野獣刑事（デカ）の紹介：1982年日本映画。今宮署の大滝は手柄のためなら汚い手を使うことも辞さない刑事。大滝の一匹狼の犯罪捜査と生きざまを、彼がかつて逮捕した阪上とその情婦をめぐる三角関係をからめて描く。
監督：工藤栄一 出演者：緒形拳（大滝誠次）、いしだあゆみ（山根恵子）、泉谷しげる（阪上利明）、成田三樹夫（黒木）、益岡徹（田中輝一）ほか
映画「野獣刑事」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「野獣刑事」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
作品紹介・キャスト
映画「野獣刑事」解説
この解説記事には映画「野獣刑事」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
野獣刑事（デカ）のネタバレあらすじ：雨の夜の殺人
雨の夜、ひと気のない通りで自転車の男が女に襲いかかる。女の赤い傘が風で道を転がる。体をずたずたに切り裂かれた女の死体が発見され、大阪府警の黒木が捜査の責任者になる。事件現場に真っ先に駆け付けた今宮警察署の大滝も捜査に参加するが、署長は府警ともめごとを起こさないか心配している。大滝はかつて自分が逮捕した阪上の情婦だった恵子を愛人にしていた。恵子は阪上の出所が近いことと万引きを繰り返す息子の稔の素行を心配していた。稔は、母親と寝ているから大滝は「お父ちゃん」であると言うものの、彼になついてはいなかった。大滝は独自の調査で品行方正な女子大生と思われていた被害者がコールガールをしていたことをつきとめる。さらに彼が事件現場の近くから拾ってきた紙くずを貼り合わせると恵子に似たところのある一人の女の絵になるのだった。
野獣刑事（デカ）のネタバレあらすじ：阪上の出所
阪上が出所して恵子のアパートに転がり込む。今度は彼がまた稔の「パパ」になる。一緒に万引きをしたり遊んだりしてくれる阪上の方に稔はなついた。大滝は二度と覚せい剤に手を出すなと阪上に言うだけであった。大滝は紙くずを貼り合わせた絵と同様の絵を描く田中という男を見つけ出し別件逮捕して取調室で暴力をふるう。だが証拠は上がらず、大滝はこの事件から外される。阪上と飲み歩いて憂さ晴らしする大滝。
野獣刑事（デカ）のネタバレあらすじ：恵子の犠牲
阪上は再び覚せい剤に手を出すようになる。大滝は覚せい剤の購入に稔をまきこむことを許さなかった。大滝は単独で田中を調べ続けるが、また雨の日に、田中は赤い傘の女を殺害する。黒木は大滝を捜査に戻すが大滝は田中についての情報を教えない。覚せい剤と縁の切れない阪上は火災現場に向かう消防車の音をきっかけに妄想を起こし、金属バットをもって恵子を追いかけ、ついに警察に保護されてしまう。大滝は、田中をおびき出して逮捕するために恵子におとりになってもらうことを頼んだ。怖がる恵子に「わしがついてる」という大滝。そして恵子と結婚したいとまで言うのだった。雨の夜、恵子は赤い傘をさして歩く。一台の自動車が通り過ぎたとき、赤い傘だけを残して恵子が消える。大滝は刺された恵子を見つけるが「待っとれ」とだけ言って犯人を追跡して射殺する。しかし、病院をめざして走る大滝の背中で恵子は息絶える。大滝は一か月の謹慎処分になる。親戚の家になじまない稔は大滝と暮らすことになる。
野獣刑事（デカ）のネタバレあらすじ：阪上の暴走
解放された阪上は恵子の遺影と稔を連れ出して自動車を奪い暴走を開始する。稔に、母さんを殺したのは大滝だと言う。拳銃を取り出して無差別殺人を始めた。パトカーと衝突して自動車が大破すると、住宅に人質を取って立てこもる。警察無線で事件を知った大滝は身支度を始める。「大滝を呼べ」と叫ぶ阪上。大滝は黒木の制止をきかず住宅に忍びこみ、阪上と対決する。銃声が響き、阪上は逮捕され稔は救出されるが、大滝は重傷を負って運び出される。「母ちゃん殺したのはおっちゃんやろ」と言う稔の声。稔はかつて母と一緒にくらしたアパートにいる。万引きした食べ物を母の遺影にお供えする。タクシーから降りた大滝が杖をついて歩いてくるが、稔は大滝を部屋に入れようとはしない。
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