敦煌の紹介:1988年日本映画。井上靖の同名小説を基に日本・中国の合作で巨費を投じて製作された歴史ドラマです。戦乱の混乱期にあった11世紀のシルクロードを舞台に、敦煌の文化遺産を守ろうとした青年の奮闘を描いています。
監督:佐藤純彌 出演者:西田敏行(朱王礼)、佐藤浩市(趙行徳)、柄本明(呂志敏)、田村高廣(曹延恵)、中川安奈(ツルピア王女)ほか
映画「敦煌」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「敦煌」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「敦煌」解説
この解説記事には映画「敦煌」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
敦煌のネタバレあらすじ:起
11世紀、宗王朝時代の中国大陸。趙行徳(佐藤浩市)は科挙の最終試験を受けるために、首都・開封府にやってきました。行徳に出された問題とは、当時中国北西部で勢力を拡大しつつあった“西夏”への対策を述べよ、というものでした。しかし行徳は、西夏は単なる辺境の地だと思っていたので、問いにはまともに答えられず、結果試験に落第してしまいます。次の科挙は3年後。すっかり失望した行徳はたまたま女郎になることを断り追っ手に追われていた行きずりの西夏の女(三田佳子)を助け、お礼として西夏への通行証を受け取ります。通行証に書かれていた、漢字とはまた違った西夏独自の文字に興味を持った行徳は西夏行きを決意しました。
敦煌のネタバレあらすじ:承
行徳は尉遅光(原田大二郎)率いる隊商に混ざり、西夏を目指して砂漠をひたすら歩いていました。途中のオアシスで一息ついていた一行は、西夏軍の漢人部隊の兵士狩りに遭遇し、にわか兵士に仕立てられました。西夏軍の隊長・朱王礼(西田敏行)は、漢人でありながら西夏の皇太子・李元昊(渡瀬恒彦)に仕えており、各地を転戦とする最中に元昊は部隊の謁見に訪れ、行徳の持つ通行証に注目したのをきっかけに、行徳は王礼の書記担当に抜擢されます。西夏に着いた行徳は、シルクロードの拠点として栄えている街並みに驚きました。この時代は宗の周囲で騎馬民族たちが激しくしのぎを削っており、西夏軍がウイグルを攻略した際、行徳は偶然にもウイグルの王女・ツルピア(中川安奈)を助け、匿うことにします。やがて行徳とツルピアは愛し合うようになりましたが、行徳は元昊の命を受けて西夏の首都・興慶へ1年間の留学が決まりました。行徳はツルピアを朱王礼に託し、1年後には必ず戻ると告げて旅立ちました。
敦煌のネタバレあらすじ:転
行徳はかつて科挙を受けていたことから、抜群の速さで西夏の文字を習得していきました。更に行徳は仏典の翻訳・編纂を命じられ、当初は1年間の予定だった留学期間もいつしか2年にまで延びていました。ようやく留学を終えて戻ってきた行徳でしたが、ツルピアは民族融和策のために西夏の王となった元昊との政略結婚が決まっていました。行徳は王礼を責めますが、王礼は実は自分もツルピアに想いを寄せていたと打ち明けます。そして婚礼の日、最後まで結婚を拒んだツルピアは城壁から身を投げて果てました。怒りに燃える王礼は元昊への復讐を企て、敦煌府の太守・曹延恵(田村高廣)を味方につけました。行徳も王礼に伴われて敦煌を訪れます。そして遂に元昊の軍勢は敦煌の城に攻め入り、壮絶な内乱の火蓋が切って落とされました。
敦煌の結末
王礼はあと一歩のところで元昊を逃がしてしまい、元昊軍の猛烈な報復により敦煌の街は火の海に包まれました。王礼は行徳を逃がした後、敵軍に突入して壮絶な最期を遂げました。街では僧侶や一般市民らが貴重な仏教遺産や書籍。美術品などを戦火から守ろうと奮闘しており、行徳も彼らを手伝うことにしました。行徳は隊商を騙して敦煌の郊外にある莫高窟に案内させ、数万点にも及ぶ書籍や美術品が運ばれていきました。全てが終わり、封印が終わった際に隊商は協力者たちを皆殺しにし、激怒した行徳は隊商を斬殺しました…。
それから900年後、莫高窟の発掘調査が行われ、貴重な歴史的財産が数多く発見されました。しかし、その大半は欧米列強によって国外に持ち出され、中国国内に残ったのはわずか1万点にすぎませんでした。
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