映画.com賞を受賞した野本梢監督の初長編作品。映画「僕たちは変わらない朝を迎える」で主演を務めた高橋雄祐が、主人公の淳を演じる。ナンパ塾を経営する淳は、認知症を患っている祖母と二人で暮らしています。ある日淳は…。
監督:野本梢 出演者: 高橋雄祐(円城淳)、清水尚弥(立花圭太)、安藤輪子(藤原楓)、 根矢涼香(新井理恵)、みひろ(長谷川真希)、ほか
映画「透明花火」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「透明花火」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「透明花火」解説
この解説記事には映画「透明花火」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
透明花火のネタバレあらすじ:淳の話
ナンパに成功する円城淳(高橋雄祐)は、認知症の祖母・ゆきと二人で暮らしています。ゆきは、孫の淳のことが誰だかわかっていないようです。急に立ち上がるゆき。そのままお漏らしをしてしまいました。淳は手慣れた様子でその場を掃除します。
ある日、花火のチラシを見ていたゆきが、うれしそうに微笑みます。普段はあまり会話のないゆきですが、淳が花火のことを尋ねると、昔の話を聞かせてくれました。
淳がゆきを外へ連れ出します。その夜、淳に花火大会に一緒に行こうと誘うゆき。淳は「いいよ」と返事をします。
淳は塾に生徒が集まるように、サクラの女性を雇っていました。ある日このことが生徒にばれてしまいます。ゆきのこともあり、ナンパ塾を辞めることにした淳。ちょうどこの日は花火大会で、淳は急いでゆきの元へ急ぎます。その淳に殴り掛かる塾の生徒。騙されていたと知った生徒が一方的に淳を殴りつけます。淳はただ謝るしかできません。
その後、傷だらけの淳が帰宅。ゆきは血を流す淳を見て驚きます。「花火大会遅くなったけど行こう」と、淳がゆきの胸で泣きます。
透明花火のネタバレあらすじ:圭太の話
女性経験のない立花圭太(清水尚弥)は、このことが原因で女性にフラれたばかりです。童貞であることを引け目に感じている圭太。ある日友人の田中に誘われ、圭太がナンパ塾の講義を受けます。
講義のあと、淳に誘われ街に出る圭太と田中。淳からナンパするよう指示されます。恐る恐る女性に近づく圭太。映画館がないか尋ねると、女性が「映画が好きなんですか?」と圭太に質問し、すぐに二人は意気投合します。電話番号を交換することができた圭太は、自信が湧いてきました。
圭太がうまくいったのを目の当たりにした田中が、早速ナンパを始めます。田中が武田絵美の肩に触れ、声を掛けようとします。すると「気持ちわる!」と絵美に激怒されてしまいました。
その後日雇いのバイト先で、圭太は絵美と一緒になります。花火大会のポスター貼る圭太と絵美。公園で弁当を食べようとした絵美が、割りばしを落としてしまいました。圭太がすかさず自分の箸を渡してやると、絵美が急に泣き出します。
圭太が戸惑っていると、絵美が「浮気したことある?」と聞いてきました。付き合っていた彼氏に浮気された絵美。男はみんな浮気すると決めつける絵美に、「僕は浮気はしない」と圭太が言います。別れ際、圭太が連絡先を尋ねると、意外なことに絵美がすんなりと番号を教えてくれました。
その後、絵美と何度かデートすることになった圭太。意を決して絵美を家に誘います。ようやくこの日、圭太は絵美と結ばれました。それからも絵美とは順調な関係を続ける圭太。
ある日田中から電話があります。以前圭太がナンパした女性は、淳が仕込んだサクラだとわかります。ナンパしてうまくいかなければ、授業料の5万円を返すとうたっていた淳。騙されていたと知った田中が憤慨します。言い訳を並べる淳が、一枚の写真を見せます。そこには淳と絵美が写っていました。
圭太は、絵美に淳のことを知っているか尋ねます。絵美は、淳と一度だけ寝たことがあると告白。圭太は、絵美が誰とでも寝るような女だと知りショックを受けます。絵美と喧嘩別れしてしまった圭太。
一緒に行くはずだった花火大会の日、圭太は絵美に謝りに行くことにします。久しぶりに会った絵美は、圭太が謝罪しても許す様子はなく、「圭太ももっと女性と付き合うべきだよ」と言い、去って行きました。圭太は、絵美と見るはずだった花火を一人で見上げます。
