映画「水の中のつぼみ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
水の中のつぼみの紹介：2007年フランス映画。思春期の少女達の恋を瑞々しく描くドラマ作品。15歳の少女マリーは、親友アンヌを応援するためアーティスティックスイミング教室の競技大会へ向かった。その中でマリーは一際華やかな魅力を放つ上級生フロリアーヌに目を奪われる。一瞬で彼女に恋をしてしまったマリーは、何とかして近付こうと必死に努力した。そんな日々を過ごす内に、２人の距離は次第に縮まっていく。フロリアーヌは男遊びが激しいと専らの噂で、チームメイトから孤立していた。やがてフロリアーヌは自身の思わぬ秘密をマリーに打ち明ける。
監督：セリーヌ・シアマ 出演者：ポーリーヌ・アキュアール（マリー）、アデル・エネル（フロリアーヌ）、ルイーズ・ブラシェール（アンヌ）、ワラン・ジャッカン（フランソワ）、クリステル・バラ（検査官）、ほか
この解説記事には映画「水の中のつぼみ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
フランス、パリの郊外。15歳のマリーは、親友アンヌが出場するアーティスティックスイミング教室の競技大会へ来ていました。しかしどのチームの演技も拙く、マリーは退屈してしまいます。帰ろうと席を立つと、上級生チームの演技が始まりました。
彼女達の洗練された演技に思わず見入ってしまうマリー。中でも一際華やかな魅力を持つ少女に目が止まりました。彼女の名前はフロリアーヌ、チームのキャプテンです。マリーは一目で彼女の虜になってしまいました。一方、演技を終えたアンヌは１人になった更衣室で、偶然入って来た青年フランソワに全裸を見られてしまいます。
後日、マリーはフロリアーヌに近付くため、彼女と同じスイミング教室の入会申込みに向かいました。しかし新しいクラスを募集する時期ではないからと帰されてしまいます。一刻も早くフロリアーヌに近付きたいマリーは、アンヌと一緒にスイミング教室の生徒が開くパーティーに潜り込みました。
フロリアーヌを見つけたマリーは、演技がとても綺麗だったこと、練習を見てみたいのでプールに入れて欲しいことを伝えます。しかしフロリアーヌは全く相手にしてくれませんでした。一方のアンヌはフランソワとのキスを狙って必死にアプローチします。しかしフランソワが夢中になっているのはフロリアーヌで、２人のキスを目撃したマリーとアンヌはそれぞれショックを受けました。
マリーはフロリアーヌを待ち伏せし、どうしても練習が見たいと頼み込みます。プールに入れてくれるなら何でもすると言うと、フロリアーヌはやっと中に入れてくれました。水着に着替えたマリーは、水中に潜って練習中のフロリアーヌをじっと見つめます。
フロリアーヌは男遊びが激しいと噂され、チームメイトから孤立していました。彼女自身、その噂を肯定しています。噂を知ったマリーに対し、フロリアーヌは頼みたいことがあるので家に迎えに来て欲しいと言いました。マリーがその通りにすると、フロリアーヌはマリーと出かけると家族に話し家を出ていきます。
しばらく歩くとフランソワが待っていました。デートの為に利用されたのだと気付いたマリーは静かに苛立ちます。
後日、マリーはフロリアーヌの従妹と偽りアーティスティックスイミングの競技大会へ潜り込みました。会場に到着し、フロリアーヌの支度を手伝っていると若い男性コーチがやって来ます。マッサージをすると言われ、マリーは部屋の外に出ました。スイミング教室の少女達はまた売春かと噂します。
その帰り道、バスの中でフロリアーヌは獲得したメダルをマリーの首にかけてくれました。
マリーとフロリアーヌの距離は少しずつ縮まっていましたが、フランソワとのデートに利用されるのは相変わらずでした。ついに怒ったマリーは、もう嫌だと言って踵を返してしまいます。するとフロリアーヌは慌ててマリーの後を追って来て、思わぬ秘密を告白しました。
男遊びが激しいと言われているフロリアーヌですが、実はセックスの経験が１度もありません。マリーは驚きますが、静かにフロリアーヌの告白を聞きました。フロリアーヌは大人びた魅力から、男性に性的な目で見られることが多々あるそうです。以前に声をかけてきた男性コーチからも、勃起した男性器を見せられるなどの被害を受けていました。何でも無いことのように話しながら、フロリアーヌは確かに傷ついています。
これをきっかけに、マリーとフロリアーヌは友人と呼べるほど親しくなりました。ますますフロリアーヌに夢中になったマリーは、こっそり彼女のゴミを持ち帰り自室で堪能します。一方のフロリアーヌは、フランソワとの関係をもっと進めたいと考えていました。しかし処女の彼女は、いつも怖くなって逃げ出してしまうのです。
処女だと知られれば振られてしまうと弱音を吐くフロリアーヌは、適当な男性で処女を捨てるため夜の街に繰り出しました。同行したマリーは気が気ではありません。結局フロリアーヌは目的を遂げられませんでした。フロリアーヌは、自分の初体験の相手はマリーが良いと言い出します。マリーは動揺し、出来ないと断りました。
洗練された大人っぽいフロリアーヌと仲良くなったことで、マリーは小太りで子どもっぽいアンヌを疎ましく感じるようになります。ついに我慢出来なくなったマリーは、アンヌに酷いことを言って距離を置いてしまいました。
アンヌはフランソワへのアプローチを続けており、ある日彼にネックレスをプレゼントしました。しかしそのプレゼントはその日の内に、フロリアーヌに贈られてしまいます。それまでフロリアーヌがつけていたネックレスはマリーが貰いました。
今夜両親が留守なので、フランソワが家に来ると話すフロリアーヌ。焦ったマリーは、自分が初体験の相手になると言い出しました。２人はフロリアーヌの自室で、沈黙のまま目的を済ませます。その後、マリーはフロリアーヌがフランソワと過ごしている部屋の窓を外から見上げ、悲しみで胸をいっぱいにしました。
その夜。１人で留守番をしていたアンヌの家に、フランソワが突然やって来ます。家に上げた途端、彼はアンヌの体を弄り始めました。アンヌはどこか硬い表情で初めてのセックスを受け入れます。
翌日。アンヌはマリーを訪ね、昨夜フランソワに抱かれたことを告白しました。フランソワはフロリアーヌとセックスしようとしましたが、彼女が嫌がったためにアンヌの家に来たそうです。それを知ったマリーは内心喜びました。
夜、アンヌに誘われてパーティーに参加します。アンヌはフランソワから再びセックスに誘われますが、都合よく使われているだけだと痛感し、唾を吐いて彼のもとを去りました。
フロリアーヌは早くも別の男性と親密になっています。辛くなったマリーは別室へ彼女を連れ出し、お願いがあると口を開きました。フロリアーヌはマリーにキスし、「簡単だったでしょ」と言います。そして先程の男性が退屈だった時は助けに来てと言い残し、パーティーに戻って行きました。
マリーは唇についたフロリアーヌの口紅を、プールで洗い流します。そのまま飛び込むとアンヌもやって来ました。パーティー会場ではフロリアーヌがたった１人で踊っています。マリーとアンヌが寄り添いながらプールに浮かび、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「水の中のつぼみ」のあらすじと結末でした。
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