丑刻ニ参ルの紹介:2015年日本映画。脚本家を目指す健二が、深夜2時前に通りかかった山道で、木に5寸釘で人形を打ち付ける女を見たことで、その女に追いかけられ恐怖を味わうという内容の和製ホラー映画です。草木も眠ると言われる丑の刻を舞台に、昔ながらの呪いの儀式に、ジャパニーズホラーをエッセンスした作品です。
監督:川松尚良 出演者:小野塚勇人(健二)、恒吉梨絵(美帆)、白須慶子(丑刻参りの女)、大竹一重、ほか
映画「丑刻ニ参ル」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「丑刻ニ参ル」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「丑刻ニ参ル」解説
この解説記事には映画「丑刻ニ参ル」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
丑刻ニ参ルのネタバレあらすじ:起
深夜、リサイクルショップでバイト中に脚本を書いていた健二が、上司に叱られ荷物運びをやらされます。古い箱を運んでいた健二が変な匂いが気になり中を見ると、夜叉参りの本と、公害調査の写真集があります。夜叉参りには丑の刻参りが絵付きで書かれていて、公害の本は、奇形で生まれた子供たちの写真がたくさん載っています。同僚に聞くと「孤独死した人のものだ」と言います。
朝、自宅マンションに帰ると女性3人がドアを叩いて「美帆!」と呼んでいます。美帆の姉と友人だと言う3人を追い払った健二が部屋に入ると、恋人の美帆が毛布にくるまって怯えていました。心の病気に悩む美帆は、部屋から一歩も出ず、物事を全て悲観的に考えています。
そんな時、健二に高校時代の同級生から電話が入ります。同じ映研の仲間だった坂田や後輩らで「今から同窓会やるぞ、飲みに来い」と言うのです。電話の向こうでは「お前本当に脚本家目指しているのか?」などと健二をバカにする会話が聞こえます。行きたくない健二に、美帆がしつこく「行っていいよ」と言った事から口論になり、健二は部屋を飛び出してしまいます。
丑刻ニ参ルのネタバレあらすじ:承
自転車に乗り、カフェで妹に会います。妹は母からの仕送りを健二に渡しているのです。妹は精神病の彼女と暮らし、望みのない脚本家を目指す健二に、あきれ果て帰って行きます。
深夜2時前、スマホで音楽を聞きながら自転車で山道を抜けていると、電池切れになってしまいます。ヘッドフォンを外した健二に、何かを叩く音が聞こえます。気になって森の中を覗くと、白装束の女が木に人形を5寸釘で打ちこんでいます。あまりの光景に怖くなった健二は、気づかれないように逃げ出し中華料理店に入ります。
この出来事を脚本に使おうとノートにメモ書きし、スマホの充電もできた健二は、さっきの山に戻ります。深夜2時を回り、女が人形を打ちこんでいた場所を探します。するとそこらじゅうの木に、何十体もの人形が打ちこまれています。怯えながら視線を変えた健二は、目の前に面を被ったさっきの女が立っているのを見ます。
健二は恐怖でその場を逃げ出します。女は健二をどこまでも追いかけます。国道に出て、健二が立ち止まると女とぶつかり面が取れます。その顔は半分目玉が垂れさがり、指は3本しかありません。あの写真で見た奇形でした。信号待ちの車のカップルに助けを求めますが、カップルにも女が襲いかかり、車は壁に激突してしまいます。健二は近くのスナックへ逃げ込みます。
丑刻ニ参ルのネタバレあらすじ:転
警察を呼んでもらい、交番で話をすると、警官が「君が見たのは丑の刻参りだ。昔あの場所に神社があったんだ。でもお参りの人が多くなり別の場所に移動したんだよ。それより事故をしたカップルが見当たらない」と言います。
やがて交番にも女がやって来て、警官を襲います。健二は交番を飛び出しアルバイト先の倉庫へ逃げ込みます。そして夜叉参りの本を読みます。そこには丑の刻参りの事が細かく書かれていて、呪いの儀式の最中に誰かに見られたら、呪いが失効し鬼になれない。呪いを復活させるためには目撃者を殺さないといけないとあります。健二は美帆に電話しますが出ないため、坂田に電話します。坂田は「西高の体育館に来い」と言います。
その時、倉庫に不良達がやって来ます。拉致した女を痛めつけようと道具を探しています。その隙に健二は不良達の車に乗りこみ隠れます。不良達が戻って来て車を走らせると、あの女が襲ってきます。そして女の後ろには、呪われて気が狂ったカップルと警官がいたのです。
襲われる不良達を見ながら健二は体育館に入ります。すると坂田たちは健二を痛めつけるために取り囲みます。高校時代の事を話しながら健二を暴行します。同級生のユリは、健二のスマホを奪い美帆に電話し「私、健二の彼女よ」と言います。「ヤメロー」と叫ぶ健二でしたが、体育館へもあの女、そして呪われた警官、カップル、不良達がやってきて、坂田たちを全員呪ったのでした。その隙に逃げる健二、女は健二のスマホを拾い上げます。
丑刻ニ参ルの結末
自宅マンションの住人が全員呪われ健二を追いかけます。海へ逃げた健二が女に追い込まれます。その時、工場のサイレンが鳴りはじめます。その音に女は苦しみだし倒れ込みます。健二は石を持ち上げ女を殺そうとしてやめます。
あの神社のあった場所の裏に、池があって底が海とつながっていました。満潮時、汚染された海水が池に流れ込み、その水を飲んでいた住民たちから奇形の子供が生まれていたのでした。そのころ女は、家で自分の顔に釘や針金を刺して鬼になろうとしていました。
部屋に戻った健二は、浴室で首を吊っている美帆を見つけます。そばには遺書があって「私がいないほうがいいと教えてくれてありがとう」と書かれています。健二は泣きじゃくります。
同級生の恵から電話があり、会いに行くと保健所に勤める同級生の女性がいて「覚えてる」と言いながら鍵を渡します。惠とその家に向います。あの女が育った家で、しばらく人が住んでいません。部屋にアルバムがありめくっていくと、女の母は車いすで、幼いあの女は奇形で生まれています。そして昭和59年に手術をした後の写真がありますが、女の顔は綺麗にはなっておらず、指は3本のままでした。
健二はマンションを出ます。そして今まで通り、リサイクルショップでアルバイトをし、脚本を書いているのでした。そして今度は母へのお金を妹に渡します。
以上、映画「丑刻ニ参ル」のあらすじと結末でした。
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