透明花火のネタバレあらすじ:楓の話
大学卒業後、就職できず居酒屋でバイトをしている楓(安藤輪子)。ある日、偶然高校の同級生・ようこと出くわします。高校を卒業して7年ぶりの再会に盛り上がる二人。連絡先を交換した二人は、後日同級生四人で集まることになりました。
ようこはホテルで働いています。一人は妊娠しており、もう一人は薬剤師をしていて、みんなの幸せそうな姿を見た楓は、マンガ家の夢が叶ったと嘘をつきました。
その後もようこと頻繁に会う楓。ようこと会うためだけに、ネットで洋服を購入します。消費者金融からお金を借りるようになった楓。
ある日、ようこから一冊の漫画を見せられました。「私たちの高校時代に似てない?」と言われ、作者は楓なのかと聞かれます。楓はつい「うん、そう…」と嘘をついてしまいます。楓の嘘を信じてしまったようこは、友人に楓が描いたと言った漫画を紹介します。すると楓の嘘が発覚。
嘘がばれた楓が、はじめてようこを家に入れます。就職がうまくいかず、ずっと居酒屋でバイトをしていることを打ち明ける楓。すべてを知ったようこが、花火大会に誘います。「今日はいいかな」と断る楓。夢だった漫画家を再び目指すため、机に向かう楓がふと外を見ると、花火が見えるのでした。
透明花火のネタバレあらすじ:理恵の話
女子高校生の理恵(根矢涼香)は、親友のかおり(手島実優)の恋愛を手伝うことになります。かおりが恋をした相手は、別の高校に通う長谷川達也でした。彼の家の前で待ち伏せし、ゴミ袋の中から模試の結果を見つける理恵。
達也は実の母親を亡くし、その後実の父親も亡くしています。今は父親の再婚相手である真希(みひろ)と気まずい二人暮らしを送っています。模試には福岡にある大学の名前がありました。達也が遠く離れた福岡の大学を受けることを知り、かおりまでもが福岡の大学に行くと言い出します。
達也が進路相談会に参加することを知った理恵が、かおりにこのことを伝えます。するとかおりに無理やり連れられ、理恵も進路相談会に参加することになりました。
達也とかおりが仲良さそうに話す姿を見て、理恵は内心複雑です。かおりと達也は、花火を見に行く約束をしました。しかし当日になり、かおりは親に携帯を取り上げられてしまいます。テストの点数が悪かったからです。かおりは、理恵の携帯から達也に連絡してほしいと頼みます。
すると理恵は、達也の連絡先を知らないと嘘をつきました。理恵はかおりを花火大会へ誘いますが、かおりが達也の家に行くと言い出します。途中達也と偶然出会い、理恵が達也の番号を知っていることが判明します。
かおりは、「もし理恵が達也君のことを好きなら、達也君のこと好きにならない」と言います。達也よりも理恵が大事だと言われ、理恵はかおりと達也のことを応援していると嘘をつきました。
その後三人で花火大会へ行きます。かおりは達也と花火を見上げてうれしそうです。そんな二人を後ろから見ている理恵。
透明花火の結末:真希の話
真希は、バツイチの男性と結婚します。最初はお金目当てでした。しかし次第に相手のことを本気で好きになっていった真希。男性には前妻との息子・達也がいました。男性が亡くなって、血のつながらない達也との二人暮らしが始まります。
思春期の達也は、真希のことを避けています。どうすれば達也と仲良くなれるか悩む真希。作った食事もまともに食べてもらえず、真希は困ってしまいます。
ある日達也の部屋を掃除していると、福岡の大学のパンフレットが出てきました。達也が家を出て行こうとしていることを知る真希。
その後達也との関係をよくしようと、真希が花火大会に誘います。しかし達也から断られてしまいました。真希は、わざわざ福岡の大学に進学する必要があるのか尋ねます。すると達也から「どうせお金目当てで結婚したくせに!」と言われてしまいました。真希はこれまでずっと我慢して押さえてきたことを達也にぶつけます。
花火大会の日、真希はロールキャベツを作りました。珍しく食卓を囲む達也は、実はロールキャベツが嫌いなのだと打ち明けます。その後花火大会に出かけて行く達也。洗濯物を入れる真希が、夜空に輝く花火を見上げます。
以上、映画「透明花火」のあらすじと結末でした。
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