白い嵐の紹介:1996年アメリカ映画。1961年5月2日、帆船『アルバトロス号』が“白い嵐”によって遭難した実際の海難事故の生存者チャック・ギーグの手記『白い嵐 アルバトロス号最後の航海』を映画化した青春映画です。海洋学校の生徒たちと船長との絆と友情、そして壮絶な困難に立ち向かう姿と葛藤を描きます。
監督:リドリー・スコット 出演者:ジェフ・ブリッジス(クリストファー・シェルダン)、スコット・ウルフ(チャック・ギーグ/ナレーション)、ジェレミー・シスト(フランク・ボーモント)、ライアン・フィリップ(ギル・マーティン)、バルサザール・ゲティ(トッド・ジョンストン)ほか
映画「白い嵐」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「白い嵐」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
白い嵐の予告編 動画
映画「白い嵐」解説
この解説記事には映画「白い嵐」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
白い嵐のネタバレあらすじ:起
1961年、アメリカ。親の反対を押し切り、高校を辞めてまで海洋学校“オーシャン・アカデミー”に入学した17歳のチャック・ギーグ(スコット・ウルフ)は、航海訓練生として同世代の少年11人と共に憧れの帆船“アルバトロス号”に11人の少年と共に乗り込みました。アルバトロス号には熟練の4人のクルー、クリストファー・シェルダン船長(ジェフ・ブリッジス)とその妻で船医のアリス(キャロライン・グッドール)、船上教師のマックレア(ジョン・サヴェージ)、コックのジラルド(フリオ・メチョソ)が乗り、アルバトロス号はフロリダを出航、南米を半周する航海に出発しました。シェルダン船長は早速、少年たちに「海を甘く見ることなく、海を制する者になれ。団結は力だ」と訓示、決して妥協することなく海の厳しさを少年たちに叩き込もうとしましたが、多感な時期を迎えていた少年らの中には船長に反抗的な態度を取る者も少なくはありませんでした。
白い嵐のネタバレあらすじ:承
航海が始まって間もなく、帆を下ろそうとしたチャックの首にロープが巻き付くというアクシデントが発生しました。近くにいたギル(ライアン・フィリッペ)はかつて最愛の兄を転落死で失った過去のトラウマから何もできず、シェルダン船長が助けに入ってチャックは一命を取り留めました。シェルダン船長は高所恐怖症のギルに対し、恐怖心を克服させるべくマストに上がることを命じますが、ギルは恐怖のあまり失禁してしまいました。その後もアルバトロス号の前にはシケなどの困難が立ちはだかり、少年たちはシェルダン船長の的確な指示のもと交代で舵を取り、帆走の技術などを学び取っていきました。その一方で少年たちは船内で勉学にも励み、チャックとギルはヤンチャなディーン(エリック・マイケル・コール)やそれに反目しあっていたフランク(ジェレミー・シスト)らとも協力しあって勉強を進め、それぞれ生まれ育った環境や境遇などを超えて少年たちは絆を深め、たくましく成長していきました。
白い嵐のネタバレあらすじ:転
航海を進めるアルバトロス号の前にキューバ船が現れて発砲を仕掛け、キューバからの亡命者を探索する名目で勝手に船の中を探し始めました。シェルダン船長は少年らを守るため、毅然とした態度でキューバ兵らを追い返し、羅針盤を壊されたことについても「昔の船乗りは星と風を読んで航海した。私もそれをするだけだ」と意に介しませんでした。アルバトロス号は途中の港に立ち寄り、少年たちはダンスパーティーに出かけるなど束の間の楽しいひと時を過ごしました。しかし、そこへ突然、フランクの父で厳格な実業家のフランシス(デイヴィッド・セルビー)が息子の様子を見に訪れ、父に反発していたフランクは情緒不安定になってしまいます。仲間たちの励ましで一時は平常心を取り戻したものの、フランクはたまたま海で遭遇したイルカを水中銃で撃ってしまいました。矢はイルカの肺を貫通しており、シェルダン船長はフランクに瀕死のイルカを死なせてやるよう命じました。シェルダン船長は海の掟を破ったとして、次の港でフランクを下船させることを決意、船を去るフランクを高所恐怖症だったギルがマストに登って見送り、別れの鐘を鳴らしました。
白い嵐の結末
アルバトロス号は出航から3ヶ月目にして遂に目的地のガラパゴス諸島へ辿り着きました。少年たちは手つかずの荒々しい大地を踏みしめ、これまで島を訪れてきた先輩たちが名を残してきたノートに自分たちの名を刻みました。目的を果たし、帰路についたアルバトロス号でしたが、突如として風が吹き荒れ、荒れ狂う海が牙を向き、それらは伝説の巨大な“白い嵐”となってアルバトロス号に襲い掛かりました。船は木の葉のように翻弄されたあげく横倒しになって沈没し始め、シェルダン船長は救命ボートでの脱出を決意しますが、白い嵐は船長の愛妻アリスとジラルド、そしてギルら少年4人の命を奪って去っていきました。シェルダン船長は監督責任を問われて海難裁判にかけられ、我が子を失った親やマスコミは激しいバッシングを繰り広げました。シェルダン船長は一切言い訳はせず、自ら全ての責任を背負って免許を返上しようとしたところ、途中下船していたフランクがアルバトロス号の鐘を鳴らし、生き残ったチャックら少年たちが裁判所に駆け付けました。「あなたが自分たちに教えてくれたことはすべて嘘だというのですか?間違っていたというのですか?しかし、あなたが教えてくれなかったら,自分たちはこうやって生き残れなかった」今や船長と固い絆で結ばれた少年たちは、今度は自分たちが船長を守るため法廷の人々に訴えかけました。
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