アーニャは、きっと来るの紹介:2020年イギリス,ベルギー映画。フランス、ピレネー山脈の小さな村レスカンに住む13歳のジョーは生活の大半を羊飼いとして過ごしていた。しかし平和な村にも戦争の影が近付き、あっという間にナチスニ占領されていく。そんな中、ジョーは村で住むところを追われて逃げて来たユダヤ人たちと出会う。さらにドイツ兵との関わりの中で、彼らの境遇や人生を知る。ジョーは人との連帯感や思いやりを学びながらユダヤ人の子供たちを救出するために奔走する。
監督:ベン・クックソン 出演:ノア・シュナップ(ジョー・ラランド)、ジャン・レノ(アンリ-/ジョーの祖父)、アンジェリカ・ヒューストン(オルカーダ/ベンジャミンの義母)、トーマス・クレッチマン(ホフマン/ナチス伍長)、フレデリック・シュミット(ベンジャミン)、トーマス・レマルキス(ナチス中尉)、エルザ・ジルベルスタイン(ジョーの母)、ジル・マリーニ(ジョーの父)、デクラン・コール(ユベール)、ウィリアム・アバディー(ラサール神父)ほか
映画「アーニャは、きっと来る」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アーニャは、きっと来る」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
アーニャはきっと来るの予告編 動画
映画「アーニャは、きっと来る」解説
この解説記事には映画「アーニャは、きっと来る」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アーニャはきっと来るのネタバレあらすじ:起
1942年、第二次世界大戦中のフランス。スペインとの国境ピレネー山脈のふもとに佇む小さな村レスカンで13歳のジョー・ラランドは、兵役に出ている父親の代わりに学校に通いながら羊飼いとして暮らしていました。
ある日のこと、ジョーは襲われかけた熊をきっかけにベンジャミンという男と出会いました。なんとなく気になったジョーは彼のあとをつけて家の中を覗きました。ベンジャミンはナチスの迫害から逃れてきたユダヤ人で、義理の母オルカーダの元で身を隠しながら生き別れた娘アーニャを待っていたのでした。
後日、再びジョーはベンジャミンの元を訪れ、こっそり納屋に忍び込みました。そしてそこに隠れていたユダヤ人の女の子ノアの存在を知ります。
ジョーはオルカーダとベンジャミンに見つかってしまいますが、彼らから、さまざまな地域から逃げ延びてくるユダヤ人の子供たちを山の向こうの安全なスペインへ逃すという、危険極まりない計画を企てていることを聞かされました。
子供たちを納屋にかくまいながら脱出する機会をうかがっていたのでした。ジョーは2人に秘密を守ることを約束しました。
アーニャはきっと来るのネタバレあらすじ:承
平和なレスカンにもついにナチスドイツの影が忍び寄ってきました。冷酷なナチス中尉は昼夜問わず村じゅうを雨の日も極寒の日も欠かすことなくパトロールするよう命じました。スペインへの亡命はますます困難になっていきました。
ある日ジョーは祖父のアンリと歩いているときに偶然山から下りてきたオルカーダに会い、ショッピングボーイの仕事を任されました。それは次々と増えていくユダヤ人の子供たちに食料を供給する重要な役目でもありました。
祖父もまた、オルカーダに協力していることを知ったジョーは心強い味方を付け、一層手伝いに気持ちが入りました。
日増しにナチスは巡回体制を厳しくしていきました。
そんな中、ジョーは食料品店でナチスのホフマン伍長と知り合います。「この村は自分が住んでいた村と似ている」と懐かしそうに言うホフマンに、ナチスでありながら他の軍人とは異なるものを感じ親交を深めていくジョー。とくに知的障害を持ったジョーの親友ユベールはホフマンに懐き、ホフマンもまたユベールをかわいがっていました。
そんな中、ホフマンに訃報が届きます。
ベルリンに住んでいた最愛の娘が空襲で命を落としてしまったのです。それからというもの、ホフマンは自問自答を繰り返す日々を過ごしていました。ジョーは、その穏やかな人柄を知ってますます親しくなっていきました。
アーニャはきっと来るのネタバレあらすじ:転
そんな中、ジョーの父親がドイツの労働収容所から帰国しました。彼は戦争捕虜として4年もの長い間苦痛を味わった末、アルコールに逃げ荒んでいました。
そしてジョーがホフマンと親しくしている噂を聞きつけ、厳しく当たります。泣き出すジョーを見て黙っていられなくなった祖父のアンリは、彼にユダヤ人を救出する手助けをしていることを打ち明けました。この作戦を知った父母は2人に協力を約束してくれました。
しかし、この厳しい警戒態勢の中でスペインへ脱出させることは不可能に近いという状況でした。そこでジョーの母が思い切ったアイディアを思いつきます。
それは、ユダヤ人の子供たちを羊飼いに化けさせて、夏の暑い時期に涼しい山の高地へ羊たちを一斉に移動させる“移牧”を使った作戦でした。山の高地まで来てしまえばスペインは目の前。早速この大胆な作戦を成功させるために、ジョーたちはレスカンの村人たち全員に打ち明け協力をお願いしました。
移牧当日。ベンジャミンとユダヤの子供たちも混ざって、羊の群れを伴いながら村を歩きます。ナチス兵たちも、作戦に気付くことなく子供たちを拍手で送りだしました。しかし、そんな中でホフマンだけが違和感を覚えていました。
アーニャはきっと来るの結末
ついに脱出の時がやってきました。
翌日、そわそわしているジョーはユベールから最悪のニュースを受け取ります。ジョーが急いで広場へと向かうと、ナチス兵に連行されているベンジャミンの姿がありました。腕にはノアを抱えています。
スペインの国境で子供たちを逃がしてから村に戻って娘アーニャを待つ予定だったベンジャミンでしたが、ノアがベンジャミンを離しませんでした。ノアに生き別れたアーニャの姿が重なってしまったのです。
ノア以外の子をスペインへ送ったあと、ノアを抱いて村へ引き返すところで、ベンジャミンはナチス兵に見つかってしまったのです。ベンジャミンとノアはナチス兵によってどこかへ連れて行かれました。ジョーは辛い別れに涙が止まりませんでした。
しかしナチスの統治は長く続きませんでした。敗戦のニュースがかけめぐり、ナチス兵は村を出ていくことになりました。
喜びを分かち合う村の人々でしたが、興奮したユベールを容赦なくナチス中尉は射殺してしまいました。これを見ていたホフマンはショックを隠せない表情でしたが、彼にはどうすることもできませんでした。ジョーに訪れた2度目の辛い別れでした。
時が過ぎ、村に春がやってきました。
ノアは祖父アンリとオルカーダの家にいました。そこへ電報が届きます。
“今からいく” 発信者はなんとアーニャでした。
窓の外を見ると、少女がこちらへ歩いて向かってくるのが見えました。それはアーニャでした。ジョーは満面の笑みを浮かべ、アーニャのもとへ走っていきました。
以上、映画「アーニャは、きっと来る」のあらすじと結末でした。
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